トップ ニュース 三菱重工、次世代AGTブランド「Prismo」を投入 脱炭素とコスト低減を高度に両立
三菱重工、次世代AGTブランド「Prismo」を投入 脱炭素とコスト低減を高度に両立 三菱重工が10年ぶりに放つ新型AGT「Prismo」は、急速充電バッテリーと軽量化技術を武器に、都市交通の脱炭素化と経済性を再定義する。(写真/三菱重工提供)
三菱重工業が、自動無人運転車両システム(AGT)の次世代ブランド「Prismo」を市場に投入し、世界の都市交通市場での競争力を一段と強めている。約10年ぶりの新ブランドとなる「Prismo」は、同社の主力製品である「Crystal Mover」ファミリーの最新鋭モデルとして、環境負荷の低減とインフラ建設コストの抑制を高度に融合させた点が大きな特徴である。
革新的なエネルギー管理と冗長性の確保 Prismoの技術的革新の柱は、高密度・高出力バッテリーを活用した革新的なエネルギーマネジメントシステムにある。駅での停車時や制動時のエネルギーを数秒で急速充電する仕組みを導入したことで、従来のAGTシステムと比較して運行エネルギーを10パーセント削減することに成功した。
また、電源を車両自体に搭載したことで、万が一の給電レール故障時でも次駅まで確実に自走できる冗長性を確保している。さらに、センターガイド方式の採用により、軌道構造のスリム化と施工の簡素化を実現し、導入自治体や事業者の大きな負担となる建設費の削減にも大きく寄与する設計となっている。
アルミ合金採用による軽量化と環境性能の向上 車両製造における環境配慮も徹底されている。車体には従来のステンレス鋼に代わり、軽量なアルミニウム合金を採用。ダブルスキン構造による断熱・遮音性能の向上に加え、LED照明やオイルフリーエアコンプレッサーなど、細部にわたり省エネ技術が投入された。
これにより、製品のライフサイクル全体での二酸化炭素排出量は、従来の「Urbanismo」モデルから10%以上の削減を達成。ディーゼルバスや電気バス(EVバス)と比較しても、輸送効率あたりの環境優位性は極めて高い水準にある。
製造拠点「三原製作所」での脱炭素化を推進 製造拠点となる広島県の三原製作所は、三菱重工が掲げるカーボンニュートラル目標「MISSION NET ZERO」の先駆モデル「カーボンニュートラルトランジションハブ三原」として機能している。大規模な太陽光発電設備の導入により、工場で使用する全電力を再生可能エネルギーで賄うなど、製造工程そのものの脱炭素化を推進。最新の摩擦撹拌接合技術や自動化ラインを駆使しつつ、熟練の技術者による厳格な品質管理体制を維持している。
世界各国の都市や空港でAGTのシェアを拡大してきた三菱重工だが、このPrismoの投入により、環境規制が強まる米国市場をはじめ、グローバルなモビリティ市場でのさらなる飛躍を目指す構えだ。
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