トップ ニュース 【解説】ハメネイ師死亡と「叙事詩の怒り」作戦後の権力空白 トランプ氏とイランの次なる一手とは
【解説】ハメネイ師死亡と「叙事詩の怒り」作戦後の権力空白 トランプ氏とイランの次なる一手とは 2026年2月28日、ロサンゼルスでの抗議活動中にイラン国旗を掲げる運転手。(写真/AP通信提供)
2月28日早朝、テヘラン上空にミサイルの閃光が走り、夜空を切り裂いた。米イスラエル連合軍は軍事作戦「叙事詩の怒り」を発動した。これは単なる軍事施設への精密打撃にとどまらず、イランの神権政治の中枢を直接狙った「斬首作戦」であった。衛星画像によると、テヘラン北部に位置する最高指導者ハメネイ師の官邸からは煙が立ち上っており、SNS上で拡散された映像では、テヘラン市民が自宅のバルコニーから、長く抑圧されていた歓声を上げる様子が確認された。
トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が共同で、この作戦の最終目標は「テヘランのハメネイ政権を完全に終わらせること」だと宣言した瞬間、中東全体、ひいては世界の秩序が激しい揺れに見舞われた。イラン当局者は当初、これを強く否定していたが、テヘランの国営メディアが最高指導者アリ・ハメネイ師(Ayatollah Ali Khamenei)の「殉教」を認めたことで、イラン政権は存亡の危機に直面することとなった。国際社会にとって、これは地政学を揺るがす権力崩壊の序章に過ぎない。
Q.トランプ氏の「叙事詩の怒り 」の狙いは何か? トランプ氏はSNS「Truth Social」への投稿で、「エピック・フューリー作戦」の4つの軍事目標を概説した。(1)イランによる核兵器保有の阻止、(2)ミサイル備蓄および生産施設の破壊、(3)代理勢力ネットワークの弱体化、(4)イラン海軍の壊滅である。政治的には、内部からの政権交代(レジーム・チェンジ)の実現を強く望んでいる。トランプ氏は今回の軍事行動を「核拡散防止のための手段」と位置づけ、3回にわたる交渉を経てもなおイランが核への野心を放棄しなかった直接的な結果であると強調した。また、イランの核計画とミサイル計画により、テヘランが間もなく米国本土を攻撃する能力を持つに至ると主張している。
一方、米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は、イスラエルのネタニヤフ首相がイラン指導者の斬首作戦について責任を主張しているように見えるのに対し、トランプ氏の声明はイラン指導層への攻撃責任を明確に否定していると指摘する。その代わり、トランプ氏はイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の構成員に対し、降伏しなければ「死あるのみ」とする最後通告を突きつけた。現時点では、どちらの軍隊がどの任務を担当したかは不明確だが、CSISは、イスラエルが指導層を攻撃し、米国が大規模な軍事能力の無力化を行うという分担は、両国の軍事的な強みに合致していると分析している。
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Q.なぜトランプ氏は再び斬首作戦を発動したのか? カーネギー国際平和基金の研究員であるカリム・サジャポル氏(Karim Sadjadpour)は、これは「必要な戦争」ではなかったと指摘する。しかし、トランプ氏はテヘランが1979年以来、最も脆弱な瞬間にあると捉えた可能性がある。実際、昨年の米国とイスラエルによる攻勢の後、イランは防空の主導権を失い、複数の地域代理勢力はイスラエルによって壊滅的な打撃を受けた。さらにイラン国内は、2026年1月の流血弾圧により、民心が崩壊寸前の状態にある。
トランプ氏は先月、9回にわたり「レッドライン(越えてはならない一線)」を引き、イランが抗議する群衆の虐殺を続けるならば、米国はもはや傍観しないと公言していた。トランプ氏にとって、これは個人の信用を守るための戦いでもある。トランプ氏はX(旧Twitter)上でイラン国民に対し、国家機関を奪取するよう促し、「援助は間もなく到着する」と約束していた。もし彼が行動を起こさなければ、「大国の指導者」としての求心力は完全に失墜することになるだろう。
Q.トランプ氏はイランの核計画破壊を約束したが、軍事的に可能なのか? ジョージタウン大学教授でCSIS研究員のダニエル・バイマン氏(Daniel Byman)は、米誌『フォーリン・ポリシー』への寄稿で、「破壊」という言葉は響きが良いものの、軍事的な現実には多くの不確定要素が含まれていると指摘している。イラン海軍の小型艇を数隻破壊したり、発射台を爆撃したりすることは比較的容易だが、イランが持つ核兵器の知識を爆撃で消し去ることはできない。科学者の頭脳にある技術や、数十年にわたり蓄積された官僚機構は、空爆だけでは根絶できないからだ。特にトランプ氏は昨年6月、イランの核計画はすでに「抹消された」と宣言していたにもかかわらず、現在再び爆撃が必要となっている状況自体が皮肉である。
しかしCSISは、昨年6月の「ミッドナイト・ハンマー」作戦がイランの核計画に重大な打撃を与え、フォルドとナタンズにあるウラン濃縮施設を破壊したと指摘している。また、米国にはこれ以上攻撃すべき高価値の目標が見当たらないとも分析している。特に昨年6月以降、イランはこれらの重要核施設の実質的な修復を行っていないという。
一方で、米イスラエル両国の一連の空爆は、攻撃の重点がイランの周辺的な核能力の削減へと移行していることを示唆している。これには民生用および軍事用の核能力や、軍民両用の科学研究施設が含まれる。さらに、ロシア国営原子力企業(ロスアトム)の支援下で稼働するブシェール原子炉(Bushehr reactor)も米軍の攻撃対象となる可能性があるが、もし関連する作戦でロシアの人員に死傷者が出れば、外交危機を引き起こすことにもなりかねない。
Q.米国とイスラエルは勝利したのか? バイマン氏は、ハメネイ師の生死にかかわらず、イスラム革命防衛隊(IRGC)の軍事指導層が壊滅したことは事実だと指摘する。問題は、米国が大規模な軍事行動を継続することが困難である点だ。米国の軍事展開は大規模ではあるものの、2003年のイラク侵攻時の兵力と比較すると見劣りし、長期的な戦争よりも数日間の爆撃作戦に適しているように見える。米国は地上部隊を集結させていないため、イラン政権は指導者と軍事資産の半分を失ったとしても、辛うじて維持される可能性がある。
トランプ氏はイラン海軍、ミサイル計画、核施設が「破壊された」と述べているが、これが具体的に何を意味するかは不明確だ。また、イランによる報復攻撃は、テヘランになお反撃能力が残っていることを示している。情勢が悪化すればするほど、イランは攻撃対象を軍事施設以外にも拡大する可能性が高まる。バイマン氏は、特にテヘランが世界各地でテロ攻撃を仕掛ける可能性を警告している。さらにイランがとり得る極端な手段として、機雷や小型船を用いてタンカーを襲撃し、ペルシャ湾の航行を妨害して世界の石油供給を混乱させることが挙げられる。ただし、これらの手法は諸刃の剣であり、短期的には米軍を停戦に追い込めるかもしれないが、長期的には米軍に行動強化の口実を与えることになる。
Q.米国の世論はこの戦争を支持しているか? トランプ氏はノーベル平和賞の受賞を熱望しており、かつてオバマ元大統領の中東での武力行使を「愚かだ」「交渉を知らないからだ」と嘲笑していた。しかし一方で、トランプ氏はマドゥロ氏(ベネズエラ大統領)やハメネイ師への斬首作戦といった軍事行動を通じて注目と人気を集めてきた。バイマン氏は、米国がこの戦争を発動した明確な理由が欠如していると指摘する。トランプ氏は長年の不満を並べ立てているに過ぎず、それらは差し迫った脅威ではない。また、議会の支持を得る努力もしていない。特にトランプ氏は、安易に勝利を宣言した後に主張を変えたり、前言を撤回したりすることで知られており、多くの専門家は「叙事詩の怒り」作戦が長期的には大きな変化をもたらさないと考えている。
実際、開戦直前までトランプ氏はテヘラン情勢について重要な演説を行っておらず、先日の一般教書演説でも米軍の行動可能性については多くを語らなかった。バイマン氏は、米国市民がこの戦争を支持するかどうかは現時点では不明朗だと見ている。特にトランプ氏の支持率は低迷しており、年初の対ベネズエラ斬首作戦や昨年の対イラン「ミッドナイト・ハンマー」空爆も現状を変えるには至らなかった。今回の「叙事詩の怒り」が目覚ましい戦果を上げれば国民の支持を得られるかもしれないが、イラン情勢に顕著な変化がなければ、トランプ氏の支持率はさらに低下する恐れがある。
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Q.米国とイランの交渉はどうなったのか? 実のところ、「叙事詩の怒り」発動前の今年2月、米国とイランはすでに3回の交渉を行っていたが、明確な合意には至らず膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。CSISによると、双方の対立の核心は、イランの弾道ミサイル計画および代理勢力を交渉に含めるかどうか、そして最も重要な点として、イランがウラン濃縮活動を継続できるかどうかにあった。米国側は中東特使のスティーブ・ウィッコフ氏(Steve Witkoff)とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏(Jared Kushner)が、イラン側はアッバス・アラグチ外相(Abbas Araghchi)が代表を務めた。注目すべきは、米中央軍のブラッド・クーパー司令官(Brad Cooper)も会談に出席していたことだ。
双方は2月6日、17日、26日にオマーンの首都マスカットとスイスのジュネーブで交渉を行った。イラン原子力庁のモハンマド・エスラミ長官(Mohammad Eslami)は「イランが保有する60%高濃縮ウラン400キロを希釈し、爆撃された施設への国際原子力機関(IAEA)の査察を再開する」ことを条件に、制裁の全面解除を求めた。アラグチ氏は、米国側がイランに「濃縮ウランゼロ」を要求していないと公言し、最終案は数日以内にまとまると強調していた。しかし、これらの主張はウィッコフ氏が「イランはトランプ氏が定めた濃縮ウランゼロのレッドラインを越えた」と宣言したことで否定された。トランプ氏も2月27日、「ウラン濃縮には反対だ。20%も30%も認めない」と明確に表明していた。
米軍によるイラン空爆およびハメネイ師斬首を受け、中国共産党機関紙『人民日報』は、こうした軍事行動が米伊交渉に負の影響を与え、短期的には交渉の雰囲気が凍結または悪化すると指摘した。しかし長期的には、軍事圧力が交渉のカードとなり、双方が新たな条件下で対話の道筋を再評価する可能性もあるとしている。ただし、もしイランが米軍基地に甚大な被害を与えた場合、米国が「イラン問題」の完全解決を決意し、地上戦に突入する可能性もあると分析している。
Q.ハメネイ師の死後、テヘラン政権は崩壊するのか? 86歳のハメネイ師が殺害されたことで、テヘランはイスラム革命以来、最も深刻な政権の激震に見舞われている。サジャポル氏は、ハメネイ師の死は「巨大な砲弾が船体に大穴を開けたようなもの」であり、この破損した巨船は沈没しつつあると表現する。指導層は救命艇を探すのに必死だが、問題は、北朝鮮と並んで「世界で最も孤独な政権」であるイランの聖職者や将軍たちには、亡命できる場所がほとんどないことだ。
Q.革命のパラドックス:なぜ国民は立ち上がらないのか? 西側の戦略家が描く最も理想的なシナリオは、米イスラエル軍の攻撃で政権が弱体化した後、イラン国民が蜂起し、独裁政権を転覆させることだ。しかしサジャポル氏は、今年1月のイラン政府による鉄拳制裁が深刻な社会的トラウマを残し、数百万の家族が恐怖と哀悼の中にいると指摘する。ここには「革命のパラドックス」が存在する。蜂起が成功するには大衆の参加が必要だが、大衆は革命の勝利を確信するまでは、命の危険を冒して街頭に出ることを恐れる。負けると分かっているチームに参加したいと思う者はいないからだ。
バイマン氏は、現在の状況を「武器も組織もない」群衆が、「武器と組織を持ち、殺害も辞さない」専門の鎮圧機構に対峙している状態だと分析する。彼は1956年のハンガリー動乱や、1991年の湾岸戦争後のイラクを振り返り、当時も民衆は米国の呼びかけに応じて蜂起したが、最終的に米国は静観し、民衆は独裁者による血の粛清にさらされたと指摘する。こうした歴史的な影が、イランの人々にトランプ氏の呼びかけに対する強い疑念を抱かせている。
また、亡命中の元皇太子レザ・パーレビ氏(Reza Pahlavi)は海外で一定の求心力を持つものの、国内で実質的な動員を行う組織力があるかという点については、否定的な見方が強い。むしろ外敵の侵入は、一種の「結集効果(Rally-around-the-flag)」を引き起こし、短期的にはテヘラン政権の統治能力を維持させる可能性もある。
Q.中東情勢はどう展開するのか? サジャポル氏は、中東が「建設者」と「破壊者」の二大陣営に分裂していると見る。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)は「建設者」であり、AI、金融ハブ、インフラ建設に全力を注ぎ、ポスト石油時代への転換を図っている。対してイランとその代理勢力は典型的な「破壊者」であり、廃墟と混乱の中に権力を見出すことに長けている。テヘランにとって、政権の終焉が迫っているならば、最も論理的な報復は「玉砕」覚悟で波湾諸国の繁栄を破壊し、道連れにすることだろう。
『フォーリン・ポリシー』のアナリスト、キース・ジョンソン氏(Keith Johnson)は、イランが残存する沿岸配備ミサイルや自爆用高速艇を使用し、ホルムズ海峡のタンカーを攻撃する可能性が高いと指摘する。世界的な原油価格の急騰は、米国内のガソリン価格に直結する連鎖反応を引き起こし、トランプ氏の支持率を直撃するだろう。これこそがテヘランに残された最後の切り札であり、世界経済の崩壊と引き換えに、政権の延命を図ろうとする戦略だ。
『人民日報』の分析によれば、中東での戦火再燃はこの地域の不確実性を高め、原油価格の変動、資本流出、地域の安全保障に対する懸念を増大させる可能性がある。中東諸国は通常、米伊対立に対して慎重な姿勢をとるが、今回は米イスラエルによる侵略行為を公然と非難する可能性が高い。これまで一部のアラブ諸国は、米国に対して外交的解決と各方面への自制を求めてきたからだ。一方で、湾岸諸国は自身の防衛能力強化へと舵を切るだろう。同紙はまた、事態の推移には不確実性が残るとし、誤算や情勢のコントロール不能な悪化が生じれば、戦争が中東全域に拡大する恐れもあると警告している。
Q.「ポスト・ハメネイ」時代に何が起こるのか? サジャポル氏の分析によると、イランの「ポスト・ハメネイ」時代にはいくつかのシナリオが考えられる。
第一は「北朝鮮化」だ。外部からの圧力を受けて政権が完全に閉鎖体制へと傾き、これまで以上に強権化・残虐化し、イランを核抑止力を備えた“飢えた要塞国家”へと変えてしまうシナリオである。
第二は、権力の空白が内戦や軍閥の割拠を招き、大規模な難民流出と長期的な地政学的混乱を引き起こす展開だ。
そして第三は、可能性は最も低いものの、最も望ましい結末である。すなわち、イラン国民が恐怖を乗り越え、歴史的な機会をとらえて安定した民主政府を樹立するという道である。
イランは誇るべき人的資本と豊富な天然資源、そして深い文明の蓄積を有しており、本来であればG20の一角を占める潜在力を備えている。しかし約半世紀にわたり、教条主義という鎖に縛られてきた。
もっとも、サジャポル氏 が指摘するように、いまはトンネルの先にかすかな光が見え始めているとはいえ、その出口にたどり着く前にトンネル自体が崩れ落ちない保証はどこにもない。イラン情勢の行方は、世界のエネルギー供給や米軍の兵力配置に直結する。テヘラン上空の霧が完全に晴れるまで、この「歴史的な怒り」が世界の地政学にもたらす衝撃は、なお終息していない。
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