北京ハーフでロボット優勝 「閃電」50分26秒、人間の世界記録超え

2026-04-20 16:47
人間のハーフマラソン世界記録を上回る50分26秒で優勝した栄耀斉天大聖チームの「閃電」。(写真/中国央広網より)
人間のハーフマラソン世界記録を上回る50分26秒で優勝した栄耀斉天大聖チームの「閃電」。(写真/中国央広網より)

2026年の北京亦荘ハーフマラソン・ヒューマノイドハーフマラソン大会が4月19日にスタートした。参加規模は前年から約5倍に拡大し、100を超えるチーム、300台以上のロボットが出場。香港のほか、フランス、ドイツ、ブラジルなど海外チームも参加した。会場では100を超える人型ロボットのチームが、1万2000人の人間ランナーと同じ舞台で競い合った。

優勝したのは、北京の「栄耀斉天大聖」チームのロボット「閃電」で、記録は50分26秒。このタイムは、人間の男子ハーフマラソン世界記録を上回るものとなった。

中国メディア『紅星新聞』によると、「閃電」の記録は、ウガンダのヤコブ・キプリモが3月にリスボン・ハーフマラソンで樹立した男子ハーフマラソン世界記録の57分20秒より速い。「閃電」は身長169センチで、自律ナビゲーションと遠隔操作の両モードに対応し、高速走行能力と地形への適応力を特徴としている。

参加ロボットは1年で大幅増 自律走行型への移行も進む

​今年の参加ロボットは、2025年の約20チームから100チーム超へと大きく増えた。多くのチームでは、操作方式が人による遠隔操作中心から自律ナビゲーション中心へと移行しており、全体の約4割が自律巡航モードを採用したという。

コースは全長約21キロ。坂道、カーブ、さらに90度近い急旋回を含む複合的な地形が設定され、ロボットにとっては経路計画、動的バランス、そして航続性能が問われる内容となった。


最大の課題は熱対策 「閃電」には独自の液冷システム

​各チームが最も苦心したのは熱対策だ。高負荷の走行中には、バッテリーや関節部が継続的に発熱するため、今年は空冷や水冷など、さまざまな冷却方式が導入された。

記者が栄耀斉天大聖チームから得た説明によると、優勝機「閃電」には、同チームが独自開発した液冷システムが搭載されている。冷却用の液路は毛細血管のようにモーター内部まで入り込み、熱を効率よく外部へ逃がす構造になっている。高出力の液体ポンプにより、毎分4リットルを超える熱交換流量を実現し、高負荷運動時の放熱問題に対応したという。

昨年は転倒や機体交換が続出 今年は「大きな飛躍」

2025年のロボット・ハーフマラソンでは、転倒、機体の交換、部品の破損などが相次いだ。今年もなお一部で転倒は見られたものの、全体の完成度は大きく向上した。

仮想動点の劉耀東董事長兼CEOは、「全体として大きな飛躍だった」と評価した。モーターやバッテリーの性能が大きく改善され、上位ロボットの多くはレース中のバッテリー交換が1回で済んだほか、運動制御システムの協調性も強まったと説明した。

北京のロボットマラソンが注目を集める(3) 北京で19日、「2026北京亦荘ハーフマラソン兼人型ロボットハーフマラソン」が開催され、多くの市民が見物に訪れた。画像はコースを疾走する人型ロボット。中央社記者呂佳蓉北京撮影 2026年4月19日
19日に開催された「北京亦荘ハーフマラソン」には、多くの市民が観戦に訪れた。写真はコースを疾走するヒト型ロボット。(中央社)

清華大学自動化学科の趙明国研究員も、「単一種目で機械が人間を超えるのは時間の問題だ」と指摘した。今年の進歩については、技術、人材、資金がこの分野に高度に集中したことが背景にあるとし、「ロボットは複雑な多変量システムであり、モーター、知覚、制御、安定性のどれが欠けてもならない。すべてが高い水準に達して初めて、マラソンのような総合競技で力を発揮できる」と述べた。

交通警察ロボット「天軼」も初登場 現場で交通指揮に参加

​レースに出場したロボット以外にも、北京では新たなロボットの実用化が進んでいる。北京の交通警察ロボット「天軼」が今回初めて正式に披露され、現場の交通指揮業務に参加した。

中国中央テレビ(CCTV)によると、「天軼」は現在、交通手信号による指揮、安全広報、通行案内といった機能を備えており、今後は交通関連の質疑応答、交通違反の識別、道路設備の巡回などへと活用範囲を広げる方針だ。

北京紙の『新京報』は、「天軼」は北京で独自開発された製品であり、具身知能技術の応用成果の一つだと報じている。ただし、現在の稼働時間は約2時間で、終日勤務にはまだ対応できていない。このため、現段階では特定の場面での補助的な任務が中心となる。

『北京日報』によると、「天軼」は今回の初登場に続き、4月23日には亦荘の栄華路と栄京街の交差点に配置され、さらに複雑な実際の交通環境での運用に入る予定だ。

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