中国で「対日旅行キャンセル」急増 3日間で49万枚の日本行き航空券が取り消し 日中関係緊迫で日本観光業に打撃懸念

2025-11-18 12:05
中国と日本の関係が緊迫する中、わずか3日間で中国発日本行きの航空券49万枚がキャンセルされ、中国人観光客の日本ボイコットの動きが強まっている。写真は中国国際航空の旅客機。(資料写真/柯承惠撮影)
中国と日本の関係が緊迫する中、わずか3日間で中国発日本行きの航空券49万枚がキャンセルされ、中国人観光客の日本ボイコットの動きが強まっている。写真は中国国際航空の旅客機。(資料写真/柯承惠撮影)
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日本の高市早苗首相が先日、「台湾有事」の際には武力を用いて台湾海峡に介入し得ると示唆した発言を受け、中国大陸側が強く反発した。これを受け、15日から17日にかけて、日本行きの中国発航空券が約49万枚キャンセルされ、全体の32%に達した。中国人観光客による日本ボイコットの規模は極めて大きく、日本の観光業に相当の打撃となる可能性がある。日本政府は17日、外務省アジア大洋州局長の金井正彰氏を中国に派遣しており、18日にも中国側外交官との協議が行われる見通しだ。

高市早苗氏の「台湾」発言が火種に

日本の衆議院予算委員会は11月7日に審議を行い、最大野党・立憲民主党の岡田克也議員が高市氏に、「台湾有事」がどのような状況で「存立危機事態」に該当するのかを質問した。これに対し高市氏は、「戦艦の使用を伴う武力行使がある場合、どう考えても存立危機事態に該当し得る」と述べた。

日本国会が2015年に可決した新安保法では、「存立危機事態」が発生した場合、日本は「集団的自衛権」を行使することが可能となる。高市氏の発言は、事実上「台湾有事は日本有事」を意味し、台湾海峡で衝突が起きれば日本が軍事的に介入する可能性を示したものと受け止められた。この発言は中国側の激烈な反発を招き、日本による過去の侵略など歴史的背景も相まって、中国政府や官製メディアは一斉に高市氏を批判した。

日本新任首相高市早苗对台湾有事的相关发言,被解读为可能以武力介入台海。(美联社)
日本の高市早苗首相が「台湾有事」をめぐり武力介入の可能性に言及した発言は、中国側の強い反発を招いた。(写真/AP通信)

3日間で49万枚の中国発日本行き航空券がキャンセル

日本政府観光局によれば、2025年1月から9月までに日本を訪れた中国人観光客は約749万人に上る。高市発言後、中国政府は日本への観光および留学に関する警告を発出した。

『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、16日から17日までの3日間で、中国発日本行き航空券49万枚がキャンセルされ、その量は通常の予約数の27倍に上った。中国人観光客の「日本ボイコット」ムードが一気に高まっている状況が明らかとなった。

中国外務省「高市発言は日中関係を根本から損なう」

中国外務省の毛寧報道官は17日、高市首相の台湾に関する「誤った言論」について、中国側はすでに厳正な立場を繰り返し伝えてきたと述べた。同報道官は、高市発言が日中間の四つの政治文書の精神に深刻に反し、日中関係の政治的基礎を根本から損なうと批判した。

毛氏は、日中国交正常化時に中国側が「復交三原則」を明確に示したと説明した。それは、

1.中華人民共和国政府が中国人民を代表する唯一の合法政府であること

2.台湾省は中華人民共和国領土の不可分の一部であること

3.戦後に日本が中華民国政府と結んだ「日蔣条約」(台北条約)は違法・無効であり廃止すべきであること

さらに毛氏は、「日中共同声明」「平和友好条約」「友好協力パートナーシップ宣言」「戦略的互恵関係の包括的推進に関する共同声明」など、台湾問題に関する日中四つの政治文書の取り決めは日本政府の厳粛な約束であり、国際法上の効力を持ち、曖昧化や歪曲は許されないと強調した。

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