トップ ニュース 欧州議会、初の公式防衛代表団が訪台 ドローン供給網の構築へ、安保協力の「最前線」を視察
欧州議会、初の公式防衛代表団が訪台 ドローン供給網の構築へ、安保協力の「最前線」を視察 台湾の林佳龍・外交部長(中央)は、欧州議会「安全保障・防衛小委員会」のシュトラック=ツィンマーマン委員長が率いる公式代表団を夕食会に招き、現在の国際情勢や台湾と欧州の実質的な協力などの課題について意見交換を行った。(写真/台湾外交部提供)
欧州議会の2つの委員会の公式代表団が先般、それぞれ中国と台湾を訪問し、いずれも2日に帰途に就いた。このうち台湾を訪問した欧州議会安全保障・防衛委員会(SEDE)の公式代表団は、1日夜に台湾外交部長・林佳龍氏が主催する夕食会に出席した。林氏は国防産業に関連する専門家や学者を同席させたほか、代表団が今回、南部の嘉義にある「アジア無人機AIイノベーション応用研究開発センター」や高雄の左営海軍基地を視察したことに言及。台湾と欧州間のドローン供給網の構築や、双方向の安全保障パートナーシップ強化を模索する意義を強調した。
欧州議会域内市場・消費者保護委員会(IMCO)は9人からなる代表団を編成し、3月31日から中国を訪問した。欧州議会の公式代表団による訪中は8年ぶりとなる。一方で、昨年、欧州議会外務委員会の小委員会から正式な常任委員会に昇格した安全保障・防衛委員会も、3月30日に公式代表団を編成して台湾を訪問した。同代表団は政府機関を表敬訪問したほか、嘉義のアジア無人機AIイノベーション応用研究開発センターや高雄の左営海軍基地を視察した。両代表団はともに2日に帰途に就いている。
欧州議会の複数決議採択に謝意 林氏「4分野での協力強化に期待」 台湾外交部(外務省に相当)が2日に発表したプレスリリースによると、林氏は1日夜、欧州議会安全保障・防衛委員会の公式代表団11人を夕食会に招き、現在の国際情勢や台湾と欧州の実質的協力について意見を交換した。林氏は挨拶で、欧州議会が昨今、「共通安全保障・防衛政策(CSDP)の昨年度執行状況に関する報告書」や「EUの戦略的防衛・安全保障パートナーシップに関する報告書(EU strategic defence and security partnerships)」などの複数の決議を相次いで採択し、台湾海峡の平和と安定に強い関心を示していることに謝意を表明した。
同部によると、林氏は台湾が欧州に対し、海底ケーブルの安全性の強靭化(レジリエンス)、ドローン技術、偽情報対策、重要インフラ保護の4分野における協力強化を期待していると述べた。さらに、代表団が嘉義のアジア無人機AIイノベーション応用研究開発センターや左営海軍基地を視察したことについて、台湾と欧州がいかに安全かつ強靭なドローン供給網を構築し、双方向の安全保障パートナーシップを強化できるかを深く模索するものだと指摘した。
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外交部長・林佳龍氏が主催した欧州議会安全保障・防衛委員会公式代表団との夕食会には、国防産業に関連する専門家や学者も特別に招かれた。(写真/台湾外交部提供)
シュトラック=ツィンマーマン氏:台湾と欧州は利益を共有、実質的協力分野を模索 今回代表団を率いた欧州議会安全保障・防衛委員長のマリー=アグネス・シュトラック=ツィンマーマン(Marie-Agnes Strack-Zimmermann)氏は1日夜の挨拶で、同志国間の協力強化が極めて重要だと強調した。同氏は、代表団のメンバーは異なる政治会派に属しているものの、台湾海峡の平和と安定の維持を支持する点では一致していると述べ、台湾の現状を直接視察することで、台湾と欧州が実質的に協力できる分野を共同で模索したいと語った。また、林氏が自身のフェイスブックで明らかにしたところによると、シュトラック=ツィンマーマン氏は「それぞれの見解に違いはあるものの、台湾と欧州には『平和と自由の中で生活する』という共通の利益がある」と言及した。これは台湾総統・頼清徳氏の理念とも合致するものであり、台湾と欧州は協力を強化し、経験を共有しながら民主的な生活様式を共同で守るべきだとの認識を示した。
林氏は、ドイツ国籍のシュトラック=ツィンマーマン氏が率いた今回の代表団について、メンバーの出身国や所属政党は多様であるが、いずれも欧州とインド太平洋地域の安全保障問題に高い関心を寄せていると指摘した。さらに林氏によると、シュトラック=ツィンマーマン氏は、2014年のロシアによるウクライナ侵略開始以降、欧州から中東、そして台湾海峡に至るまで国際情勢に劇的な変化が生じていると分析。台湾と欧州が同様の課題に直面しているからこそ、欧州は台湾との友好関係を一層重視しており、それが今回の訪問実現につながったと述べたという。
夕食会での「心温まる一幕」 議員のピアノ伴奏に林氏が合唱 一方で林氏は、1日夜の夕食会において「心温まる一幕」があったことを明かした。ギリシャ国籍の欧州議会議員、ニコラス・ファラントゥリス(Nikolas Farantouris)氏が会場に置かれたピアノを目にし、弾いてもよいかと興味深げに尋ねたという。快諾を得ると、同氏はすぐさま鍵盤の蓋を開け、アメリカの有名な映画主題歌「ケ・セラ・セラ(Que Sera, Sera)」を皮切りに、立て続けに5曲を演奏した。「ケ・セラ・セラ」の親しみやすい旋律が響き渡ると、林氏も歩み寄り、出席者らとともに歌を口ずさんだ。
林氏は、「Whatever will be, will be(なるようになる)」という歌詞の通り、この曲には未知の未来に対しておおらかに向き合う心情が込められているとした上で、「私たちは皆、未来がどうなるかを予測することは難しいが、だからこそ今を大切にし、パートナーと手を携えて歩むべきだ。激動する世界の中で、我々の民主主義、自由、そして友情を守り抜かなければならない」と語った。台湾外交部はこれに加え、欧州議会が長年にわたり具体的な行動で台湾への断固たる支持を示していることに感謝の意を表明。今後も双方向の対話と交流を継続し、民主主義、自由、法の支配を基盤とする互恵的なパートナーシップを共同で強固にしていく方針を強調した。
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