【舞台裏】台湾民進党、ネット戦略を見直し 頼総統風刺「ライアー校長」に対抗

国民党は2025年、「ライアー校長」を通じてネット戦で優位に立ったが、新体制となった同党のニューメディアチームではトラブルが続出している。民進党はこの機に乗じて体制を整え、SNSでの劣勢挽回を図る。(中国国民党KMTのYouTubeより)
国民党は2025年、「ライアー校長」を通じてネット戦で優位に立ったが、新体制となった同党のニューメディアチームではトラブルが続出している。民進党はこの機に乗じて体制を整え、SNSでの劣勢挽回を図る。(中国国民党KMTのYouTubeより)

台湾の最大野党・国民党が2025年に原発問題などを巡って展開した、頼清徳総統を揶揄する「ライアー校長」シリーズの広告は大きな成功を収めた。しかし、党中央の人事刷新に伴い、2025年11月1日に鄭麗文(てい・れいぶん)氏が朱立倫(しゅ・りつりん)前主席から看板を引き継いで就任すると、党の広報体制は大幅に改組された。報道官チームやニューメディア部門が新たな陣容へと交代する中、「ライアー校長」を成功に導いた旧チームのメンバーが残留しなかったことで、引き継ぎの不備が最近のSNS運用の質の低下に直結している。民進党はこの隙を突き、長らく劣勢に立たされていたネット上の形勢を逆転させ、年末の地方選挙に向けて一気に機運を高めようとしている。

国民党の広報戦略では最近、顕著な失態が起きた。2026年3月27日、大気汚染問題を巡り、国民党の公式SNSが海外の報告書を引用して台湾の空気の質が暴落したと激しく批判。しかし直後に、同党が報告書のランキングを完全に読み違えていたことが発覚した。国民党は急遽投稿を削除し、内容への理解不足を認める謝罪声明を発表する事態となった。こうした失態を好機と見た民進党は、現在「ネット部隊」の再編を積極的に進めている。同時に頼氏本人のSNSイメージを強化し、ネット上の世論形成力を翻転させ、再び国民党を引き離すことを狙っている。

20260403-台湾総統・頼清徳氏が3日、「凱道農玩節」イベントに出席。(柯承恵撮影)
民進党は最近、積極的に組織を再編し、同時に頼清徳氏(中央)本人のSNS上のイメージを強化。ネット上での劣勢を挽回し、再び国民党を大きく引き離すことを狙っている。(柯承恵撮影)

柯文哲・黄国昌両氏の批判に対し、民進党は正面衝突を回避

​これまで頼氏のSNS発信は、外部から比較的「伝統的(お堅い)」と見なされており、主要プラットフォームにおけるエンゲージメントや注目度は総統級の実力を備えているとは言い難かった。ある民進党幹部によれば、2026年の旧正月期間以降、頼氏のSNSチームは運用戦略を見直し、ミーム画像やネットジョーク、台湾語チャレンジといったソフトな企画を打ち出した。これにより若年層の間で議論が巻き起こり始め、チームはSNS運用において徐々にリズムを取り戻していることがうかがえる。

前述の幹部は、主要なSNSを観察すると、これまで野党が優位に立っていた画像投稿型や動画投稿型のプラットフォームにおいて、頼氏の公式アカウントのパフォーマンスが最近著しく向上していると指摘する。フォロワー数やエンゲージメント率は上昇傾向にあり、一部のプラットフォームでは競合他社を凌駕するほどの検索量や議論の規模を見せている。さらに、最近急成長しているテキスト主体の新興SNSでも、頼氏の投稿は大きな反響を呼んでいる。
(関連記事: 【人物】頼清徳総統指名の検事総長候補に異議 公然と批判した陳宏達主任検事とは 関連記事をもっと読む

なぜ、このような変化が生じたのか。ある党関係者は以下の3つのポイントを挙げる。第一に、ユーモアに欠けるという固定観念を払拭することだ。最近、ネット上で「島嶼天光」を用いた悪意あるミームが拡散された際、党側が過度に厳格な態度をとれば、かえってネットユーザーから「ユーモアがない」「冗談と本気の区別がつかない」と嘲笑されるリスクがある。そのため、チームは悪意のないネット上の便乗行為に対しては、あえて真剣に反論しないという対応を学んだ。

最新ニュース
櫻坂46、国立競技場で5周年を祝福!14万人動員、坂道初の両A面シングル&2027年アジアツアー開催を電撃発表
韓国、「CHINA(TAIWAN)」表記を削除 台湾は居留証の「南韓」表記維持、外交部「調整なし」
【独自】 国民党・李乾龍副主席の車両にGPS追跡器 監視疑惑で党内に警戒広がる
味の素「SIIDA」が銘酒居酒屋「件」とコラボ 六本木の祭典で「だし」の新たな可能性を披露
ホルムズ海峡巡り情報錯綜 米軍「通過ゼロ」も一部報道は航行確認
【独占】習氏は「求同存異」を容認するのか 非公開会談の舞台裏を張栄恭氏が明かす
【舞台裏】頼総統、26年台湾統一地方選の候補調整に苦慮 鄭麗君氏は出馬要請に難色
ローマ教皇の対イラン軍事行動批判にトランプ氏が強く反発 異例の対立深まる
【新新聞】量子計算を主導するIBM・Google・エヌビディア、台湾勢の参入戦略
【独占】味の素「SIIDA」担当者に独占取材 だしを「味わう」体験と「だしがら」活用が拓く新たな食文化
NBA公式直筆サイン入りジャージが必ず届く「Under Wraps」第1弾、NBA Store Japanで販売開始
SR渋谷、ホーム青山学院記念館に別れ 4月26日の千葉戦で「メモリアルフォト」企画を実施
三菱地所と清水建設、シンガポール最大級の食品産業向け分譲物流施設「Gourmet Xchange」の開発に参画
サンリオピューロランド「POMPOMPURIN 30th Anniversary」開幕 30周年記念の特別展示や3Dデジタルフィギュアを公開
【2026 GW】スカイツリーの「台湾祭」からお台場の「肉フェス」まで、首都圏で楽しむ「4大フードフェス」完全ガイド
CRAFT SAKE WEEK 10周年が六本木で開幕 中目黒「若狭」が提案する日本酒と韓国料理のペアリング
訪台日本人150万人の大台へ 台湾観光署、東京・秋葉原でGW向け大規模イベント開催
台北・微風信義にてentakuの「わかってないなぁ展」と「うれしいすぎるよ展」が開催中
【寄稿】台湾はなぜインド人労働者を受け入れるのか その必要性と制度の意義
【李忠謙のコラム】トランプ氏、「AI画像」投稿で波紋 ホルムズ海峡めぐる強硬策のリスク
矢田稚子前首相補佐官、「女性参画と地方経済」をテーマに講演 男女賃金格差の是正を訴える
自民大勝と「高市現象」が刻む歴史的転換点 中北浩爾教授が分析するSNS動員と多極化する連立システムの行方
【人物】頼清徳総統指名の検事総長候補に異議 公然と批判した陳宏達主任検事とは
ネット動画と新たな対立軸が浮き彫りにする「高市現象」の背景 成蹊大学・伊藤昌亮教授が分析
中満泉国連事務次長、NPT空洞化に強い危機感 運用検討会議を前に日本の外交的役割に期待
【独占】読者へ届けたい「本来の美しさ」とは 美容整体師と画家の二つの顔を持つ麗(Urara)が語る、独自の人生哲学
【張鈞凱コラム】習近平氏は本当に「統一」に言及しなかったのか?
【国際情勢を読み解く】イラン「二重海軍」体制の特異性、ホルムズ海峡を掌握する真の軍事力の正体
台湾、インド人労働者の受け入れへ 労働部長「第1陣は年内の可能性」
トランプ氏、ホルムズ海峡の「全面封鎖」を宣言 イランへの通行料支払船はすべて臨検・拿捕の対象に
米イラン交渉が決裂 トランプ氏、ホルムズ海峡封鎖を表明 原油高と世界経済への影響
【杜宗熹コラム】鄭習会談が示すもの 中台「平和統一」への布石か、中国の対台湾メッセージを読む
リッチモンドホテル青森、4月15日にレストランを全面刷新 「地域とつながる滞在型ホテル」へ進化、青森の食文化を体感
孤独は「1日15本の喫煙」に匹敵する健康被害 岡本純子氏、日本社会で孤立する中高年男性の危機的現状を指摘
イスラエル・米の対イラン攻撃で世界最大の供給途絶、田中伸男氏が「エレクトロステート」への転換を提言
参政党・神谷宗幣代表、日本外国特派員協会で会見 独立自尊の国防と日本人保護を強調
中東紛争とトランプ政権の地政学リスク エネルギー危機と市場の不確実性を専門家が分析
小野田AI戦略担当相、自身のAI利用は「業務で必要性感じず」 人材育成の重要性は強調
台湾北部に新交通網、台北・新北・桃園と台湾鉄道を結ぶ路線の開通時期
プーチン氏に数千億円の「臨時収入」 EU、イラン戦火でロシア産ガス依存から脱却できず
【独占】「偶然」から東京クリエイティブ業界の最前線へ 台湾出身プロデューサー・頼千川凛が拓く、日台クロスオーバーの新たなステージ
欧米人が熱狂する日本の空き家投資、その後に待つ「想定外」の現実
六本木ヒルズ展望台が『チ。』の世界に 数百万の星空と哲学が交差する「星空シアター」も登場
サマソニ最終ヘッドライナーにAdoが決定!25周年の節目に日本人アーティスト2組が並ぶ歴史的快挙
【MLB】8球団が「シティコネクト」新デザインを発表 公式ショップで販売開始
三菱地所、「DX注目企業2026」に選定 生成AI活用と組織的なDX推進力が評価
ユニクロ、平野歩夢のスペシャルトークイベントを4月15日に開催 大怪我からの復帰と未来を語る
Umios、JR東日本、東大、Phicが共創ブランド「umios Planet」を始動 海から「地球益」の具現化へ
ドジャースのワールドシリーズ連覇を祝す「チャンピオンリング」が登場 4月10日より受注販売開始
台湾半導体ドキュメンタリー『チップ・オデッセイ 台湾の賭け』国会初上映、TSMCの発展と民主主義サプライチェーンの結束に焦点