石油輸出の要衝であるホルムズ海峡が封鎖され、中東のエネルギーへの依存度が高いアジア諸国が窮地に立たされるなか、韓国は深刻なエネルギー不足の危機に直面している。こうしたなか、大統領特使として石油確保に奔走した姜勳植(カン・フンシク)大統領秘書室長は15日、今年末までに2億7300万バレルの原油と最大210万トンのナフサを導入することが確定したと発表した。この「恵みの雨」とも言えるエネルギー供給の確保は、エネルギー需給の安定につながると期待される。
『朝鮮日報』によると、韓国大統領の戦略経済協力特使を務める姜氏は、4月7日から14日にかけてカザフスタン、オマーン、サウジアラビア、カタールの4か国を電撃訪問し、エネルギーの緊急調達について協議した。姜氏は15日、青瓦台(大統領府)で、「昨年の消費量に換算すると、2億7300万バレルの原油は、追加の緊急措置を講じることなく、少なくとも3か月間は国家経済を正常に運営できる規模だ」と説明した。統計データ(Worldometers)によると、韓国の2024年の原油消費量は約9億1500万バレルに上る。
紛争地域を回避し、サプライチェーンを再構築
中東情勢が緊迫するなか、エネルギーの確保だけでなく「いかに安全に輸送するか」が大きな課題となっている。姜氏は、今回合意に至った原油とナフサについて、ホルムズ海峡を経由せずに輸送されることを強調した。また、この合意が韓国のエネルギー需給の安定に直接寄与するとの自信を示した。価格については、市場価格を基準に交渉を進めるという。
- カザフスタン: 1,800万バレルの原油導入を確定(ホルムズ海峡を経由しない信頼できる代替ルート)。
- オマーン: 約500万バレルの原油と最大160万トンのナフサを導入。
- サウジアラビア: 紅海沿岸の港を経由し、2億バレルの原油と50万トンのナフサを優先供給。
- カタール:ホルムズ海峡の封鎖解除後、液化天然ガス(LNG)供給契約を最優先で履行することを約束。
また姜氏は、サウジアラビアやオマーンなどの産油国とサプライチェーンのリスク解消策についても協議した。これにはホルムズ海峡以外の地域への石油備蓄基地の建設や、同海峡を回避するパイプラインの整備などが含まれる。産油国側も、韓国国内の石油備蓄基地を活用した共同備蓄事業に強い関心を示しているという。姜氏は今回の歴訪で、李在明(イ・ジェミョン)大統領の親書を直接手渡し、中東の戦火に対する深い懸念を伝えるとともに、エネルギー危機の共同解決に向けた連帯を呼びかけた。
カタールが「韓国優先」を明言、オマーンはタンカーの安全確保に協力
今回の歴訪では、天然ガス大国であるカタールへの対応も焦点となった。先月、イランによるミサイル攻撃でカタールのガス施設が被害を受け、LNGの長期供給契約について「不可抗力」が宣言されていた。姜氏はカタールのタミーム首長と会談し、契約の適時履行を要望。これに対しタミーム首長は「韓国を最優先にする」と応じた。
オマーン側では、アサド副首相(閣僚会議担当)と会談。ホルムズ海峡に足止めされている韓国関連の船舶26隻の安全な通航への協力を要請した。アサド副首相は韓国人および船舶の安全確保を約束するとともに、年末までに約500万バレルの原油と最大160万トンのナフサを供給することに同意した。姜氏は「オマーンからの調達量は、昨年の輸入量(450万バレル)を上回る規模だ」と指摘した。
ホルムズ海峡の封鎖継続という課題を解決するため、韓国は中央アジアにも目を向けている。『聯合ニュース』によると、カザフスタンは原油の輸出に同海峡を経由する必要がないことから、信頼できる代替供給源となっている。姜氏は同国でエネルギー協力強化への期待を表明し、1,800万バレルの原油供給を確保することに成功した。
一方、原油価格の上限設定(プライスキャップ)制度を今後も継続するかどうかについて問われると、姜氏は、韓国政府が価格の適切な調整を行うべきか検討を進めている段階であると述べるにとどめた。
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編集:柄澤南 (関連記事: 韓国、「CHINA(TAIWAN)」表記を削除 台湾は居留証の「南韓」表記維持、外交部「調整なし」 | 関連記事をもっと読む )
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