コーポレートガバナンス改革2025 日本取引所グループCEO・山道裕己氏が講演

日本取引所グループの山道裕己CEOは、日経平均が5万円を超える中、日本市場の勢いとコーポレートガバナンス改革の進展について講演した。(写真:FCCJ)
日本取引所グループの山道裕己CEOは、日経平均が5万円を超える中、日本市場の勢いとコーポレートガバナンス改革の進展について講演した。(写真:FCCJ)

日本取引所グループ(JPX)の山道裕己・取締役兼代表執行役グループCEOは11月5日、東京の外国特派員協会で講演し、日経平均株価が5万円を突破する中で、日本市場の強いモメンタムとその背景にある国内外の要因、さらに進展するコーポレートガバナンス改革について語った。

日本取引所グループの山道裕己CEOは、日経平均が5万円を超える中、日本市場の勢いとコーポレートガバナンス改革の進展について講演した。FCCJ
日本取引所グループの山道裕己CEOは、日経平均が5万円を超える中、日本市場の勢いとコーポレートガバナンス改革の進展について講演した。(写真:FCCJ)

山道氏は、昨年に続き二度目の登壇であると述べ、酷暑を経て秋の過ごしやすい季節となったと触れながら、昨年来の株式市場の上昇は複数の要素が同時に作用した結果だと説明した。日本経済の持続性や、世界の投資家が日本市場に対する見方を変えつつあることが背景にあると指摘。

講演ではまず、JPXが東京証券取引所や大阪取引所、清算機関、データ関連サービスなど、日本の資本市場を支える複数の基盤機能を担っていると述べた。現物株市場に注目が集まる一方で、デリバティブ市場も金利政策の変化などにより活発さを増し、取引が大きく動いていると説明した。

日本経済については、長期にわたる低インフレから脱却しつつあり、企業収益やバランスシートの改善が見られると語った。米中関係の変化や米国投資家のポートフォリオ見直しも進む中で、日本の市場規模や安定性が評価され、資金流入が強まっているとした。

国内投資家の動向では、NISA制度の拡大により個人投資家の市場参加が急増し、若い世代の投資比率も高まっていると述べた。制度開始から蓄積された投資額の約半分が直近で集中しており、市場の新たな推進力になっていると説明。

また、外国人投資家の買い越しが続いていることにも触れ、日本のコーポレートガバナンス改革が企業行動の変化を促し、投資家から信頼を得ていると述べた。独立社外取締役の導入が急速に拡大したことを例に、企業が建設的な対話を重視し、価値向上に取り組む文化が浸透しつつあると強調した。

東証の新市場区分移行後、プライム・スタンダード企業の多くが資本コストや株価の水準を分析し、投資家との対話を進めていることにも言及した。目標は比率を引き上げることではなく、企業が生産性向上と長期的価値創造に結びつけることだと述べた。

さらに、M&AやTOBが増加している点を挙げ、企業の事業再編が進んでいることを意識変化の証拠だと説明した。市場運営者としてJPXは企業と投資家の対話を後押しし、事例の公開を通じて市場の反応を引き出していると語った。

質疑応答では、海外投資家への情報発信、アジアのスタートアップ支援、暗号資産の規制議論、開示の在り方、報酬制度の変化など多岐にわたる質問が寄せられ、山道氏は海外出張を通じて日本市場への理解が深まりつつあると述べた。また、日本企業が固定給中心の報酬体系から長期インセンティブへ移りつつある現状を説明した。

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