【人物】米国国防長官の後ろでメモを渡していた台湾人!胡振東のペンタゴン秘密任務

2026-03-01 21:25
元米国防総省高官の胡振東氏(写真)は、台湾の軍事および政界で注目の的となっており、『風傳媒』の単独インタビューで、米軍における自身のキャリアに関する数々の秘話を明らかにした。(撮影:顏麟宇)
元米国防総省高官の胡振東氏(写真)は、台湾の軍事および政界で注目の的となっており、『風傳媒』の単独インタビューで、米軍における自身のキャリアに関する数々の秘話を明らかにした。(撮影:顏麟宇)

2025年12月、「元米国防総省高官」の肩書を持つ退役米空軍中佐、胡振東(トニー・フー)氏が単独インタビューに応じた。「もし台湾の自己防衛の決意が『第五列(fifth column)』によって削がれれば、他国は台湾を助けに来ないだろう」。この一言が台湾の軍事・政界で注目の的となり、FacebookやThreadsなどのSNSでも当該動画が拡散された。胡氏はネットユーザーから親しみを込めて「トニー教官」と呼ばれ、話題を呼んでいる。

世間の関心は、胡氏による台湾海峡の現状分析や台湾の対米武器購入、そして「中国に台湾を攻撃する能力があるか」といった軍事的な話題に集まっている。しかし、世界で最も先進的な軍事機関である米国防総省「ペンタゴン」で勤務したこの台湾出身者が、一体どのような経歴の持ち主なのかについては、ほとんど議論されていない。胡氏は『風傳媒』の単独インタビューに応じ、米国での知られざる秘話を明かした。

20250710-國防部10日舉行「陸軍M1A2T新式戰車換裝訓練實彈射撃」。(柯承惠攝)
台湾海峡における紛争リスクや台湾の対米武器購入について、胡振東氏の見解に市民の注目が集まっている。写真はM1A2T戦車の実弾射撃。(資料写真、柯承恵撮影)

祖父は元国防部常務次長の蒋堅忍氏 胡氏を空軍の道へ導く

胡氏は1956年に台北で生まれ、15歳で名門・建国中学に合格したが、入学から3ヶ月後に父親の仕事の関係で一家で渡米し、以来米国に定住した。1977年、21歳で米空軍に入隊。当初はフィリピンで勤務し、米国帰任後はカリフォルニア州で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射訓練を受けた。その後、ミズーリ州のミサイル基地でLGM-30大陸間弾道ミサイル発射戦闘隊に配属され、隊長、指揮官を経て教官へと昇進した。

1989年、胡氏は部隊長官に伴いペンタゴンの米空軍総司令部に異動し、中国・モンゴル・台湾課長やシンガポール課長などを歴任した。2004年に空軍を退役した後も、契約職員として軍に分析官として雇用され、2005年には米国防長官室で初の華人系となる中国・台湾・モンゴル担当の上級部長(Senior Country Director)に就任した。2006年には国防長官室の初代台湾担当上級部長となり、2011年に30年以上勤務した米国政府を退職するまでその職を務めた。また、2007年には米国在台協会(AIT)台北事務所で技術組副組長を務め、台湾への軍事支援と訓練を提供するチームを率いた。 (関連記事: 【北京観察】両会直前に中国軍で大規模な粛清か 対台湾最前線「第73集団軍」幹部も解任、高まる台湾海峡のリスク 関連記事をもっと読む

胡氏の母方の祖父は、1902年生まれの元中華民国空軍中将、蒋堅忍氏である。蒋氏は国民革命軍の北伐時に第二十六軍政治部主任を務め、その後国民政府と共に台湾へ渡り、1965年に国防部常務次長の身分で退役した。胡氏は、米空軍に入隊したのは100%祖父の影響だと語る。蒋氏には9人の子供と23人の孫がいたが、飛行機を好んだのは胡氏ただ一人だった。そのため幼少期、祖父は彼だけを書斎に連れて行き、中華民国空軍の雑誌を一緒に眺めたり、こっそりと飛行機の模型を買う小遣いを渡したりしていたという。母親が不思議がって「どこからお金を持ってきたの?」と尋ねるたび、幼い胡氏は「おじいちゃんがくれた!」と答えていたそうだ。

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