イラン最高指導者ハメネイ師死亡 トランプ氏「米国は永遠にイランの核兵器の脅威にさらされない」と宣言

2025年3月28日、イランのテヘランで行われた恒例の反イスラエル行事「クドゥスの日」にて、最高指導者ハメネイ師の反米スローガンとポスターを掲げるデモ参加者。(写真/AP通信提供)
2025年3月28日、イランのテヘランで行われた恒例の反イスラエル行事「クドゥスの日」にて、最高指導者ハメネイ師の反米スローガンとポスターを掲げるデモ参加者。(写真/AP通信提供)

ドナルド・トランプ米大統領は2月28日、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が死亡したとSNSに投稿した。その数時間後、イラン国営メディアもハメネイ師の「殉教」を認めた。トランプ氏は、米軍による作戦名「エピック・フューリー(叙事詩の怒り)」と称する大規模な軍事行動について、核武装したイランの脅威から米国人を永続的に守ることを目的としていると強調。ハメネイ師の死は、イラン国民が国家の主導権を取り戻す絶好の機会であると述べた。

ハメネイ師死亡とトランプ氏主張、イラン国営も『殉教』報道

米国とイランによる最新の交渉が合意に至らず決裂した後、かつて「米国の支援は既に向かっている」とテヘランの抗議デモ参加者を激励していたトランプ氏は、突如としてイランへの攻撃を命じた。さらに同氏は「史上最も邪悪な人物の一人であるハメネイ氏が死んだ」「これはイラン国民にとっての正義であるだけでなく、すべての偉大な米国人、そしてハメネイ氏とその『血に飢えた暴徒』によって殺害または傷つけられた世界中の人々にとっての正義だ」と宣言した。

イラン当局は当初、「これらはすべて米国による心理戦だ」と反論していたが、イラン政府は3月1日、「最高指導者が殉教した」と公式に認めた。イラン最高指導者のX(旧Twitter)公式アカウントには、顔のない宗教指導者が燃え盛る剣を手にした、シーア派の象徴的な画像が投稿された。

斬首作戦を遂行したのが米軍かイスラエル国防軍かは現時点で不明だが、米紙『ニューヨーク・タイムズ』は衛星画像に基づき、ハメネイ師の住居から濃い煙が上がり、深刻な破壊を受けたことが確認されたと報じている。『ニューヨーク・タイムズ』によると、トランプ氏による「ハメネイ師死亡声明」は、米国とイスラエルによる合同軍事攻撃の翌日に発表されたものであり、同氏は以前よりイランの核計画排除と政権転覆を公約に掲げていた。一方、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、最高指導者の死により、イラン革命防衛隊内部で権力闘争が勃発する恐れがあると指摘している。

現在86歳のハメネイ師は、36年にわたりイランの最高指導者を務めてきた。その断固とした反米姿勢と原理主義的なイデオロギーから、『ニューヨーク・タイムズ』は同氏を「米国とイスラエルの不倶戴天の敵」と称しており、ハメネイ師の死はテヘランに巨大な政治的変革をもたらすことになるだろう。同紙はまた、イランにおいて最高指導者の選出権限は専門家会議が握っていると指摘。保守派の宗教指導者で構成されるこの機関は、ハメネイ師が高齢であり健康状態も芳しくなかったことから、後継者候補について既に十分な検討を行っていた可能性がある。 (関連記事: 【解説】ハメネイ師死亡と「叙事詩の怒り」作戦後の権力空白 トランプ氏とイランの次なる一手とは 関連記事をもっと読む

元米国家安全保障会議(NSC)スタッフで、現在はワシントンのシンクタンク「近東政策研究所(Institute for Near East Policy)」の研究員であるマイケル・シン氏は、ハメネイ師の死によりテヘランが権力争いの局面に陥る可能性があると指摘している。シン氏は当初、「テヘラン当局は事態を掌握したと確信するまで、彼の死を公表しないだろう」と推測していたが、イラン国営メディアは既にハメネイ師の死亡を認めている。またシン氏は、たとえハメネイ師が実際に死亡したとしても、必ずしもイラン政権の崩壊を意味するわけではないとも述べている。

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