【新新聞】卓栄泰氏が図った東京ドームでの「極秘接触」、狂ったシナリオの舞台裏

2026-04-19 09:10
2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で東京ドームに駆け付け、台湾代表に声援を送るファン。しかし、卓栄泰・行政院長の来場により政治的な波紋が広がった。(写真/AP通信提供)
2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で東京ドームに駆け付け、台湾代表に声援を送るファン。しかし、卓栄泰・行政院長の来場により政治的な波紋が広がった。(写真/AP通信提供)

3月上旬、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で熱狂に包まれた東京ドームに、台湾の行政院長・卓栄泰氏が突如姿を現した。台湾対チェコ戦で満員となった球場では、「チーム台湾」への大歓声がドームの屋根を吹き飛ばさんばかりに響き渡った。卓氏のWBC観戦は極めて大きな指標的意味を持っていた。なぜなら、今回の東京訪問は、日台断交後における「最高位」の現職行政院長による訪日と見なされているからだ。表面上は単なる「野球外交」に見えたものの、『風傳媒』が把握した内幕や、英字メディア『Nikkei Asia』が本日報じた詳細な記事により、その裏側が明らかになった。この野球観戦の本来のシナリオは公開されたものよりもはるかに野心的であったが、多方面での思惑が交錯し、結果的に狂いが生じていたのである。

前駐日代表・謝長廷氏の布石 幻となった「歴史的同席」シナリオ

関係者によると、今回の訪日を背後で主導したのは前駐日代表・謝長廷氏である。卓氏は謝氏が率いる派閥「謝系」の筆頭格であり、謝氏は自身の愛弟子が国際外交の舞台で活躍できるよう、道筋をつけたいと長らく望んでいた。当初綿密に練られていたシナリオは、水面下の交渉を通じて、卓氏と先の選挙で大勝し就任したばかりの日本の首相・高市早苗氏が、東京ドームで「偶然の出会い」を装い、歴史的な同席を果たすというものだった。

20250507-総統府資政の謝長廷氏が7日、「台日半導体科技促進会」設立大会に出席。(撮影:顏麟宇)
前駐日代表・謝長廷氏は「卓氏の東京訪問」の立役者である。(写真/顏麟宇撮影)

当時、高市氏は同日夜に行われる日韓戦で始球式を務める予定だった。一方、台湾対チェコ戦も同日、同じ東京ドームで午前中に行われた。両試合の間には数時間の空きがあり、その間に貴賓室やスタンドで「偶然を装った自然な交流」を行うことが可能であった。しかし、このシナリオは実施の直前、政治的圧力を受けて変更を余儀なくされた。

中国のサイバー攻撃への懸念 日本企業の圧力で高市氏が直前にキャンセル

なぜ日本側は最終局面で翻意したのか。関係者は、その決定的な要因が昨年10月末から11月初旬にかけての「慶州での経験」にあると指摘している。昨年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)慶州首脳会議の際、台湾の特使・林信義氏が韓国の慶州で就任直後の高市氏と会談した。情報によると、この会談は中国・北京の強い反発を招いた。その後、中国からのものと疑われる大規模なサイバー攻撃が発生し、日本の複数ウェブサイトがダウンする事態となった。 (関連記事: 佐久長聖が悲願の初優勝!東京ドームでの最終回逆転劇、履正社を6-4で破る 関連記事をもっと読む

「日本の経済界は波風が立つことを避けたがっていた」。情報筋によると、高市氏の周辺ブレーンはこのため、高市氏と卓氏の「偶然の接触」に反対したという。最終的に高市氏は、「イランでの戦争が引き起こすエネルギー危機への対応」を理由に、東京ドームでの始球式参加を取りやめた。日本側は卓氏の訪日自体は認めたものの、「徹底して目立たないこと」という極めて厳格な最低条件を設けたのである。

『Nikkei Asia』の報道 台湾側が「撮影班の同行取りやめ」要求を無視、日本側は不信感を露わに

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