森万里子、国内で24年ぶりの大規模個展「森万里子:燦燦」が森美術館で今秋開催へ

現代美術家・森万里子の30年にわたる革新的な創作活動を総覧する、24年ぶりの国内大規模個展「燦燦」が森美術館で開催される。(写真/Mori Bldg提供)
現代美術家・森万里子の30年にわたる革新的な創作活動を総覧する、24年ぶりの国内大規模個展「燦燦」が森美術館で開催される。(写真/Mori Bldg提供)

森美術館はニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム財団の協力のもと、現代美術家・森万里子の国内では24年ぶりとなる大規模個展「森万里子:燦燦」を2026年10月31日から2027年3月28日まで開催する

本展は、東京都現代美術館で開催された「森万里子 ピュアランド」(2002年)以来の大規模個展となり、30年以上にわたる活動のなかから約40点の作品が紹介される。パフォーマンス、CG技術を駆使した写真や映像、ドローイング、立体作品、そして大規模なインタラクティブ・インスタレーションなど、多様なメディアを通した革新的な創作活動を包括的に評価する

テクノロジーと精神世界を横断する30年以上の創作活動

世界の現代アート界で多様な文化や文明への関心が高まるなか、先住民族や非西洋における儀礼的・伝統的な営みと不可分な創作活動が再び注目を集めている

一方ではテクノロジーの加速度的な進化によって創造行為そのものの意味が問い直され、各地で戦争や紛争が起こり、グローバル経済が政治化するなかで、ヒューマニティーとしての普遍性が切実に求められている。こうした時代に森万里子の実践を総覧することは深い必然性があると考えられている

森万里子は1990年代半ば、自身のパフォーマンスに基づいた写真や映像作品である「サイボーグ」シリーズを発表し、コンピューター・グラフィックスを先駆的に使ったSF的なイメージで時代の寵児として注目を浴びた

彼女の関心はその後、日本のアニメ文化やジェンダー、ポストヒューマンといった現代社会への批評的な視点から、仏教の死生観や宇宙観に深く影響された、より壮大な哲学的関心へと拡がり、涅槃や浄土など仏教的世界を連想させるインタラクティブな大規模インスタレーションへ発展した

「ワンネス」と光を通して生命のつながりを表現

21世紀に入り、世界各地で分断が広がるなか、太古の時間から無限の宇宙まで、時空を超越したあらゆる生命の繋がりを提唱する概念「ワンネス(Oneness)」が彼女の実践における中核的な価値観となっている

世界中の学者や科学者との研究・協力に基づき、アニミズム、縄文やケルトなどの古代文化、仏教の唯識論から、素粒子論、宇宙物理学まで、広範な主題の探究がなされ、最新テクノロジーを駆使した作品として具現化、体験化されてきた。2010年には自然界と人間の繋がりを再認識する作品の恒久設置を目指してFaou公益財団を設立し、宮古島、リオデジャネイロなどでそのミッションが既に実現している

展覧会タイトルの「燦燦」は、森万里子の実践の中心にある「光」を象徴している光は、仏教では慈悲や智慧を示す光明、それを可視化した光背、神道では太陽神に代表される神々である。

森の具体的な作品のなかでは、超新星爆発によって生成されるニュートリノを可視的な光に転換した『トムナフーリ』(2006年)、冬至の太陽を捉える『プライマル・リズム:サンピラー』(2011年)、『リング:自然とひとつに』(2016年)などに通底している

光、知覚、意識を通る没入的な体験として構成された本展は、テクノロジーの加速と惑星規模の不安定さに象徴される現代において、自身を見つめなおす場となる

本展は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館・財団 シニア・キュレーター・アット・ラージ(グローバル・アーツ部門)のアレクサンドラ・モンローと、森美術館館長の片岡真実による共同キュレーションで実施される

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編集:小田菜々香

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