【独自】政治家監視の波紋、国民党・李乾龍氏の車内で発信機発見と党本部の緊急捜索

2026-04-15 12:00
政治家への監視は極めて機微に触れる問題である。国民党副主席兼秘書長・李乾龍氏の乗用車に発信機が取り付けられていた。(写真/楊騰凱撮影)
政治家への監視は極めて機微に触れる問題である。国民党副主席兼秘書長・李乾龍氏の乗用車に発信機が取り付けられていた。(写真/楊騰凱撮影)

最近、複数のメディアに対し「次の司法不公正の犠牲者はあなただ」と題する内部告発が寄せられた。この告発は、前台北市長・柯文哲氏の事件を巡る司法不公正の「内幕」に触れ、次に標的となる人物として、現台湾民衆党(民衆党)主席・黄国昌氏、中国国民党(国民党)副主席・蕭旭岑氏、同党立法委員(国会議員に相当)の王鴻薇氏、徐巧芯氏、馬文君氏らの名前を挙げている。告発の真偽は定かではないものの、王氏は自身のフェイスブックで、「民主進歩党(民進党)政権下において、司法は無実の罪を着せ、象徴的な政治家を迫害する道具に成り下がっている」と強調。さらに「詐欺事件の捜査に奔走する司法関係者の苦労は、政治案件に関わる者の出世には到底及ばない。こうした風潮が司法への信頼低下を招き、現場の職員や野党の立法委員が政争の犠牲になっている」と指摘した。

このさほど注目されていないニュースだが、国民党関係者によれば、最も重要なのは柯氏、黄氏、国民党主席・鄭麗文氏、蕭氏といった政界でおなじみの名前ではなく、現任の国民党国際部主任・董佳瑜氏の名前が挙がっている点だという。董氏は政界はおろか、一般の党内関係者でさえ知る人は少ない。過去に連戦氏の派閥から党代表選に出馬し、国際事務部のアシスタントを務めた経歴を持つ。家族は上海で事業を展開する台湾企業家(台商)であり、現在は国際事務部主任を務めているものの、この役職は有力者が就任を敬遠した結果、董氏に回ってきたものに過ぎない。しかし、告発の中で「董氏のように、母親から多額の資金援助を受けている」といった詳細な事情にまで言及されていたことから、党内関係者の間で警戒感が広がっている。

20260401-前馬英九基金会執行長で国民党副主席の蕭旭岑氏。(陳品佑撮影)
複数のメディアに対し「次の司法不公正の犠牲者はあなただ」と題する告発が寄せられ、次に標的となる人物として、現国民党副主席・蕭旭岑氏(左)ら政治家の名前が挙げられた。(写真/陳品佑撮影)

車両から発信機を発見、李乾龍氏周辺で不可解な動き

董氏の名前や同氏に関する詳細な情報が告発内容に含まれていたことで、党内ではこの告発が単なるデマではないとの見方が強まっている。では、一体誰がこれほどの情報を入手できるのか。「国家権力が動いているのではないか」との疑念が関係者の脳裏をよぎっている。さらに特筆すべきことに、『風傳媒』の取材で、国民党副主席兼秘書長・李乾龍氏の公用車から実際にGPS発信機(追跡装置)が発見されていたことが明らかになった。

李氏は、江啓臣氏が党主席を務めていた時期に秘書長を退任して以降、主要な公職や党職には就かず、三重先嗇宮(新北市)の董事長を務めるのみで、悠々自適の隠居生活を送っていた。1年前には妻とのクルーズ旅行を予約していたほどだが、党主席選後に鄭氏から副主席兼秘書長への就任を打診され、地方選挙の統合を図るためにキャンセル料を払ってまで旅行を取りやめていた。

20250903-国民党主席選立候補予定者の鄭麗文氏(右)が前国民党秘書長の李乾龍氏(左)を訪問。(柯承恵撮影)
悠々自適の隠居生活を送っていた李乾龍氏(左)だが、国民党主席・鄭麗文氏(右)の要請を受け、副主席兼秘書長に就任した。(柯承恵撮影)

鄭麗文氏の訪中を利用し、国民党が党本部を極秘調査

悠々自適の生活を送っていた李氏だが、副主席に就任して以降、身の回りで「異変」が起き始めた。まず、運転手が「尾行されている」ことに気づいた。しばらくして尾行される感覚はなくなったものの、不審に思った運転手が車両のメンテナンス時に専門業者に点検を依頼したところ、後部ウィンカー付近から実際にGPS発信機が発見されたのである。

事態を重く見た李氏は、直ちに党本部へ報告した。江氏が党主席を務めていた時期には党本部ビルの定期的な探知調査が行われていたが、鄭氏の就任後はその慣例が途絶えていた。そのため、党本部は急遽専用の探知機材を購入し、鄭氏や党幹部が中国を訪問して習近平氏と会談(鄭習会)を行っている期間を利用して、党本部ビル内を徹底的に検査した。現在のところ不審物は発見されていないものの、李氏の実際の被害経験や一連の内部告発を受け、国民党内では「見えざる力が暗躍しているのではないか」と疑心暗鬼が広がり、極度の警戒態勢が敷かれている。

編集:柄澤南

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