過去10年、日本で話題を呼んだ台湾・香港映画TOP10 『呪詛』『青春18×2』は何位?首位作は興収5億円を突破

口コミでロングラン上映につながった作品や、Netflixの日本ランキングで上位に入った作品、日本でリメイクされた作品もあり、台湾・香港映画は従来の華語映画ファンを超えて支持を広げている。(写真/映画『大濛』公式Facebookより)
口コミでロングラン上映につながった作品や、Netflixの日本ランキングで上位に入った作品、日本でリメイクされた作品もあり、台湾・香港映画は従来の華語映画ファンを超えて支持を広げている。(写真/映画『大濛』公式Facebookより)

近年、日本で台湾・香港映画の存在感が高まっている。

青春恋愛、歴史ドラマ、ホラー、法廷劇、アクションなどジャンルは幅広い。劇場で口コミが広がりロングラン上映につながった作品、Netflixの日本ランキングで上位に入った作品、日本でリメイクされた作品もあり、従来の華語映画ファンにとどまらない支持を集めている。

本ランキングは、日本での公開規模や興行成績、配信サービスでの反響、リメイクによる波及効果、映画祭での評価、観客のレビューやSNS上の話題性などを編集部が独自に総合して選定した。

統一された興行収入や動員数だけに基づく順位ではなく、ミニシアターや映画祭を中心に評価を広げた作品も含まれる。また、台湾映画と香港映画に加え、日本と台湾の合作映画も対象とした。

第10位『霧のごとく』――白色テロの時代を生きる2人の旅

陳玉勳(チェン・ユーシュン)が監督を務めた『霧のごとく(原題:大濛)』は、1950年代の台湾で起きた白色テロを背景にした人間ドラマだ。

嘉義に暮らす少女阿月(アーユエ)は、台北で兄が処刑されたことを知り、遺体を引き取るため一人で旅に出る。道中で出会うのは、中国広東省から台湾へ渡り、人力車夫として暮らす趙公道(チャオ・ゴンダオ)。居場所を失った2人は、政治的弾圧と貧困の中で、次第に互いを支え合うようになる。

日本では2026年5月8日に公開された。重い政治映画を想像していた観客からは、歴史の悲劇を描きながらも、台湾らしい人情味やユーモアを感じさせる作品だったとの声が寄せられた。1950年代の街並みを再現した美術や、方郁婷ファン・ユーティン)と柯煒林ウィル・オー)の温かみのある掛け合いも印象を残した。

終盤については、劇場ですすり泣く声が聞こえたとの感想や、最後の場面が言葉にしにくい哀愁を残したとのレビューも見られた。政治に翻弄された市井の人々を描きながら、観客の感情に静かに寄り添う作品である。

日本で反響を呼ぶ台湾・香港映画 第10位:方郁婷、柯煒林『霧のごとく(原題:大濛)』(写真提供:微博)
日本で話題を呼んだ台湾・香港映画第10位、方郁婷(ファン・ユーティン)と柯煒林(ウィル・オー)出演の『霧のごとく』(原題:『大濛』)。(写真/Weiboより)

第9位『淪落の人』――境遇の異なる2人が取り戻す夢

​『淪落の人(原題:淪落人)』は、事故で半身不随となり、妻子と離れて暮らす香港人男性チョンウィンと、フィリピンから香港へ働きに来た住み込み家政婦エヴリンの交流を描く。

言葉も生活習慣も異なる2人は、当初、互いに警戒し衝突する。しかし、同じ家で暮らすうちに、それぞれが現実のために諦めていた夢や孤独を知り、少しずつ心を通わせていく。

香港の狭い集合住宅と日常生活を舞台に、障害のある人や外国人家事労働者、社会の周縁で暮らす人々の現実を温かく映し出した。2019年の第14回大阪アジアン映画祭では、『みじめな人』の題名で上映され、観客賞を受賞。2020年2月に『淪落の人』として日本で劇場公開された。
(関連記事: ジブリ映画人気ランキングTOP10 『千と千尋』を0.1点差で抑えた1位は? 関連記事をもっと読む

日本の観客からは、久しぶりに心を動かされる香港映画に出会ったとの声が上がった。黄秋生アンソニー・ウォン)が従来の強面な印象を抑え、繊細で柔らかな演技を見せたことも高く評価された。

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