【独占】MIT・黄亜生教授が語る「中国モデル」の終焉 政治の「規模」が経済の「範囲」を侵食する停滞の正体

マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の黄亜生教授は、中国国家主席・習近平氏の指導下で、中国の政治と経済の範囲が縮小し続けていると指摘する。写真は3月4日、中国の第14期全国政治協商会議第4回会議で、習氏(中央)や国務院総理・李強氏(右)ら中国共産党の最高権力中枢がひな壇に着席する様子。(写真/新華社提供)
マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の黄亜生教授は、中国国家主席・習近平氏の指導下で、中国の政治と経済の範囲が縮小し続けていると指摘する。写真は3月4日、中国の第14期全国政治協商会議第4回会議で、習氏(中央)や国務院総理・李強氏(右)ら中国共産党の最高権力中枢がひな壇に着席する様子。(写真/新華社提供)

中国政府が数十年ぶりの低水準となる「2026年の経済成長率目標4.5~5%」を発表して以来、外部からは再び同じ疑問が投げかけられている。「中国に何が起きているのか」という問いだ。世界的に認知された中国研究の権威であり、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院教授の黄亜生(ホァン・ヤーシェン)氏は、『風傳媒』の英語ニュースサイト『The Storm Media』の単独インタビューに応じ、中国の改革開放から40年以上、中国政府と欧米の主流派は「中国の台頭は強力な国家機構によるものだ」という同一の認識を抱き続けてきたと指摘した。しかし、同氏はこの解釈を「誤りである」と断じる。同氏の見解によれば、中国の真の「成功の暗号」は決して「強い政府」などではなく、「政治を統制しつつも、経済と知識の分野では対外開放を行う」という組み合わせにあった。しかし現在、その構造は中国国家主席の習近平氏の手によって解体されつつある。この組み合わせが崩壊すれば、国家の「安定」は「停滞」へと変貌するが、中国政府は未だに誤った処方箋を用いてこの病を治そうとしている。

「強い国家という神話」 中国政府と欧米が共同で作り上げた誤読

この誤読を解き明かすには、黄氏が自著『The Rise and Fall of the EAST: How Exams, Autocracy, Stability, and Technology Brought China Success, and Why They Might Lead to Its Decline』で提示した分析フレームワークに立ち返る必要がある。同氏は、中国の権威主義体制がなぜ長期にわたり安定を維持できたのかを説明するため、「規模(Scale)」と「範囲(Scope)」という2つの概念を用いている。

いわゆる「規模」とは、均一性と実行力、すなわち大量に複製しても品質が変わらない能力を指す。これを政治に当てはめれば、中央集権と統一的な指令となる。一方の「範囲」とは、多様性と開放性であり、異なる所有権、異なる意見、異なる思想が共存できる空間を意味する。 (関連記事: 米軍の台湾支援、最大の難題は何か MIT研究者が問う「中国本土を攻撃するのか否か」 関連記事をもっと読む

黄氏は語る。「規模しか持たなければ停滞に陥り、範囲しか持たず規模がなければ混乱に陥る。真に困難なのは、これら両者の間でいかに均衡を保つかということだ」

問題はまさにここにある。過去十数年間にわたり、中国政府や多くの欧米の観察者は、中国の成功を前者の要素にのみ誤って帰結させてきた。すなわち、「規模」や「国家の能力」、そしてインフラやテクノロジーに巨額の投資を行う「有為な政府」である。

「2008年以降、中国の成功は政府の規模と権力によるものだと考える人が増えている。政府が大規模なインフラ建設やテクノロジー投資を行うことができるからだ、と。しかし、それは正しい解釈ではないと私は考えている」と黄氏は指摘する。「仮にその政策を極端に推し進めれば、必ず問題に直面する。そして現在、中国はまさにそうした問題に直面していると確信している」

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