【独占】トランプ「対イラン勝利」の真意、真の標的は中国か 台湾有事の「時間窓」が判明

2026年4月1日、米大統領のドナルド・トランプ氏はホワイトハウスで国民向けテレビ演説を行い、対イラン戦争の勝利を宣言した。(写真/AP通信提供)
2026年4月1日、米大統領のドナルド・トランプ氏はホワイトハウスで国民向けテレビ演説を行い、対イラン戦争の勝利を宣言した。(写真/AP通信提供)

トランプ米大統領は米東部時間1日夜に演説を行い、対イラン戦争において「圧倒的な勝利」を収めたと発表した。これを受け、台湾のシンクタンク「台湾戦略シミュレーション学会」のアナリスト、徐曉強(シュー・シャオチャン)氏は台湾メディア『風傳媒』の独占取材に応じ、米国の現在の大戦略はウクライナおよびイランの二つの戦争を早期に終結させ、リソースをインド太平洋地域の対中抑止に集中させることにあると分析。その上で、台湾海峡で衝突が勃発する可能性が最も高い時期は「2036年から2037年」になるとの見解を示した。

「戦史上例を見ない壊滅的打撃」トランプ氏が演説

​トランプ氏は全米テレビ演説の中で、米国が戦場で迅速かつ決定的な勝利を収めたと強調。「戦史上、わずか数週間でこれほど確定的かつ壊滅的な大規模損失を被った敵は存在しない」と述べ、イランの海軍および空軍が全滅し、ミサイル能力や無人機システムも大幅に削減・弱体化したと主張した。

戦略シミュレーションの権威による分析

今回分析を行った「台湾戦略シミュレーション学会」は、李登輝政権時代に国家安全会議副秘書長を務めた張榮豐(チャン・ロンフォン)氏によって創設された。張氏はかつて中台間の密使を務め、台湾海峡危機に際して「18通りのシナリオ」を策定した人物として知られる。同学会はゲーム理論と戦略シミュレーションの手法を用い、国家安全保障や中台関係の分析を行うほか、地政学的リスクや産業トレンド、ビジネス交渉について企業へのコンサルティングも提供している。

アナリストの徐氏は、パリ政治学院で欧州事務の修士号を取得し、欧州連合(EU)機関やシンクタンク、台湾立法院(国会)顧問などを歴任。現在は同学会で国際情勢の分析を担っている。

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張栄豊氏は李登輝総統の深謀遠慮と雄大な手腕は身を捧げるに値すると考えている。(新新聞資料写真)
張栄豊氏は李登輝政権時代の国家安全保障高官であり、退任後に「台湾戦略模擬学会」を創設、ゲーム理論をビジネスの領域に応用している。(写真/新新聞提供)

トランプ氏、イスラエルと連携しイランを打倒 対中脅威に軍事力を集中させる「戦線縮小」の狙い

Q:なぜ米国はイスラエルと協力し、2月末にイランへの軍事行動に踏み切ったのか。トランプ大統領の真意はどこにあるのか。

徐曉強(アナリスト): 現在、米国の超党派の間では「中国こそが最大の競争相手である」というコンセンサスが形成されている。ブッシュ政権やオバマ政権時代のように、経済発展を通じて中国を民主化へと導けるという期待はすでに潰えた。主流の米政治家の中に、もはやそのような考えを信じる者はいない。中国という強大なライバルに対抗するためには、米国は世界各地の戦線を縮小し、まずは「裏庭」である南北アメリカ大陸の安定を確保する必要がある。その論理に基づき、米国は今年初めにベネズエラに対して行動を起こし、マドゥロ大統領を「拘束」した。これは、米国の強大な軍事力と精密打撃能力を世界に見せつけるものとなった。

現在の世界的な主要戦場は、欧州のウクライナと中東である。トランプ氏はすでにウクライナのゼレンスキー大統領に対し、今年5月中旬までに大統領選挙を実施し、和平合意への国民投票を行うよう求めている。トランプ氏は今年半ばまでに欧州の戦火を収束させたい考えだ。中東についても同様で、今年上半期中にイランの脅威を排除し、欧州や中東に割いている軍事資源をインド太平洋へと移したいと考えている。中国に対してより強硬な抑止力を構築することこそが、トランプ氏の真の目標であり、国家戦略の重点なのである。

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