トップ ニュース 米大統領、対イラン作戦開始1カ月で国民向け演説 早期終戦への見通し
米大統領、対イラン作戦開始1カ月で国民向け演説 早期終戦への見通し 2026年4月1日、ホワイトハウスで国民向けテレビ演説を行うトランプ米大統領。(AP通信)
米大統領のドナルド・トランプ氏は1日夜、イランとの戦争に関して国民向けのテレビ演説を行った。米国とイスラエルが共同で発動した作戦名「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」と呼ばれるこの軍事行動は、世界のエネルギー供給網を混乱に陥れる激戦となっている。トランプ氏はこの演説で、米国および世界に向けて「戦争の終結は非常に近づいている」と宣言し、米軍の戦略的目標も極めて短期間のうちに完全に達成されるとの見通しを示した。
トランプ氏は演説の中で、同作戦が手際の良い電撃戦であると強く印象付けることに努めた。同氏はさらに、米軍が向こう2〜3週間にわたりイランに対して極めて猛烈な攻撃を加えるとし、「彼らを石器時代まで後退させる」と言明した。また、今回の軍事行動を人類の戦争史における奇跡と称し、わずか数週間のうちに米軍を前にしてこれほど壊滅的かつ大規模な損害を被った敵は過去に存在しないと主張した。
トランプ氏は演説の冒頭で、米軍が過去4週間において迅速かつ決定的、そして圧倒的な勝利を収めたと大々的にアピールした。イラン海軍はすでに壊滅し、空軍の施設は廃墟と化し、国家指導者は死亡したと説明。さらに、イスラム革命防衛隊(IRGC)の指揮統制システムも徹底的に破壊されつつあり、ミサイルやドローンの発射能力は大幅に削減されたと述べた。
トランプ氏は次のように強調した。「2015年に私が大統領選への出馬を表明した初日から、イランによる核兵器保有は断じて許さないと誓ってきた。この狂信的な政権は47年間にわたり『米国に死を』『イスラエルに死を』と叫び続けてきた。彼らの代理勢力はベイルートの米海兵隊兵舎爆破事件を画策し、241人の米国人の命を奪った。また、路肩爆弾で数百人の米軍兵士を虐殺し、数え切れないほどの身の毛もよだつ犯罪に手を染めてきた。もしこれらのテロリストが核兵器を保有すれば、それは到底容認できない脅威となる」
「私の2期にわたる大統領任期において、イランの核開発を阻止するために多くの手を打ってきた。まず、おそらく最も重要と言えるのは、1期目に(IRGCの)ソレイマニ司令官を殺害したことだ。そして同様に重要なのが、オバマ元政権時代のイラン核合意を破棄したことである。本質的に、私は他のどの大統領もやろうとしなかったことを実行した。彼らが犯した過ちを、私が正しているのだ」
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「私は常に外交的手段を優先してきた。しかし、イラン政権は頑なに核兵器の追求に固執し、合意に至るためのあらゆる試みを拒絶した。そのため、昨年6月にイランの核施設に対し『ミッドナイト・ハンマー作戦』の発動を命じた。その後、イラン政権が全く異なる場所で核計画の再建を図ったことは、彼らに放棄する意思がないことを明確に示している」「『エピック・フューリー作戦』の発表時に述べた通り、我々の目標は非常にシンプルかつ明確だ。米国を脅かし、国外に戦力を展開するイラン政権の能力を体系的に解体することである」
「我が軍の働きは卓越しており、軍事史においてこれほどの規模の作戦はかつてなかった。今夜、これらの核となる戦略的目標がまもなく完遂されると発表できることを喜ばしく思う。この進展を祝うと同時に、我々は今回の戦闘で命を落とした13人の米軍兵士を特別に追悼する。彼らは、我々の子孫が核武装したイランに直面することを防ぐために犠牲となったのだ」「多くの米国人が昨今のガソリン価格高騰を懸念している。今回の短期的な原油価格の上昇は、完全にイラン政権による民間のタンカーや周辺国へのテロ攻撃がもたらした結果である。これは、イランが永遠に信用に値せず、決して核兵器を持たせてはならないことを改めて証明している。彼らが核兵器を使用すれば、数十年にわたる恐喝、経済的苦痛、そして混乱を引き起こすだろう」
「『エピック・フューリー作戦』の開始当初から、私は全ての目標が完全に達成されるまでやり遂げることを明確にしてきた。これまでの進展のおかげで、我々は計画通りに進んでおり、米国の全ての軍事目標をまもなく達成できると、今夜発表することができる。本当にまもなく達成されるだろう。今後の2〜3週間にわたり猛烈な打撃を与え、彼らを石器時代に引き戻してやる」「今夜、全ての米国人は、イランの侵略という邪悪な行為や核の脅威の影から抜け出せる日を期待できる。我々が講じた行動により、米国および世界に対するイランの悪辣な脅威に終止符を打とうとしているのだ」
だが、現実は果たしてその通りなのだろうか。英通信社ロイター のファクトチェックチームは、トランプ氏がイランの軍事能力を完全に破壊したと主張しているものの、実際には革命防衛隊がペルシャ湾やイスラエルで攻撃を続けていると指摘している。事態は米軍のワンサイドゲームではなく、むしろ複雑な一進一退の攻防の様相を呈しており、イスラエル側もイランの首都テヘランにある政権拠点への軍事打撃を継続しているなど、双方の交戦が依然として激しいことを示している。
トランプ氏はまた、歴代の米大統領にも矛先を向け、47年間に及ぶイランの核の脅威という危機は、自身が就任する前に徹底的に解決されているべきだったと批判した。同氏は、イランの核保有を「容認できない脅威」と強調することで「エピック・フューリー作戦」発動の正当性の核心的論拠とし、この軍事行動は全て米国の安全と自由世界の保障のためであると主張した。
演説の中でトランプ氏は、ベトナム戦争やイラク戦争など過去の重大な戦争に特に言及した。同氏は、それらの戦争では米軍が数年にわたる泥沼に巻き込まれたと指摘。それに比べ、中東屈指の強国に対する今回の軍事行動では、米軍はわずか32日間でこの国を「完全に骨抜き」にし、脅威とならない状態に追い込んだと述べた。トランプ氏は「我々は全ての切り札を握っているが、彼らには何もない」と豪語し、今回の戦争を米国民の未来への投資と位置づけた上で、「エピック・フューリー作戦」は1カ月以内に完全に終結する見込みがあるとの認識を示した。
トランプ氏のこうした自画自賛に対し、米国の世論は冷ややかだ。ロイターと調査会社イプソス(Ipsos)が先週金曜から日曜にかけて実施した最新の世論調査によると、米国民の実に3分の2が、トランプ政権が当初設定した軍事目標を達成できずとも、米国は早急にイランとの戦争を終結させるべきだと考えていることが明らかになった。この強力な反戦・厭戦ムードこそが、トランプ氏に「2〜3週間以内の終結」を約束させた最大の要因であるとみられる。
トランプ氏は演説で、米国の同盟国に対し米国産原油への切り替えを促すとともに、米国政府は今後ホルムズ海峡を経由する石油を一滴たりとも輸入しないと宣言した。「米国はホルムズ海峡から石油をほとんど輸入しておらず、将来も輸入することはない」「我々にそれは必要ない。過去も必要なかったし、今も必要ない」と語った。その上で、同盟国は「自ら海峡で石油を引き取り、その石油を守り、そして自ら消費する」べきだと主張した。同氏は、米国として支援を惜しまないとしつつも、この航路に依存する国々が立ち上がり、原油輸送を保護する責任を負わねばならないと指摘した。海峡の通航再開の時期についてトランプ氏は極めて楽観的な姿勢を見せており、イランは戦後の復興資金を確保するため原油の売却を急がざるを得ず、ホルムズ海峡は「自然と開放される」との見解を示した。
トランプ氏は全国演説に先立ち、ロイターの電話インタビューに応じた際、北大西洋条約機構(NATO)に対する強い不満を隠さなかった。同氏はこのインタビューで、欧州の同盟国が米国の要求を拒否し、ホルムズ海峡における石油航路の安全確保に協力しようとしないため、NATOはイランにおける米国の戦略的目標を全く支持していないと感じていると明言した。さらに、米国のNATO離脱を検討していると改めて表明し、「我々が彼らを必要としている時、彼らは全く友人ではない」「我々はこれまで彼らに何も要求してこなかった。完全に一方通行の道だ」と不満をぶちまけた。
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