【舞台裏】「私には天命がある」鄭麗文氏の自信と国共会談の行方 相次ぐ司法リスク回避で国民党に勝機は巡るか

2026-04-08 09:23
国民党主席・鄭麗文氏(写真)は就任当初、有望視されていなかったが、一部の厄介な状況が突如として解決を見た。(写真/陳品佑撮影)
国民党主席・鄭麗文氏(写真)は就任当初、有望視されていなかったが、一部の厄介な状況が突如として解決を見た。(写真/陳品佑撮影)

台湾の最大野党・国民党主席の鄭麗文(てい・れいぶん)氏は4月10日、中国の指導者・習近平氏と「鄭・習会談」を行う予定だ。党中央は今回の訪中について「2026年平和の旅」と位置づけている。台北市長の蔣萬安氏はこれに対し、いかなる中台間の交流も「対等、尊厳、善意、互恵」の原則の上に成り立つべきだと強調した。一方、台中市長の盧秀燕氏は、鄭麗文氏とはそれぞれ別の形で連携して攻勢をかけていると述べた。現時点では、党内では同会談に対して大きな否定的評価はあまり見られないようだ。

一方、民進党陣営の攻勢は激しい。民進党の王定宇立法委員(国会議員に相当)は、鄭氏が習氏を前に台湾の主権を主張できず、中国に拘束されている台湾人の救出も実現できず、国際参加も勝ち取れないのであれば、この会談は「中国共産党の政治ショー」に成り下がるおそれがあると批判した。国民党が打ち出した「平和でこそ寝そべれる」とする動画についても、民進党の林月琴立法委員が投稿で、「寝そべり」を政治的訴求として用いているのではないかと疑問を呈した。いずれにせよ、国民党・民進党・民衆党の各政党の政治家はいずれも、この「鄭・習会談」が2026年末の選挙にとって大きな加点となるのか、それとも大きな減点となるのかを注視している。

2026年3月5日、中国の習近平国家主席が中国人民政治協商会議の開幕式に出席した。(AP通信)
鄭麗文氏は中国の習近平国家主席(写真)と会談する予定だが、国民党内に目立った批判はなく、民進党が猛攻を仕掛けている。(写真/AP通信提供)

鄭麗文氏が「私には天命がある」と豪語、党内に波紋

国民党では現在、各地で地方議員の党内予備選が激化している。党内では、規律審査中の新人の出馬可否や、若手とベテラン議員の「内紛劇」に関心が集まっている。しかし、今から約3週間前の3月16日、新人向け講座「星火計画」で放たれた鄭氏のある発言が、党関係者の間で波紋を広げている。

当時、メディアの注目は候補者間の恩怨(おんえん)に端を発する騒動に向けられていたが、講師として登壇した鄭氏は、自身の政治理念を説く中で、近く予定されている習近平総書記との会談について言及した。鄭氏はその場で「私には『天命』がある。会談は必ず成功する」と強調したという。

この発言が外部に漏れると、多くの党関係者や幕僚は絶句した。当時、習氏との会談の成否は、複雑な米中台関係のみならず、緊迫する「アメリカ・イラン紛争」の推移にも左右される極めて不透明な状況だった。外交・安保上の極めて緻密な調整が求められる局面において、「天命」という言葉で片付けようとする鄭氏の自信は、あまりに楽観的すぎると映ったのだ。

台湾政界では、占いや「風水」を重んじる文化が根強く、国民党の歴代主席もまた例外ではなかった。呉敦義(ご・とんぎ)氏時代の「龍魚(アロワナ)の池」や、江啓臣(こう・けいしん)氏時代の「門扉の重石」など、風水に基づくとされる対策が講じられてきた経緯がある。
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関係筋によると、鄭氏もまた、国民党本部ビルの外側に2本の柱を増設する計画を立てていたという。100万台湾ドル(約500万円)以上の費用を要するこの不可解な計画について、党内では「風水的な意図があるのではないか」との憶測が飛び交った。しかし、工事の規模が大きく、台北市の建築管理当局から建築許可が下りなかったため、この計画は現在、一時停止の状態にあるという。

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