ウクライナ復興需要、台湾企業に商機 ドローン月25万〜40万機消費、エネルギー再建も課題
戦時下のウクライナにおいては電力システムの再建が急務とされるほか、同国はドローンの実証実験の場ともなっている。(馮建棨撮影)
ロシアによる侵攻からすでに4年以上が経過したウクライナでは、現在も被害が拡大し続けている。こうした中、ポーランドで開催された台湾の製品や技術をアピールする展示会、欧州台湾形象展(台湾エキスポヨーロッパ)内で実施されたウクライナ復興商機を巡るセミナーで、エネルギー供給や製造業などの分野における、同国の転換と再建に関連した需要について議論が交わされた。
欧州ビジネス協会(EBA)地域協調理事会のアントン・ポディルチャク(Anton Podilchak)議長は23日、取材に対し、過去5年間でウクライナ全体のエネルギー生産能力は30〜40%も減少し、全国的な送配電網も戦火により再構築が必要となっていると現状を説明した。その上で、「台湾はこれまでエネルギーや電力テクノロジーなどの分野で優れた実績を残しており、ウクライナにとって良好なパートナーとなる。戦後のウクライナは、台湾企業が進出し発展するための極めて潜在力の高い市場だ」と語った。
ウクライナでは現在も戦闘が続いている。ポディルチャク氏は、現在月に平均して25万〜40万機のドローンが消費されているとのデータを示し、このような激しい消耗状況のもと、ドローン産業の育成を進める台湾にとって、ウクライナは世界の企業が実証テストを行うための最適な場になり得ると述べた。
台湾の蓄電・再エネ技術に期待 ウクライナ電力網再建が焦点
ポディルチャク氏は、電力供給のレジリエンス(強靱性)確保もウクライナにとって喫緊の課題だと指摘する。ウクライナでは今後、断固として電力供給ルートの「分散化」を進める方針で、これは市場において蓄電システム、インバーター、太陽光パネル、そして各種再生可能エネルギー関連部材に対する爆発的な需要が生まれることを意味する。そしてこうした分野こそ、世界的に名高い台湾産業の強みだと強調した。
ポディルチャク氏は、現在のウクライナの電気料金が戦前と比較してほぼ2倍に高騰しており、高止まりするエネルギーコストが民間や外資にとって極めて大きな投資利益の可能性を生み出していると述べた。今後3〜7年をかけて効率の高いエネルギー投資を通じ、電気料金を引き下げることが、ウクライナの全面的な工業化と製造業復興を推進する上での重要な礎になると見込まれている。
外界が最も懸念する安全保障や投資環境の問題についてポディルチャク氏は、「戦争に起因する課題に直面してはいるものの、ウクライナの地元企業や多国籍企業の現地での事業運営は依然として良好で、外資系企業が過度に恐れる必要はない」と強調。台湾の強力な製造業の移転を誘致するため、ウクライナ政府は現在、外資にやさしい投資環境の整備を進めている。同国は法規制などのコンプライアンス面での要件を大幅に緩和しているだけでなく、欧州市場へ直接進出するための絶好の地理的、政策的優位性を備えていると述べた。
さらにポディルチャク氏は、ウクライナには質の高い、勤勉でモチベーションに溢れるブルーカラー人材が豊富に存在し、人件費は伝統的な欧州市場と比較して極めて高い競争力を備えていると指摘した。
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