「駐リトアニア台湾代表処」の名称を巡る波紋が続く中、リトアニア側が経済協力の強化を目的とした計画文書を台湾側に提示した。これを受け、台湾の林佳龍・外交部長(外相に相当)は14日、SNSを通じ、前日にリトアニアの新駐台代表、カロリス・ピリパウスカス(Karolis Pilipauskas)氏と外交部(外務省)で面会したことを明らかにした。林外相は面会で、リトアニア側の提案を高度に重視する姿勢を示し、既存の基盤の上に協力を推進していくことを確認。さらに、4つの戦略産業における協力深化を通じて、民主主義サプライチェーン(供給網)のレジリエンス(強靱性)を共同で高めていきたいとの期待を述べた。
ピリパウスカス氏の経歴によると、同氏は今年2月に駐台機関「リトアニア貿易代表処」の代表に就任した。これまでにクライペダ経済特区(FEZ)やクライペダ市役所、リトアニア米国商工会議所(AmCham Lithuania)、リトアニア投資誘致機関(Invest Lithuania)などに勤務しており、外交官出身ではない。
リトアニアから台湾への輸入額、2025年は63%増
林氏は14日、自身のフェイスブックアカウントに、ピリパウスカス氏との面会について投稿した。「急速に変化する国際情勢の中、理念を同じくするパートナーの存在はより一層重要視される」とした上で、台湾とリトアニアは自由、民主主義、人権という価値観を共有する重要なパートナーだと強調。相互に代表機関を設置して以降、両者の関係は着実に深化しており、民主主義のレジリエンス(強靱性)構築で手を取り合うだけでなく、経済や産業面の協力でも成果が表れており、昨年のリトアニアから台湾への輸入額は約6000万米ドル(前年比63.47%増)、台湾からリトアニアへの輸出額は1億500万米ドル(同13.6%増)に達したと指摘した。
半導体・AI・グリーンエネ・ドローン産業で協力
さらに、台湾とリトアニアが投融資メカニズムを通じ、レーザー、バイオ医療、半導体などの分野で協力基盤を構築していると述べ、リトアニア政府が今回打ち出した「台湾・リトアニア経済協力アクションプラン」に対し、台湾政府として高く評価しており、引き続き協力を維持したいとピリパウスカス氏に伝えたと明らかにした。またリトアニアが2027年に欧州連合(EU)の議長国を務めることに言及したほか、双方が今後、半導体、人工知能(AI)、グリーンエネルギー、ドローンといった戦略産業で協力を深め、グローバルな民主主義サプライチェーンの強靱性を共に高めていきたいとの考えを示した。
林氏はまた、会談の中で自身が2024年11月に台湾のドローン業界団体を率いてリトアニアを訪問し、現地政府や議会、産業界と協力方針について踏み込んだ意見交換を行ったことにも触れたという。最近、台湾でリトアニア国会外交委員会のジギマンタス・パビリオーニス(Žygimantas Pavilionis)副委員長率いる中北欧議員団と面会したほか、3月にはリトアニア前国防相で現職国会議員のドヴィレ・シャカリエネ(Dovilė Šakalienė)氏に対し、長期にわたる台湾への強固な支持に感謝の意を込め、「睦誼外交奨章」を授与したことにも言及した。
欧州と連携して非レッド・サプライチェーン構築を
林氏はまた、最近3度にわたり欧州を訪問し、台湾と欧州の関係が持続的に成長しているのを肌で感じたと述べた。「地政学的リスクの変化とグローバルサプライチェーンの再編に直面する中、台湾が示しているのは民主主義陣営に不可欠な戦略的価値だ」と指摘。AIや半導体分野での強みを生かして欧州と連携し、より強靱な「非レッド・サプライチェーン(非赤供給網)」の構築に意欲を示した。最後に、ピリパウスカス氏と手を取り合い、経済貿易、テクノロジー、民主主義の強靱性といった分野で協力を深化させ、共通の価値観に基づくパートナーシップをより深く、より遠くへ進展させていきたいと結んだ。
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編集:平松靖史 (関連記事: リトアニアの「台湾代表処」名称を巡り波紋 外務省が最新状況を説明:台湾は3分野で実質的協力を継続 | 関連記事をもっと読む )
















































