トップ ニュース 頼総統のエスワティニ訪問延期 アフリカ3カ国が飛行許可撤回、台湾外交部「重大かつ深刻な挑戦」
頼総統のエスワティニ訪問延期 アフリカ3カ国が飛行許可撤回、台湾外交部「重大かつ深刻な挑戦」 台湾総統・頼清徳氏の外遊を巡り、国家安全会議(国安会)秘書長・呉釗燮氏(右)は21日、3カ国が直前になって事前の警告や理由の説明もなく飛行許可を取り消したと明らかにした。(資料写真、中央社)
台湾の頼清徳・ 総統 は22日、 アフリカの国交樹立国であるエスワティニを訪問する予定だったが、 前日の21日に総統府が急きょ記者会見を開き、訪問延期を発表した。経由予定だったセーシェル、モーリシャス、マダガスカルの3カ国が、事前に認めていた飛行許可を突如取り消したためだ。
会見で総統府の潘孟安秘書長は、国家安全保障チームによる検討を踏まえ、日程の延期を決めたと説明した。頼総統が出席する予定だった、エスワティニのムスワティ3世国王の誕生日と即位40周年を祝う一連の行事には、別途特使を派遣する方針を示した。
台湾の国家安全保障当局者によると、中国は経済的威圧を通じて3カ国に圧力をかけ、飛行許可の撤回を求めたという。
その後、飛行許可を撤回した3カ国のうち2カ国が21日、海外メディアに対し、今回の判断は「一つの中国」原則を認め、台湾を承認しない立場に基づくものだと説明した。これに対し、台湾外交部(外務省に相当)は、こうした説明こそ中国が今回の件を背後で操っていることを示すものだとして、重大かつ深刻な挑戦だと強く反発した。
ロイター通信によると、セーシェル外務省は、台湾総統専用機による上空通過や着陸を認めなかった理由について、台湾の主権を承認しないという同国の長年の方針に基づくものだと説明した。また、この決定は独自に下したものであり、既存の手続きに沿って行ったと強調した。
一方、マダガスカル外務省の当局者は、台湾側による上空通過申請を拒否したことを認めた上で、同国は「一つの中国」のみを承認しており、今回の判断は自国領空に対する主権に基づいて行ったものだと述べた。
台湾外交部:飛行情報区の政治化と「武器化」を非難 台湾外交部は22日午前、声明を発表し、セーシェルとマダガスカルが突然、台湾専用機の飛越許可を取り消し、その理由として台湾の主権を認めないことや「一つの中国」原則の順守を挙げたことについて、こうした説明は中国が今回の件の背後にいることを十分に示していると指摘した。
その上で、両国が中国に追随し、ゆがんだ主張を展開したことは、国際的な慣例と航空安全に挑戦するものだとして厳重に抗議し、台湾の主権をおとしめる主張に対して強く反論した。
また、中国が露骨な政治的圧力で国際民間航空の正常な運航に干渉し、飛行情報区(FIR)を政治化し、さらには「武器化」していると厳しく非難した。国際社会に対しては、中国が長年にわたり経済的威圧などを用いて他国に主権に関わる判断の変更を迫ってきた実態を直視すべきだと訴えた。
さらに、台湾は主権を持つ独立した民主国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属しないと改めて表明した。その上で、台湾の主権的地位をおとしめようとするいかなる主張も、国際社会が認識する台湾海峡の現状を変えることはできないとした。
外交部はまた、台湾が国際社会に向かって出ていく権利は否定されるべきではなく、いかなる国もこれを妨げることはできないと述べた。 エスワティニをはじめ、交渉の過程で支援した友好国や理念の近い国々に謝意を示した上で、今後もそうした国々との協力を深め、民主主義の価値を守りながら、現実的かつ着実な形で国際参加の空間を広げていくと述べた。外部からの圧力によって、台湾が世界へ向かい、世界が台湾へ向かう流れが揺らぐことはないと強調した。
中国側は「一つの中国」堅持を称賛 頼総統の訪問日程が3カ国による飛行許可撤回で延期されたことについて、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の張晗報道官は22日午前、「道理にかなえば支持を得て、道理に反すれば支持を失う(得道多助、失道寡助) 」と述べ、「一つの中国」原則を堅持する関係国の立場と対応を称賛した。
張氏は、今回の件は「一つの中国」原則が国際関係の基本原則であり、国際社会の普遍的共通認識であることを改めて示したものだと主張し、それが「大勢であり、大義であり、民意だ」と強調した。
中国外交部も同日、記者の質問に答える形で、頼総統による友好国訪問を「竄訪(さんほう、こそこそとした訪問) 」と表現して非難した。関係国が「一つの中国」原則を堅持したことは、国際法と国際関係の基本原則に完全に合致しているとして、高く評価すると述べた。
さらに、「いわゆる『中華民国総統』はもはや存在しない」と主張し、この肩書きを用いることは歴史の潮流に逆らうもので、恥を招くだけだと批判した。その上で、「一つの中国」原則こそが民意であり、大勢であり、大義であり、中国の最終的な統一という歴史の流れを誰も止めることはできないと訴えた。
中国外交部はまた、アフリカではエスワティニを除く53カ国が中国と国交を結んでいると指摘した。さらに、2024年の中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)で採択された「北京宣言」や、アフリカ連合(AU)の立場に言及し、「一つの中国」原則の堅持、台湾が中国領土の不可分の一部であること、中華人民共和国政府が中国を代表する唯一の合法政府であることへの支持が改めて示されたと主張した。
その上で、中国政府が国家統一の実現に向けて行うあらゆる努力は支持されているとし、「台湾独立」勢力による分裂の企ては、「 蟷螂の斧(無謀な抵抗) 」 にすぎず、必ず自滅を招くと強調した。
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