米半導体大手NVIDIAの創業者兼CEO、ジェンスン・フアン氏がたびたび台湾を訪れ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の会長兼CEO、リサ・スー氏も台湾での投資拡大を表明するなど、世界的なAIブームを背景に、台湾半導体産業の存在感は一段と高まっている。
一方で、米国、日本、欧州、中東など各国・地域が半導体製造への投資を加速させ、独自のサプライチェーン構築を目指す中、外部からは一つの問いが繰り返し投げかけられている。台湾半導体の強みはどこにあるのか。そして、その優位性は他国でも再現できるのか。
この問いに対し、台湾の半導体パッケージング・テスト大手、日月光投資控股(ASE Technology Holding、ASEH)の最高執行責任者(COO)である呉田玉氏は、株主総会後のメディア取材で、技術や生産能力、資本支出とは異なる視点から答えを示した。
「台湾のサプライチェーンは、いわば『同窓会』のようなものだ。みな互いをよく知っている」
呉氏によれば、台湾半導体産業において最も再現が難しい強みは、単なる技術力ではない。数十年にわたって蓄積されてきた産業集積の効果と、世界の顧客との間で長期的に築いてきた信頼関係こそが、台湾半導体を支える本当の「堀」だという。
台湾の供給網は「同窓会」 エンジニアから経営トップまで素早く連携
近年、米国や日本、欧州、中東などでは、半導体産業への投資が相次いでいる。各国は自国・域内での供給網強化を急いでいるが、呉氏は、台湾の強みは特定の技術だけではなく、サプライチェーン全体が生み出す相乗効果にあるとみている。
世界の半導体サプライチェーンは各地に分散している。しかし台湾は、材料、製造装置、ウエハー製造、パッケージング・テスト、システム統合といった工程が比較的狭い地域に集積している数少ない場所だ。
さらに重要なのは、こうした企業同士が長年にわたる協力関係を築いてきた点にある。
「エンジニアから董事長、つまり経営トップに至るまで、この間の調整力は世界中のどこにもまねできない」
呉氏によると、顧客から新たな製品ニーズや技術的課題が示された場合、台湾のサプライチェーンは関連するパートナーを素早く見つけ、共同で問題解決に当たることができる。川上から川下までをまたぐこうした連携の速さは、資本を投じれば短期間で構築できるものではない。
AI時代に入ると、この産業集積の強みはさらに重要になる。先進パッケージング、高帯域幅メモリー(HBM)、シリコンフォトニクス、高速インターコネクトなどの技術は、複数の工程をまたいだ共同開発を必要とする。もはや一社だけで完結できる領域ではなく、サプライチェーン全体の協調力が競争力を左右する。
競争力は「最初の1個」ではなく「1億個目、10億個目」にある
世界の半導体競争について、呉氏はもう一つの視点を示した。
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多くの人は、技術的な突破口や先端プロセスに注目しがちだ。しかし、産業としての本当の競争は、研究開発の初期段階ではなく、量産段階で起きると呉氏は考えている。

















































