【2026 WBC】台湾・卓栄泰行政院長が訪日 東京ドームで台チェコ戦観戦、断交後初の現職行政院長訪日か
WBC 1次ラウンド、台湾対チェコの一戦。=2026年3月7日、東京ドーム(写真/丁勤紜撮影)
2026年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドC組が東京ドームで開催されているが、台湾代表(チャイニーズ・タイペイ)はオーストラリア、日本に相次いで敗れ、2連敗と背水の陣に追い込まれていた。しかし、7日に行われたチェコ戦では打線が爆発し、14-0で7回コールド勝ちを収め、待望の今大会初勝利を挙げた。前2試合で計16イニング無得点と沈黙していた打線の低迷を一掃するこの勝利は、チームの粘り強さを示すとともに、次のラウンド進出への望みをつなぐ極めて重要な白星となった。
こうした中、台湾の卓栄泰(たく・えいたい)行政院長(首相に相当)が極秘で訪日し、球場で観戦していたことが判明した。現場に居合わせた観客がSNSで発信したほか、ネット上でも動画が拡散されている。
日台断交後初、現職の「首相」による異例の訪日
卓栄泰氏の訪日は、1972年の日台断交後、現職の行政院長としては初のケースとなる。事情に詳しい関係者によると、今回の訪日は日本の外務省や台湾の外交部などの関係当局間で事前に調整が行われていた。外交部も行程の調整に多大な尽力を払ったとされるが、その主な目的は「国民と国技(野球)を支持すること」にあり、卓氏自らが日本での観戦を希望したという。卓氏は本日(3月7日)日本に到着したが、帰国の予定については「今後の行程調整次第だが、長期滞在はしない」とされている。他方、公式な訪問日程や会談相手などの詳細については明かされていない。
日台の外交史において、これほどの高官による訪日は極めて稀だ。近年の例では、2022年に当時の頼清徳(らい・せいとく)副総統が、亡くなった安倍晋三元首相の弔問のために訪日したケースがある。それ以前となると、断交前の1970年7月6日に、当時の厳家淦(げん・かかん)副総統兼行政院長が6日間の日程で日本を公式訪問した例まで遡る。当時は蒋介石総統の代理として大阪万博の「中華民国 ナショナルデー」を主宰し、両国関係の強化を図る目的があり、李国鼎氏や孫運璿氏といった要人も同行していた。
「野球外交」の舞台裏、自民党重鎮らが尽力か
現在、日本に滞在している民進党の郭国文(かく・こくぶん)立法委員(国会議員)は動画を通じて、「本日、東京ドームで行われた台湾対チェコの熱戦に、卓栄泰院長という非常に特別なゲストが来場した。これは一種の『野球外交』と言えるが、卓院長は極めて低調な姿勢を貫き、観戦後すぐに会場を後にした」と述べた。
また、郭氏は「私の聞き及んでいる範囲では、自民党重鎮の萩生田光一氏や、台湾日本関係協会の謝長廷(しゃ・ちょうてい)会長らの働きかけにより実現したものであり、こうしたハイレベルな交流は実質的な外交進展に寄与する」との見方を示した。
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