中国によるグレーゾーン活動が台湾東部海域にまで拡大している。今月初旬、中国海警局が「岱山艦」の編隊が同海域で「法執行パトロール」を実施したと表明し、中国交通運輸部もその後、同海域での「海上交通特別法執行・測量行動」を実施したと発表。さらに中国自然資源部も同海域における「海洋環境調査」の実施を宣言した。
こうした中、英国、フランス、ドイツの対台湾窓口機関は24日、異例の共同声明を発表し、中国の動きに懸念を示した。また米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)もメディアの取材に答える形で、中国は地域の安定を損なっていると非難した。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は5月28日、東京で日本の高市早苗首相と首脳会談を行った。会談後に発表された共同声明によると、両首脳は国連海洋法条約(UNCLOS)および関連する国際司法判例に基づき、両国の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の境界画定交渉を正式に開始し、地域の法秩序と予測可能性を増進することで合意した。しかし台湾東部海域において日本とフィリピンのEEZが重複するエリアが台湾のEEZとも大きく重なることから、中国は6月1日以降、これに反発する執拗な動きを見せている。
中国海警局は6月1日、「岱山艦」編隊がすでに「中国・台湾島」の東側海域に出動し、法執行パトロールを実施していると発表。この動きは日本とフィリピンが一方的に境界画定交渉の開始を宣言したことへの対抗措置だと説明した。これに続き中国交通運輸部も、6月6日から10日にかけて台湾東部海域で「海上交通特別法執行・測量行動」を展開すると発表。
さらに6月18日には中国自然資源部が、海洋調査船「向陽紅22」を派遣し、台湾の東側海域で「海洋環境調査」を行ったと発表した。これに対し、台湾の海洋委員会(海委会)などの関連機関は再三にわたり抗議し、中国の主張に反論した。
台湾当局「中国の動きは国際社会の賛同得られない」
台湾の海委会は24日午前、改めて声明を発表し、中国国営メディアの関連報道に反論。中国に台湾東部海域に対する主権や統治権を主張する権利はないと強調し、中国側の行動は国際社会の賛同を得られないと強く非難した。その後、同日午後には英仏独の対台湾窓口機関、英国在台弁事処(British Office Taipei)、フランス在台協会(French Office in Taipei)、ドイツ在台協会(German Institute Taipei)が共同声明を発表し、台湾東部海域における最近の中国の新たな活動を確認しているとした上で、これに懸念を表明した。
英仏独は共同声明を通じ、いかなる一方的な現状変更の試み、特に威嚇、武力、または威圧による現状変更に反対する姿勢を改めて強調した。さらに、すべての航行の権利と自由、船員と船舶の安全が保障され、尊重されることが極めて重要だと指摘。これを受け、台湾の駐フランス代表処は同声明を転載し、理念を同じくする欧州の盟友が台湾に寄り添う姿勢を示したことに謝意を表明。台湾は国際社会の責任ある一員として、今後もフランス、英国、ドイツなど民主的なパートナーとの協力を深め、インド太平洋地域の自由と開かれた環境、そして平和を共に守り抜くと表明した。
AIT「台湾が70年以上、平和的に管理してきた海域」
一方で、AITの報道官もメディアの取材に対し、中国海警局や海事管理部門の船舶が台湾東部海域での活動中に商船を妨害し、同海域に対する管轄権を主張しているとの報道について、米国側の懸念を表明した。米国は、航行の自由、上空飛行の自由、海底ケーブル敷設の自由に対する干渉、その他合法的な海洋利用の権利に対する中国のいかなる主張をも拒否する姿勢を明確にした。
さらにAIT報道官は、中国の関連行動が地域の安定を著しく損なっていると批判した。台湾が70年以上にわたって平和的に管理してきた海域に対して、中国が管轄権を有すると主張することは、地域の緊張を高めるだけでなく、中国自身が掲げる平和的な紛争解決への道筋を自ら破壊するものだと指摘。その上で、米国は中国政府に対し、台湾への軍事、外交、経済的な圧力を直ちに停止し、台湾の民主的な選挙で選ばれた政権との間で有意義な対話を行うよう強く求めるとコメントした。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【台湾海峡の深層】中国海警局が台湾を周回、東部海域も常態化か 北京が進める「不統而統(統一なき統一)」とは | 関連記事をもっと読む )












































