中東危機で浮かぶ中国の存在感 「予測可能な大国」と米国の失速

イラン外相・アラグチ氏は6日、北京を訪問し、中国外相・王毅氏と会談した。(写真/新華社提供)
イラン外相・アラグチ氏は6日、北京を訪問し、中国外相・王毅氏と会談した。(写真/新華社提供)

米国、イスラエル、イランを巡る軍事衝突の先行きが依然として不透明な中、国際社会は中東情勢の今後の展開や、ホルムズ海峡の「封鎖」がどの程度続くのかについて予測を立てようと注視している。この衝突は、ユーラシア情勢や中東のエネルギー供給、さらには米国の国際的地位にも影響を及ぼす事態となっている。

こうした中、日本のシンクタンク「横須賀アジア太平洋研究評議会(YCAPS)」とスウェーデンのシンクタンク「安全保障・開発政策研究所(ISDP)」が共同開催したオンライン・シンポジウム「ホルムズ海峡の2030年:次なる重大なチョークポイントHormuz 2030: The Next Great Chokepoint」が、日本時間の金曜夜に行われ、多数の国の研究者がオンラインで参加し、活発な議論が交わされた。

世界のエネルギー供給の重要な動脈であるホルムズ海峡は、世界の海上輸送される石油の約4分の1が通過する要衝である。同時に、イラン、イスラエル、米国間で激化する対立の交差点に位置し、中国やロシアなどの大国も戦略的影響力の拡大を狙っている。そのため、最新の地政学的、経済的、安全保障上の動態や情勢の推移に各界から高い関心が寄せられている。しかし、今回のシンポジウムでは、専門家から予想外にも中国本土および台湾の政治状況や中台関係への言及もなされた。

米国の深刻な戦略的誤算か

​同シンポジウムは、ISDPのジャガナート・パンダ氏とYCAPSのアイザック・ノーデンバーグ氏の司会で進行した。元インド海軍大佐のサラブジート・S・パルマール氏、関西外国語大学平和・紛争研究分野准教授の米国人学者マーク・S・コーガン氏、ポーランドのシンクタンク「国際関係センター(CIR)」所長のマルゴルザタ・ボニコフスカ氏など、多数の専門家が招かれ、軍事、外交、歴史など様々な視点から基調講演を行った。

中東での在住経験があり、国連関連機関での勤務経験も持つコーガン氏は、米国人や西側諸国は中東の動態を根本的に理解していないと指摘する。「現地の状況はあまりにも複雑に入り組んでおり、一般の観察者はおろか、専門家でさえも理解が困難である」と述べた。それにもかかわらず、西側諸国には中東の政権を転覆できるという根強い幻想が残っており、「とりわけ1979年以来実権を握るイラン政権を容易に打倒できる」と思い込んでいるという。

コーガン氏によれば、西側諸国は、複雑を極める制度体系、宗教組織、市民社会団体、そしてテロ組織や民兵と呼ばれる非公式な暫定組織が、政権崩壊とともに一夜にして消滅すると考えている。「しかし、それは単なる幻想であり、完全な虚構であると歴史が物語っている」と同氏は強調した。さらに、仮にイラン政権が打倒された場合、リビアと非常に似た結果を招き、すべてが破壊し尽くされるか、内戦に陥る可能性が高いと予測している。
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ホルムズ海峡の未来についてコーガン氏は、米国とイランが新たな核合意に向けた再交渉を試みていたと言及した。両国は2025年中の合意を試みたが、今年初めにも交渉を試みており、いずれも決定的な失敗に終わっている。「米国こそが、最大かつ最も深刻な破壊をもたらした当事者であると私は考えている」と同氏は述べた。米国はイランの政治的現状を揺さぶったものの、イラン政権の生存欲求と生存に向けた必要性を過小評価していたと指摘する。

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