中国の国営メディアが警告「高市首相の改心なければ、日本は破滅へ」

2025-11-18 13:30
2025年10月31日、APECサミットに出席した中国国家主席・習近平氏と日本首相・高市早苗氏が会談。(写真/AP通信提供)
2025年10月31日、APECサミットに出席した中国国家主席・習近平氏と日本首相・高市早苗氏が会談。(写真/AP通信提供)

「台湾有事」は日本の「存亡危機事態」となり得ると語った高市早苗首相の国会答弁は、ここ最近安定していた日中関係に波紋を広げた。日本政府が台湾海峡の危機に「集団的自衛権」を行使、あるいは「武力で台湾海峡の紛争に直接介入」する可能性が指摘され、これは北京のレッドラインを踏み越えたと見られている。この件に対しては、中国の外交部、国防部、さらには官製メディアも積極的に反発を展開している。中国中央テレビの《海峽時評》と党機関紙《人民日報》は、この数日間にわたって警告を発し、「高市早苗氏が改心しない限り、日本を破滅の淵に追いやる」と強調している。

中国共産党の機関紙『人民日報』は17日付3面で「日本の戦略的方向性の危険な転換に警戒を」と題する論評を掲載した。著者は「鐘声」で、同紙で中共の対外的メッセージを示す際に使われる定番の筆名で、「中国の声」を象徴するものとされる。論説は「高市早苗氏の台湾に関する誤った発言は、日本右翼勢力の極めて危険な歴史観・国際秩序観・戦略観を露呈した。国際社会、とりわけアジア諸国は日本の戦略的方向性に高度の警戒を払うべきだ」と主張した。

同紙はさらに、いわゆる「台湾有事」が日本の集団的自衛権行使を可能にする「存立危機事態」になり得るとの議論に触れ、日本が台湾海峡問題に武力介入する可能性を示唆するものだと批判。これは「中国の内政に対する乱暴な干渉であり、戦後国際秩序への公然たる挑戦だ」と断じた。そのうえで「高市氏は誤りを省みることなく、発言撤回も拒み、台湾に関する誤った論調を繰り返している。それは軍国主義を呼び戻すに等しい」と糾弾した。また、「台湾有事は日本有事」との言説について、「日本政界に根強く残る危険な論調であり、中国の国家統一と日本の安全保障を意図的に結びつけるものだ」と警戒感を示した。

『人民日報』は「台湾問題について日本は重い歴史的罪責を負っている」と強調し、日清戦争後の台湾占領と半世紀に及ぶ植民地統治を「筆舌に尽くしがたい罪行」と非難。今年が「中国人民の抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年、そして台湾の『光復』80周年」に当たると指摘し、「日本側は反省するどころか、台湾問題で新たな火種を作っている。このような中国内政への干渉と挑発的行為は、中日関係の政治的基盤を深刻に損ない、戦後国際秩序にも重大な挑戦を加えるものだ」と批判を続けた。

さらに「台湾問題は中国の核心利益中の核心であり、絶対に触れてはならないレッドラインだ。台湾問題をどう解決し、国家統一を実現するかは中国人自身の問題であり、外部勢力の干渉は決して許されない」と強調した。そして「80年前、中国人民は日本の侵略者を打ち破った。今日の中国は主権と領土保全を守る決意も意志も能力も、当時とは比べものにならない。中国の統一を妨げようとするいかなる企図も、自ら破滅に向かうものだ。日本側に警告する。台湾問題に手を突っ込めば、自ら災いを招くことになる」と警告した。

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