トランプ大統領発言で同盟国動揺、独日韓で再燃する核武装論と非核台湾の避戦への道

2026-04-16 13:10
2018年4月30日、記者会見を開き、イランが核開発計画を隠蔽していると非難するイスラエルのネタニヤフ首相(写真/AP通信提供)
2018年4月30日、記者会見を開き、イランが核開発計画を隠蔽していると非難するイスラエルのネタニヤフ首相(写真/AP通信提供)

冷戦終結後、長らく国際社会で軽視されてきた核兵器問題だが、ウクライナ戦争が4年目を迎え、米大統領・トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)への支援打ち切りを示唆し、米国とイランの紛争が2カ月目に入る中、風向きが変わりつつある。さらに、長年非核を掲げてきた日本や韓国でも核保有論が台頭し始め、国際社会において核武装論が再燃する気配を見せている。

米国の「核の傘」は、第二次世界大戦後、欧州および東アジアの平和を維持する長期的な保証であった。しかし、トランプ氏は昨年就任して以来、従来の親欧州政策を一転させた。戦後米国が主導して創設したNATOからの離脱をほのめかし、欧州の防衛は欧州諸国自身が担うべきだと主張するにとどまらず、グリーンランドを自国の勢力圏に収めようとする動きすら見せている。これにより、長年米国の核の抑止力に依存してきたドイツやポーランドなどの国々で、核保有の可能性が公然と議論される事態となっている。

また、近隣諸国に対する中国の軍事的脅威が日に日に増す中、トランプ政権の同盟国防衛に対するコミットメントが二転三転していることも要因だ。これにより、米軍が駐留する日本や韓国では危機感が急速に高まっており、過去2年間、両国内部でも独自の核武装を求める声が公然と上がり始めている。

さらに、冷戦期に確立された米ロ間の「新戦略兵器削減条約(新START)」が今年2月に期限切れとなり、1970年に発効した国連の「核兵器不拡散条約(NPT)」も多くの課題に直面している。こうした国際的な核軍備管理条約の枠組みだけでは、台頭する核武装論を抑制しきれなくなっているのが現状だ。

聯合國旗下的國際原子能總署,是執行國際核子限武條約的重要機構。(義大利政府官網)
国連傘下の国際原子力機関(IAEA)は、国際的な核軍備管理条約を執行する重要な機関である。(写真/イタリア政府公式ウェブサイト提供)

米・イラン第1回協議、核開発停止を巡り双方に大きな隔たり

米国とイランはパキスタンの仲介のもと、先週末から和平協議を開始した。しかし、第1回協議から早くも「イランの核開発計画」「ホルムズ海峡問題」「戦争賠償」の3点で難航している。特にイランの核開発停止を巡る隔たりは大きく、米国がウラン濃縮の20年停止を求めているのに対し、イランは5年しか同意していない。

米側交渉団を率いる米副大統領・J・D・バンス氏は14日(火曜日)、双方の間に根深い不信感があることを認めた上で、「1日で全問題を解決することは到底不可能だ」と述べた。ただし、トランプ氏が求めているのは小規模な合意(スモール・ディール)ではなく、包括的な大取引(グランド・バーゲン)であると強調している。

バンス氏によれば、トランプ氏がイランに伝えるメッセージは「もし核兵器開発を放棄すると約束するなら、イランを大いに繁栄(thrive)させる」というものだ。これによりイランは「より豊かになり、世界経済に参画できるようになる」としている。 (関連記事: 「トランプ氏はむき出しの帝国主義」東大・佐橋教授が警鐘 日本国内で浮上する「プランB(核武装論)」の誘惑 関連記事をもっと読む

オバマ政権が主導したイラン核合意、3年後にトランプ氏が離脱

長年にわたり国際的な核問題の動向を監視する米民間団体「原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)」は警鐘を鳴らす。オバマ元政権が英仏中ロ独および欧州連合(EU)とともに2015年にイランと結んだ包括的共同作業計画(JCPOA、イラン核合意)から、トランプ氏が第1次政権下の2018年に一方的に離脱した事実を指摘している。

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