【独占インタビュー】半導体エンジニアから大阪現地ガイドへ――Lance氏の選択と転機

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン現地ガイドの日常(写真/Lance氏提供)
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン現地ガイドの日常(写真/Lance氏提供)

Lance氏の歩みは、安定から自由へと舵を切った一つの決断の記録だ。その選択は、既存の生活からの逃避ではなく、自ら望む将来像を形にするための行動だった。半導体エンジニアとしてのキャリアから、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の現地ガイドへ、さらに独立して旅行ブランドを運営するまでの転換は、いずれも熟考の末に下した決断だという。

安定した職業を離れる決断 衝動ではなく準備の結果

Lance提供
(写真/Lance氏提供)

Lance氏は大学で機械工学を専攻し、卒業後はテクノロジー業界に進み、エンジニアとして勤務した。この進路は一般的に安定性が高く、魅力的な職業と受け止められている。しかし同氏にとっては、あくまで通過点だったという。

「最初の1年で、これは一生続けたい仕事ではないと感じた」

長時間労働や高いプレッシャーが続く環境の中で、心身の負担は大きかった。ただ、同氏はすぐに退職を決断したわけではない。将来を見据え、計画的に準備を進めた。貯蓄を重ね、語学を学び、専門性を高めながら次の道を構想したという。

3年半を経て「準備が整った」と判断した段階で、安定した職業のレールを離れる決断を下した。

「離れることは逃げではない。準備が整ったうえでの選択だった」

熊本での恋愛経験と言語習得 悔しさを原動力に

Lance氏には、日本との関わりを深めるきっかけとなった個人的な経験もある。かつて熊本県出身の女性と交際していたが、別れを機に、自身に意識を向け直し、日本語学習に本格的に取り組むようになったという。

失意の時間は、結果的に語学習得の大きな推進力となった。同氏は独学から学習を始め、その後はマンツーマンの会話練習にも取り組んだ。発音や表現力が向上し、日本語運用能力が大きく伸びたと振り返る。

当時、同氏がエンジニアだったこともあり、台湾のオンライン掲示板「Dcard」ではこの恋愛経験が話題となり、インターネット上では「TSMCの採用のようだ」と冗談交じりに語られたこともあったという。TSMCは台湾を代表する半導体企業だ。

「日本語を完璧にしても、その恋愛が戻るわけではない。ただ、将来の選択肢は確実に広がる」

その後、同氏は日本に渡った。語学力の向上により、現地生活への適応は早かったという。机上の学習から実践へと移る中で、日本語能力はさらに伸びた。熊本での経験は、日本へ踏み出す原点となった。

USJ現地ガイドへの転身 機会を生かし次を見据える

7月末、Lance氏は日本に到着した。当初は東京で3か月、スキー場で3か月、大阪で3か月を過ごし、1年間で複数都市の生活を体験する計画だったという。

しかし、人気作品「ONE PIECE」とのコラボレーションイベントがUSJで開催されることを知り、計画を変更。先に大阪へ向かうことを決めた。 (関連記事: 【単独インタビュー】「親の庇護」から脱却し、貿易と執筆の二刀流へ 台湾出身Seki氏が語る、日本での「転んで立ち上がった」10年 関連記事をもっと読む

「当初は東京から始める予定だったが、そのイベントをきっかけに大阪に来ることにした。実際に来てみると、ここも悪くないと感じた」

最新ニュース
ルミネ新宿で前田紗希個展「structural mechanics」3/7開幕 50周年記念の新作も
SAKE HUNDRED、銀座でインバウンド攻略へ 初の300mlボトルも投入、GINZA SIXで「桜」のポップアップ開催
「渋谷ファッションウィーク2026春」3月13日開幕 キービジュアルにFace Oka氏、テーマは「耕す」
AKOMEYA TOKYOが「おにぎり道」フェアを2月27日より開催、主役級のお供や専用ブレンド米など新商品を展開
【東京マラソン2026】海外115の国と地域で放送・配信実施へ 国内外の視聴方法まとめ
【夏一新の視点】ミュンヘン警告から輸出禁止へ―日中関係、制度的対立に突入
【呉典蓉コラム】史上最高の米台協定、売られたのはTSMCだけではない?
米中首脳会談を控え、米国で「レアアース供給危機」が深刻化 航空宇宙・半導体産業への打撃懸念
台北101・賈永婕会長、228記念ライトアップでメッセージ 「真の勇気は対立ではなく理解」
【独占】台北のベテラン仲介者が明かす「東京不動産」の光と影――タワマン・民泊投資に潜む「外国人向け価格」の罠とは?
実践女子大、学生発信のポッドキャスト開始、国際女性デーに「耳で体験するオープンキャンパス」始動
「渋谷ファッションウイーク2026春」3月13日開幕 Face Oka氏がキービジュアル担当、Bunkamura現展示室「最後の展覧会」も
春の味覚が満載「ロイヤルホスト」新作デザート、苺と不知火を使用した4種のスイーツを発表 3月4日より期間限定販売開始
【ファミマ45周年】大谷翔平起用「新生、おむすびJAPAN。」始動!定番商品の中具「1.5倍」増量など「いちばん」に挑む
Nothing、次世代ヘッドホン「Headphone (a)」3月5日発表へ ブランド史上最長のスタミナ性能、独自のデザインにも期待
東京建物、品川駅徒歩4分に「EXPERT OFFICE 品川高輪」開業 都心16拠点目、アートと緑が調和する次世代オフィス
【丸山翔のコラム】在留資格と労務管理は切り分けられない ――外国人採用が広がる今、企業が注意すべき実務上の接点
小田急ホテルセンチュリーサザンタワー、地上100mの絶景とともに春を愛でる「桜のスプリングアフタヌーンティー」を3月1日より開催
東京駅に熊本の老舗「好来ラーメン」が初上陸!「幻の黒いスープ」が味わえる「ご当地ラーメンチャレンジ」第2弾開催
【中田英寿氏プロデュース】「CRAFT SAKE WEEK 2026」開催決定 10周年で過去最多130蔵が集結
味の素、初の「料理のまなび本」を3月4日に発売 レシピを見ないで料理ができる「しくみ」と「方程式」を272ページに凝縮
【アラビア新作】名作「24h」誕生30周年 地中海に着想を得た新色グリーンと「24h アベック」復刻版が3月4日より順次登場
京都大学ら、身体性を備えた仏教ヒューマノイド「ブッダロイド」を発表 二足歩行と対話で新たな宗教体験を提示
BSSTO開設8周年記念イベント開催 映画、食、ワインの「ペアリング」で描く地球の未来
【独自】台湾・国民党、対米武器購入に新方針 「3500億元は支持」も納期遅延への賠償条項を要求
トランプ大統領、一般教書演説で「建国250周年」の夢語る 最高裁の関税否決・支持率低迷で正念場
独メルツ首相が北京入り、習近平氏と会談へ トランプ氏の影の下で「最重要市場」と「経済的脅威」の調和模索
アジア最大級「FOODEX JAPAN 2026」3月10日開幕 80カ国・約3,000社が集結 “Swicy”など最新フードトレンドを発表
都市生活の新しい流れをつくる「OIMACHI TRACKS」 “TRACKS”の語源と建築デザインに宿る意味
ADK MS、Google主催「Agency Excellence Awards」検索部門で受賞 生成AI時代の戦略が評価
JR東日本エキナカ「グランスタ」「エキュート」がホワイトデーフェアを開催、各館限定の多彩なスイーツや雑貨が集結
AI時代にプロの「批評」はどう生き残るか ベテラン駐日記者たちがFCCJで語った執筆の極意
「高市ショック」への警戒感 積極財政が招く債券市場の嵐と世界的な資本逃避リスクを識者が指摘
中国でヒト型ロボットの過当競争加速か 謝金河氏が警告「基幹部品価格は9割下落」の衝撃
台湾まで110km、与那国島にミサイル配備へ 小泉進次郎防衛相が放つ「時程表」と、識者が危惧する「チップ積み増し」の行方
日本での建設費は「韓国の半分」 それでもサムスンとSKが首を縦に振れない理由 韓国政府の圧力と「足かせ」の実態
台湾からわずか110キロ 与那国島へのミサイル部隊配備は2030年度、小泉防衛相が表明
「台湾有事」の遠因は「二・二八事件」にあり 歴史はいかに政治利用されたか【本田善彦・早田健文】
「あとは想像にお任せします」――五輪金・りくりゅうが語った「戦友以上」の絆 三浦璃来「彼が引退するときは私も」
不動産暴落・失業率17%の中国で「年収3000万」を独占 共産党が「創業パートナー」のAIエリート「弄潮児」の正体とは
米学者「台湾問題はウクライナやベネズエラと異なる」 頼清徳氏を「無謀」と批判した専門家が指摘するトランプ政権下の地政学
ミラノ・コルティナ五輪金メダリストの三浦璃来・木原龍一ペアが会見 世界記録231.24点を支えた「7年間の絆」と次世代への誓い
米最高裁、トランプ関税を「違憲」判断 各国との貿易協定は白紙化か、「プランB」にも波紋
入管庁、「技人國」派遣在留審査を厳格化 3月9日より派遣先・元の双方に「誓約書」提出を義務付け
トヨタ、「ヤリス」「ヤリス クロス」を一部改良し3月2日に発売 電動パーキング標準化と待望の「6速MT」特別仕様車が登場
【GREEN×EXPO 2027】「くまのがっこう」ジャッキー×トゥンクトゥンクが初共演!初コラボ商品が3月14日発売へ
地上80メートルの絶景と春の息吹 三井ガーデンホテル名古屋プレミアで「いちごと桜のアフタヌーンティー」3月1日始動
西日本最大級の医療・介護・薬局展示会「メディカルジャパン大阪」3月開催へ 新設の「医療DX・IT EXPO」に注目
3月12日の「中台党首会談」開催説は本当か?国民党が公式否定、鄭麗文氏の訪中日程を巡る舞台裏