最近、複数のメディアに「次の司法の不公正の犠牲者はあなただ」と題された内部告発が届いた。この告発書は、柯文哲(か・ぶんてつ)氏を巡る事件の司法手続きにおける「内幕」や、次に標的とされる政治家のリストに言及している。対象には民衆党の黄国昌(こう・こくしょう)主席をはじめ、国民党の蕭旭岑(しょう・きょくしん)副主席、王鴻薇(おう・こうび)、徐巧芯(じょ・こうしん)、馬文君(ば・ぶんくん)といった立法委員(国会議員)らの名前が並ぶ。
情報の真偽は定かではないが、王鴻薇議員は自身のフェイスブックで、「民進党政権下で、司法は指標的な政治人物を弾圧するための道具に成り下がっている。詐欺事件の摘発に奔走する基層の司法関係者の苦労をよそに、政治案件を手掛ける者の出世が優先される風潮が、司法への信頼を失墜させている。野党議員らは政争の犠牲を強いられている」と強く批判した。
鍵を握る「謎の国際部主任」の存在
この告発が国民党内部で波紋を広げたのは、リストに並ぶ有名政治家たちの名前以上に、現職の国民党国際部主任・董佳瑜(とう・かゆ)氏に関する詳細な記述があったからだ。
董氏は政治圏のみならず党内でも知名度は決して高くない。かつて連戦(れん・せん)氏の派閥に近い立場で党代表選に関わり、国際事務部の助手などを務めた経歴を持つが、実家は上海の台湾系企業(台商)である。重鎮が避ける国際部主任というポストを彼女が引き受ける形となった。告発文の中に「董佳瑜氏は母親から多額の資金提供を受けている」といった、一般には知り得ない細部まで触れられていたことが、党関係者に「情報の出所が尋常ではない」という警戒感を抱かせた。

「国家機関の動員」か 李乾龍氏の車両にGPS追跡器
「国家権力が動いているのではないか」という疑念が党内に渦巻く中、『風傳媒(ストームメディア)』の取材により、国民党副主席兼秘書長を務める李乾龍(り・けんりゅう)氏の車両から実際にGPS追跡器が発見されていたことが判明した。
李氏は江啓臣(こう・けいしん)氏が主席を務めた時代に秘書長を退任。その後は重要な公職から離れ、三重・先嗇宮(せんしょくぐう)の董事長として静かな引退生活を送っていた。1年前には妻とのクルーズ旅行を予約していたが、鄭麗文(てい・れいぶん)党主席からの要請を受け、地方選挙に向けた党内結束のために副主席兼秘書長に就任。旅行をキャンセルしてまで党務に復帰した経緯がある。

「鄭・習会談」の裏で党本部を徹底捜索か GPS発見で国民党内に走る激震
かつて「悠々自適」の引退生活を送っていた李乾龍氏だが、副主席就任後の日々は一変した。事の発端は、運転手が「尾行されているのではないか」という違和感を抱いたことだった。しばらくして尾行されている感覚は消えたものの、拭いきれない不安から車の整備時に専門家による特別点検を依頼。その結果、後方の方向指示器(ウインカー)付近から、実際に追跡器が発見された。
李氏はこの事態を直ちに党本部に報告した。江啓臣(こう・けいしん)氏が党主席を務めていた時期には、党本部ビル内での定期的な盗聴・盗撮点検が慣例となっていたが、鄭麗文(てい・れいぶん)体制に代わってからは、その慣例が途絶えていた。
事態を重く見た党本部は、急遽関連機材を購入。鄭主席や主要幹部らが中国を訪問し、「鄭・習会談」に臨んでいる期間を狙い、中央党部ビル全体の徹底的なセキュリティチェックを実施した。
現時点では、建物内から新たな不審物は発見されていない。しかし、李氏が実際に追跡器を仕掛けられていた事実と一連の内部告発は、国民党内に深刻な「疑心暗鬼」をもたらしている。党内では「得体の知れない力が、背後で何らかの工作を企てているのではないか」という懸念が急速に広がっている。
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編集:柄澤南 (関連記事: 国民党・鄭麗文主席が訪中、習近平氏と会談へ 国民党の両岸政策と同行メンバーを解説 | 関連記事をもっと読む )

















































