東京ドームで開催中の2026年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドをめぐり、台湾ファンが観戦後に大量のごみを放置したとする画像がインターネット上で拡散された。だが、日本メディアが現地で検証した結果、画像には複数の不自然な点が確認され、生成AIによるフェイク画像である可能性が高いことが分かった。台湾ファンのマナーをおとしめ、日台間の対立をあおる意図があった可能性も指摘されている。
問題の画像は、東京ドーム三塁側の内野席に弁当箱やペットボトルなどのごみが散乱しているように見えるもので、「台湾人が東京ドームで恥をさらした」などの扇情的な文言とともに拡散された。短時間で広く出回ったことで、一部の日本のネットユーザーの間では台湾ファンのマナーを疑問視する声が上がり、台湾でも謝罪や反省を促すような意見が見られた。
こうした騒動を受け、日本のスポーツメディア「THE ANSWER」が現地で検証を実施。その結果、画像には実際の東京ドームと一致しない複数の破綻があると報じた。
まず、東京ドームの座席は跳ね上げ式で、観客が席を離れると座面が上がる構造になっている。ところが拡散された画像では、誰も座っていないにもかかわらず、多くの座席の座面が下りたままになっていた。
支柱の位置や文字にも不自然さ
さらに、画像内に見えるレフト側の支柱は、実際にはその撮影角度から見える位置にはないという。また、場内の看板やスコアボード周辺の文字にも、生成AIに特有のゆがみや不鮮明さが確認された。こうした点から、長年の野球ファンやファクトチェックに関心のあるユーザーの間では、早い段階から「AI生成ではないか」との見方が広がっていた。
SNS上でも当該投稿には、誤解を招くおそれがあるとの注意表示が付されるなど、拡散された情報の信頼性に疑問が投げかけられている。
台湾ネット上では「未開封の弁当を捨てるはずがない」と疑問の声
台湾のネットユーザーの間でも、画像の不自然さを指摘する声が相次いだ。「背景のスコアボードや壁の文字が明らかにおかしい」「AI画像だとすぐ分かる」といった投稿に加え、行動の不自然さを疑問視する意見も目立った。
特に多かったのが、画像内に未開封の弁当や飲み物が並んでいる点への違和感だ。「わざわざ東京ドームまで行って買った弁当を、一口も食べずにそのまま捨てる人がいるだろうか」といった反応が広がり、画像そのものの信ぴょう性を疑う見方が強まった。
また、台湾社会のイメージを傷つけるような内容が拡散されたことに対し、憤りを示す声も少なくない。ネット上では、こうしたフェイク画像の拡散が、生成AIを悪用した新たな情報操作の一形態ではないかとの指摘も出ている。
国際スポーツ大会が情報操作の標的に
今回の一件は、日本へ応援に駆けつけた台湾ファンの名誉回復につながった一方で、生成AIが普及した時代の国際スポーツ大会が、情報操作の標的になり得ることも浮き彫りにした。
日本メディアは、スポーツ大会はナショナリズムと結びつきやすく、感情を刺激しやすいことから、フェイクニュースや合成画像による対立あおりの格好の標的になりやすいと分析している。今後、サッカー・ワールドカップをはじめとする国際的な大型イベントが続く中、受け手側にもこれまで以上に冷静な情報の見極めとファクトチェックを怠らない意識を持つ必要があると呼びかけている。
>「台湾人が東京ドームで野球を観たあと、ゴミを置いて帰った」
— さちみりほ@夢やしき新作 (@sachimiriho)March 7, 2026
台湾の皆さん、御安心下さい。これはAIです。貴方達は球場を汚したりしていません。台湾からの観客はとてもマナーが良かったと評判です。
台灣同胞們,請放心。
這是AI。你們根本沒有弄髒球場。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【2026 WBC】東京ドームで台湾ファンが自主的にごみ拾い 日本のSNSで称賛広がる一方、AI偽画像も拡散 | 関連記事をもっと読む )
















































