米CNNは先日、「台湾が中国に対する防衛を強化する中、一部の人々は脱出計画を企てている」と題する特集記事を配信し、台湾政府が国防投資を拡大し侵略者に対抗する決意を示す一方で、一部の市民は「中国人になることを避ける」ため、移民の準備や海外での不動産購入を進めていると報じた。これに対し、台湾の著名な経済評論家で、財信伝媒董事長の謝金河氏は5日、台湾の未来に対する楽観と悲観が交錯する中、外国のパスポートを取得することや海外に資金を移すことは恐るるに足らないとした上で、「最も恐ろしいのは、台湾で育ち、巨万の富を築いた人物が、心の中では他の国を愛していることだ」と指摘した。
謝氏はフェイスブックへの投稿で、CNNが長文を割いて「台湾の富裕層が戦争を恐れ、海外での不動産取得や複数のパスポート取得に奔走している」と報じたことについて、一見すると台湾という国がなくなるかのように映るが、1970年代の国際連合(国連)脱退や日本、米国との断交から今日に至るまで、こうした現象は常に存在してきたと強調。また国際社会において、親中派メディアや左派メディアは絶えず台湾の危機を煽っており、その代表例として英誌『エコノミスト』が毎年必ず「台湾は地球上で最も危険な場所」と評していることを挙げた。
さらに謝氏は、新たな地政学的リスクの下では世界中のあらゆる国がリスクを抱えていると指摘。例えば、従来、ドバイは誰もが認める最も安全な場所とされ、台湾の富裕層の多くも同地に高級住宅を購入し、資産管理口座を開いたが、イランでの戦闘勃発に絡み、ドバイも爆撃を受け、空港が一時閉鎖される事態となったと説明した。
謝氏は「いかなる地域や国家においても、常にチャンスとリスクが併存しており、角度によって見え方は異なる」と強調する。例えば、韓国は野心に溢れ、経済規模を拡大し続けている一方で、国民が抱えるストレスは大きく、自殺率が高止まりしていると指摘した。
台湾の現状について謝氏は、良い面として、昨年の輸出額が世界第12位に浮上し、株式市場の時価総額も世界第7位に躍進したと述べた。また、台湾の経済成長率は昨年8.63%を記録、今年も7.71%と予測されており、まるで若者のように成長を続ける経済体だと指摘。企業収益も右肩上がりで、昨年の上場・店頭公開企業全体の純利益は4兆5300億台湾元に達し、過去最高を更新したと強調する。
一方で、これほど多くの好材料があっても「国民に実感がない」の一言で直ちに相殺されると謝氏は指摘する。台湾の悪い面についてなら、不動産価格の高騰で若者が家を買えず、結婚や出産をためらっているおり、常に「出生数が死亡数を下回る」状態にあるとの指摘がすぐに挙がると述べた。
今回のCNNの報道について謝氏は「再び台湾の痛いところを突いてきた」と述べたものの、ここ数年、シンガポールのDBS銀行(星展銀行)やHSBC(香港上海銀行)の資産管理部門が狙っているのはまさに台湾人の資金だとした上で、台湾の潤沢な資金が多くの外資系銀行の口座に流れ込んでおり、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなどの最上位口座のVIP顧客は、実は台湾人が占めていると指摘。ただ「狡兎三窟(賢いウサギは隠れ穴を3つ持つ=リスクの分散を図る)」ということわざの通り、富裕層が複数の逃げ道を用意することは従来からあることで、秘密でも何でもないとの認識を示した。
謝氏は、外国のパスポートを取得し、国際社会に資金を移すことは恐れることではないと重ねて強調。「台湾にとって最も恐ろしいのは、台湾で育ち、巨万の富を築きながら、心の中では他の国(中国など)を愛す者だ。さらに軽蔑すべきは、この国を滅ぼそうとする『敵対国』に同調し、あらゆる手段を講じて台湾にダメージを与えようとすることだ。例えば、総予算の審議を棚上げし、国防予算を妨害し、自国の軍需産業を封じ込めるような行為だ」と訴えた。
最後に謝氏は、「このような、味方を悲しませ、敵を喜ばせる行為が、台湾の土地で日常的に起きていることこそが最大の痛手だ」と嘆いた。しかし、そのような状況下でも、台湾経済は次々と朗報をもたらしている。「台湾という土地で、全員が心を一つにできれていれば、台湾は想像もつかないほどの高みに達していたはずだ」と結んだ。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【中台解読】なぜトランプ訪中前に「鄭・習会談」なのか?中国が急いだ「2つの理由」と馬英九基金会の異変 | 関連記事をもっと読む )


















































