【舞台裏】馬英九基金会で内紛、周美青夫人が激怒 「馬氏の親族」と理事会が、執行長代行の解任巡り正面衝突へ

馬英九(ば・えいきゅう)前総統(左)の基金会で人事抗争が相次ぐ中、夫人の周美青(しゅう・びせい)氏(右)ら「馬家」の勢力が馬氏を保護すべく介入した。(写真/台北市写真記者聯誼会提供)
馬英九(ば・えいきゅう)前総統(左)の基金会で人事抗争が相次ぐ中、夫人の周美青(しゅう・びせい)氏(右)ら「馬家」の勢力が馬氏を保護すべく介入した。(写真/台北市写真記者聯誼会提供)

台湾の前総統・馬英九(ば・えいきゅう)氏が設立した「馬英九基金会」の人事抗争が激化している。国民党内からは「身内が痛み、敵を喜ばせる」と嘆きの声が上がり、民進党側がその混乱を静観する中、事態は新たな局面を迎えた。3月27日の理事会(取締役会に相当)では内部調査による沈静化が図られたものの、4月3日には戴遐齡(たい・かれい)執行長代行の解任を求める動きが表面化。基金会側はこれを否定しているが、関係者の証言によれば、戴氏の言動が複数の理事の反発を招いただけでなく、馬英九夫人の周美青(しゅう・びせい)氏をも激怒させ、馬家(馬氏の親族)が直接介入する事態に発展している。

劣勢を覆すための「4月13日の賭け」

​戴氏と彼女を支持する勢力は、解任された前執行長の蕭旭岑(しょう・きょくしん)氏および王光慈(おう・こうじ)氏の「財政規律違反」への対処を巡り、理事会と激しく対立している。3月27日の理事会決議に不満を抱く戴氏側は、自身の職務を維持し、理事会での劣勢を一挙に挽回しようと画策。馬英九氏の同意を得た上で、4月13日に臨時理事会を招集し、馬氏が推薦する新任理事の選任を強行する構えだ。

知情筋によれば、この動きは現理事および馬家(馬氏の親族)に対する事実上の「宣戦布告」であり、戴氏勢力による最後の一打と見られている。基金会の主導権がどちらの手に落ちるかは、4月13日の増員選挙の結果次第となる。

20230621-ギャラップ世論調査会社のCEO・戴遐齢氏が21日、「2024年正副総統選挙候補者世論調査分析」結果発表記者会見に出席した。(顔麟宇撮影)
理事会の再招集を控える馬英九基金会。執行長代行の戴遐齢(たい・かれい)氏(写真)を巡る人事案で、激しい攻防が予想される。(資料写真/顔麟宇撮影)

3月27日理事会の緊迫した舞台裏

​戴氏は「馬氏から100%の支持を得ている」と強調しているが、実際には3月27日の理事会で職を追われる寸前だった。出席者の証言によると、当日、一部の理事が戴氏の不祥事や議論を呼ぶ言動を問題視し、理事の李徳維(り・とくび)氏に執行長代行を交代させるよう提案した。これに対し馬氏は「彼女のパフォーマンスは悪くない。続投を望む」と宥め、決選投票は回避された。

ある出席者は「票数だけで言えば、投票になれば戴氏は確実に解任されていただろう。しかし、馬前総統の顔を立てるべきだという意見が出たため、人事は据え置かれ、依然として『代行』の身分のままとなった」と明かしている。

理事会の合意を無視した独断と「盗聴疑惑」

​理事会側は馬氏への敬意から戴氏の即時解任を見送ったが、戴氏は理事会終了直後、基金会の名義でプレスリリースを発行。理事会が決議した「3人による調査委員会」の設置を公表した。これは理事会の決定事項を対外的に伏せるという合意に公然と違反するもので、理事たちの怒りに火をつけた。
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さらに、理事会での議論が何者かによって密かに録音され、その音声データがメディアに流出するというスキャンダルも発覚した。理事の一人が戴氏に説明を求めたところ、彼女は「知らぬ存ぜぬ」を突き通しているが、理事会側は現在、盗聴および情報の外部拡散に関する法的責任の追及を真剣に検討しているという。

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