ファウンドリー(半導体受託製造)事業で顧客流出の圧力に直面してきた米インテルにとって、22日は大きな転機となる可能性が浮上した。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同社の決算説明会で、テスラと米スペースXを含む自社の「Terafab(テラファブ)」巨大チップ工場計画において、インテルの最先端プロセス「14A」を採用する方針を示したためだ。
この発言を受け、インテル株は時間外取引で3%急騰。外部顧客獲得に苦戦してきた同社にとって、一定の支援材料となった形だ。
Intel lands Tesla as first major customer for 14A chip technologyhttps://t.co/VerohHE31rhttps://t.co/VerohHE31r
— Reuters (@Reuters)April 23, 2026
ロジック、メモリー、先端パッケージングまでを一体化
マスク氏がTerafab計画で目指しているのは、単なるロジック半導体の生産ではない。ロジック演算、メモリー、先端パッケージングを含む一貫製造体制の構築が構想の中核にある。
同氏は決算説明会で、「我々はインテルの14Aプロセスを使う計画だ。現時点で最も先進的な技術だが、まだ完全には開発が終わっていない」と述べた。

その上で、Terafabが本格稼働する時点では、14A技術も成熟段階に近づいているとの見方を示した。この構想が実現すれば、Terafabの生産能力は世界の半導体産業の既存の勢力図を揺るがす規模になる可能性がある。
背景にあるHBM不足への危機感
Terafab計画の背景には、マスク氏の強い供給網不安がある。世界的にAIインフラ投資が加速する中、高帯域幅メモリー(HBM)の供給は深刻なボトルネックになりつつある。
現在のHBM市場は、韓国のサムスン電子、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーが主導している。マスク氏は垂直統合によってメモリー製造を自らの管理下に置き、外部供給網への依存を減らしたい考えだ。
同氏は「Terafabがなければ、十分なAI半導体を確保する道筋は見えない」と述べており、AI向け半導体調達に対する危機感をにじませた。

インテルにとっては14Aの追い風
インテルのリップブー・タン(陳立武)CEOにとって、今回の発言は追い風となる可能性がある。インテルがファウンドリー事業を本格化させて以降、現行の18Aプロセスは外部の大口顧客獲得において課題を抱えてきた。一方で、次世代の「14A」がマスク氏から公に評価されたことは、台湾積体電路製造(TSMC)に対抗する上で、インテルの存在感を高める材料となり得る。
インテルはこの件についてコメントを控えている。ただ、同社の決算発表が近づく中、市場では14Aが今後の説明会や法說會で主要な焦点の一つになるとの見方が出ている。
TSMC対抗の構図に注目
2026年に向けたAI算力を巡る競争が激しさを増す中、インテルとマスク氏の連携が、先端製程で優位に立つTSMCにどこまで対抗できるのか。Terafab構想と14A採用の行方は、世界のテクノロジー業界における大きな注目点となっている。
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編集:平松靖史


















































