【寄稿】「救世主」を演じる米大統領に教皇が警鐘 戦争は奇跡ではない

2026-04-17 16:07
トランプ米大統領が13日、SNS「トゥルース・ソーシャル」に、自身をイエス・キリストに見立てた画像を投稿した。「宗教への冒涜だ」として、各界から激しい批判を浴びている。(ネットより引用)
トランプ米大統領が13日、SNS「トゥルース・ソーシャル」に、自身をイエス・キリストに見立てた画像を投稿した。「宗教への冒涜だ」として、各界から激しい批判を浴びている。(ネットより引用)

「戦争のプロパガンダ、叫び、嘘、そして憎悪のすべては、戦場へ行く必要のない人々から発せられる」。ジョージ・オーウェルのこの言葉は、2026年の春、再び冷徹な事実として私たちの脳裏を突き刺す。

米国とイランの紛争、そしてトランプ大統領と教皇レオ14世の公然たる対立。それは結局のところ、戦場に立たない者が主導し、名付け、冠を戴かせ、最後には全世界に感動を強いるという、一つの「政治的ドラマ」にほかならない。

世俗の覇権と道徳の権威、相容れない二つの領分

トランプ氏と教皇レオ14世氏は、互いに一歩も引く気配を見せない。一方は空母、封鎖、原油価格のレバレッジ、そしてSNSというプラットフォームを握る世俗の覇者。もう一方は軍隊も制裁手段も持たないが、国境を越える道徳的言語と世界的な信徒のネットワークを保持する宗教的権威である。

レオ14世がアルジェリアへ向かう機内で「私は政治家ではない、福音を語っているのだ」と述べ、トランプ政権を「恐れてはいない」と明言したとき、それは単なる反論ではなかった。彼は、この時代から消えかかっている境界線を再び引き直したのである。「ホワイトハウスは艦隊を指揮することはできても、神がどの戦争を支持すべきかを決定する権利まではない」という一線だ。

自己神話への拒絶という「屈辱」

実際、トランプ氏を不快にさせているのは、教皇の反戦姿勢そのものではない。教皇が、トランプ氏の「自己神話」のBGMを奏でることを拒絶した点にある。トランプ氏は常に大統領以上の存在、すなわち「名付け親」でありたいと願っている。何が秩序で、何が文明であり、誰が歴史の恩寵に値するかを自ら決定したいのだ。

トランプ氏のような権力人格にとって、レオ14世の最も耐え難い点は、その神学ではなく「節制」にある。節制とは、誇張に対する静かなる侮辱であり、わきまえとは、自己愛に対する反証そのものだからだ。

これは単なる外交上の不一致ではない。戴冠式の最中に、祭司だけが祝福を拒むという決定的な「不手際」に似ている。しかも残酷なことに、この祭司は右派から「リベラル派の教皇」とレッテルを貼られやすかったフランシスコ前教皇ではない。軽蔑することも、分類することも、文化戦争の論理で覆い隠すことも極めて困難な、アメリカ人というバックグラウンドを持つ教皇なのである。

言葉の荒廃から始まる戦争の「歪曲」

この衝突の引き金は、性格の不一致などではない。イラン戦争そのものである。4月7日、トランプ氏はイランについて「文明が丸ごと滅ぶ」ことになると脅した。教皇はこれに強い懸念を示していた。続けて「神はいかなる紛争も祝福しない」と述べ、平和のための祈りの中で、世に蔓延する「全能への妄想」に警鐘を鳴らした。 (関連記事: ローマ教皇の対イラン軍事行動批判にトランプ氏が強く反発 異例の対立深まる 関連記事をもっと読む

これらの言葉が耳に痛いのは、理想主義だからではない。あまりに「正確」だからである。現代の戦争における最も危険な退化は、道徳的言語が失われることではなく、むしろ道徳的言語が権力に徴用され、道徳的な検証を無効化するために使われることにある。戦争はもはや自らの正当性を証明する必要はなく、疑問を呈する者を「弱腰」「左寄り」「世間知らず」、あるいは単に「忠誠心が足りない」と決めつければ済むようになる。これこそがジョージ・オーウェルの指摘した「叫びと嘘」の本質だ。すなわち、塹壕から最も遠い場所にいる者ほど、好んで戦争に名を付けたがるのである。

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