大Sさん急逝から1年、「家に帰りたい」叶わぬ願いに… 死に追いやったのは「解熱の錯覚」と「温泉」 日本での悲劇を韓国番組が検証
台湾の国民的女優・大S(徐熙媛)さん。(写真/Instagram〈@hsushiyuan〉より)
台湾の国民的女優・大S(徐熙媛)さんが日本で急逝してから、ちょうど1年が経過した。韓国の医療バラエティ番組『名医の生老病死の秘密』はこのほど、彼女の命を奪った悲劇的な経緯を検証。専門医は、インフルエンザ感染後の「二つの致命的な判断ミス」が、急速な病状悪化を招いたと分析した。
温泉入浴が「心臓への最後の一撃」に
2025年1月下旬、家族旅行で日本を訪れた大Sさんは、現地でインフルエンザに感染。発症からわずか5日で帰らぬ人となった。番組に出演した耳鼻咽喉科専門医のイ・ラクジュン医師は、彼女が長年抱えていた持病「僧帽弁逸脱症」に着目した。これは心臓の弁が完全に閉じなくなる疾患で、血液循環を維持するために心臓へ慢性的な負荷がかかる状態にある。
医師によると、インフルエンザによる高熱と全身の痛みを和らげようと、彼女は温泉に入浴したという。しかし、これが裏目に出た。高温の環境が肺血管の圧力を急激に上昇させ、ウイルスと闘って限界に近かった心臓に「致命的な一撃」を与え、急性心不全と肺水腫を引き起こしたとされる。
解熱は「回復」ではなく「ウイルスへの降伏」
もう一つの要因は、「熱が下がった」ことによる油断だった。大Sさんは解熱剤を服用して一時的に体温が下がった際、家族も本人も「回復に向かっている」と錯覚してしまったという。
しかし医師は、「基礎疾患がある場合、急激な解熱は必ずしも回復を意味しない」と警告する。高熱は体がウイルスと戦っている証拠であり、体温が下がったにもかかわらず活力が戻らない場合は、免疫システムが崩壊し、体がウイルスに「降伏」しつつある危険なサイン(ウイルス優勢の兆候)である可能性があるからだ。
「家に帰りたい」空港へ向かう途中で…
当時、現地の医師は大型病院への即時転院と集中治療を強く勧めていた。しかし、異国での入院に対する恐怖と不安から、大Sさんは「台湾に帰って治療を受けたい」と強く希望したという。過去に第二子妊娠中、妊娠高血圧症候群で昏睡状態に陥ったこともある彼女の体は、すでに限界を超えていた。
2025年2月2日午後、その願いは叶うことなく、空港へ向かう車中で心停止。医療チームによる14時間もの懸命な救命措置も虚しく、彼女は静かに息を引き取った。番組は、持病を持つ患者がインフルエンザに罹患した際の「判断」がいかに生死を分けるかを強く訴え、視聴者に衝撃を与えている。
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