中国、「日本行き49万枚キャンセル」の異常事態 専門家「最も打撃を受けるのは日本ではなく中国の航空会社」

2025-11-18 18:41
専門家は、今回の大規模な返金ラッシュによる影響は、日本ではなく中国の航空会社の方がはるかに深刻だと指摘している。(イメージ画像/freepikより)
専門家は、今回の大規模な返金ラッシュによる影響は、日本ではなく中国の航空会社の方がはるかに深刻だと指摘している。(イメージ画像/freepikより)

日本の高市早苗首相が「台湾有事は日本有事に当たり得る」と発言したことを受け、中国外務省は14日、中国国民に対して日本旅行を控えるよう呼びかけた。『サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』によれば、15日以降、中国の複数の航空会社が日本行き航空券 49万枚以上をキャンセルし、予約総数の約 32% に上る前例のない規模の返金ラッシュが発生している。しかし、英航空情報会社OAGのアナリストは「この影響で最も大きな打撃を受けるのは日本ではなく、中国側の航空会社だ」と指摘する。

上海発路線が最も深刻 16日のキャンセル数は新規予約の27倍

報道によれば、独立航空アナリストの 李漢明(Li Hanming)氏 は、16日以降、中国発日本行き便への影響が顕著になったと説明。16日のキャンセル率は82.14%、翌17日も 75.6% と極めて高い水準に達したという。

李氏によると、16日単日の返金件数は新規予約件数の27倍 にのぼり、「これは2020年の新型コロナ流行初期以来見たことのない規模だ」と述べた。特に、上海—東京/上海—大阪 の主要路線で影響が最も大きく、航空業界全体の損失は数十億人民元(約200億円)規模に達すると分析。そのうち 約7割が往復航空券 であり、航空会社へのダメージは極めて大きいという。

中国の航空会社が最も苦境に 無料のキャンセル・変更対応を実施

航空情報会社OAGのシニアアナリスト、ジョン・グラント(John Grant)氏 は、今回の混乱は中市場全体に影響しているものの、中航空市場の主導者は中国側航空会社であり、損失は日本より中国の方がはるかに大きい」と指摘した。

報道によれば、中国の国営三大航空会社(中国国際航空、東方航空、南方航空)を含む計7社は15日、日本行き(12月31日までの出発分)を予約した乗客に対し、無料の返金・日程変更を一斉に発表した。

今後数週間、日本行き便は3割以上減便の見込み

さらに、シンガポールの旅行マーケティング企業 China Trading Desk の最新データでは、今後数週間、中国発日本行きの便数は前週比で 30%以上減少すると予測され、特に2025年1月までの便が大幅に落ち込む見通しである。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp 

最新ニュース
前台湾総統・馬英九氏、高市早苗首相を批判「台湾を危険にさらす」 台湾海峡の問題は「両岸の中国人が自ら話し合うべき」
日本政府、中国の強い反発にも姿勢崩さず 高市早苗首相「台湾有事」発言、撤回の予定なし 木原官房長官「政府方針と一致」と強調
イスラエルで「頭脳流出」が急拡大 8万人超が国外へ 戦争と政治対立で将来に不安
中国、日本への旅行・留学警告相次ぐ 解放軍報「日本を戦争へ導く恐れ」
ノーベル賞スティグリッツ氏「資本主義は民主主義を侵食」 世界共通の「最大リスク」とは
李忠謙コラム:エコノミスト「世界はトランプとAIの時代へ」 2026年を左右する「二つの確定要素」とは?
トランプ氏が一転「エプスタイン資料の全面公開」支持 下院今週採決へ、共和党内に波紋
舞台裏》台湾・国民党に「隠れ実力者」副主席 鄭麗文主席が起用した蕭旭岑氏は柯文哲氏と習近平氏を結ぶパイプ役
コーポレートガバナンス改革2025 日本取引所グループCEO・山道裕己氏が講演
蔡英文氏が欧州行を終えて台湾へ戻る 「台湾が必要とするなら、私はここにいる」
中国の国営メディアが警告「高市首相の改心なければ、日本は破滅へ」
トランプ氏、台湾による「100%の半導体製造」に嫉妬!過去の半導体法案を猛烈に批判し、関税で主導権を奪還する決意を表明
中国で「対日旅行キャンセル」急増 3日間で49万枚の日本行き航空券が取り消し 日中関係緊迫で日本観光業に打撃懸念
WSTが明かすAI業界の光と影:なぜOpenAIは2030年まで赤字なのか?
パグウォッシュ会議、広島で第63回世界大会 核兵器の危険性と新技術リスクを強調
高市首相の「台湾有事」発言で日中緊張 日本外務省局長が急きょ訪中し、立場を説明へ 大阪総領事の投稿にも正式抗議へ
中国が日本への渡航自粛呼びかけ 「台湾有事」巡る外交摩擦拡大、観光損失は2.2兆円規模と試算
死刑制度廃止をめぐり専門家が会見 袴田事件後の再検討を訴える
台湾・呉釗燮氏が中国外務省を痛烈皮肉 米大使も加勢し「日米関係を深めてくれて感謝」
侍ジャパン、WBC新ルールへ本格調整 韓国との連戦前に公式練習と会見を実施
台湾大学名誉教授・明居正氏「中国共産党は高市首相を政局から退陣させようとしている」日米が台湾問題で合意した可能性
中国共産党の元老が習近平に逆らえない理由 反腐敗で人脈も影響力も断たれた構造
ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025、第2戦は7―7の引き分け 韓国が終盤2本塁打で追いつき、対日本の10連敗に終止符
舞台裏》台湾民進党が高雄・桃園・台南で予備選を本格化 「神龍の戦い」へ 林佳龍氏は頼清徳氏に命がけで挑むのか
舞台裏》台湾民衆党・黄国昌主席が手綱握れず 柯文哲前台北市長の出所後も、党は「剣を抜いて行き場見えず」
自衛隊が中国空母の「撃沈検討」と言い出したのは誰か 高市早苗氏の「台湾有事」発言と関係はあるのか
日本、韓国に11―4で圧勝 岸田行倫の代打3ランが決勝弾 WBCへ向け台湾代表監督も現地視察
大谷翔平選手が「最優秀おむすびパーソン(MVOP)」に選出 ファミリーマートが「おいしさ、新次元へ。」キャンペーン発表会を開催
台湾REITs「樂富一號」、史上最大65億元を9日で調達 台茂ショッピングセンターを単独保有へ
台湾に今秋最強の寒気 北部で最低12度の予報 気象専門家「19〜20日が最も冷え込む」
高市政権、「非核三原則」見直しを検討か 米軍の核持ち込み容認に現実味
「台湾有事は存立危機」高市首相発言で日中緊迫 産経「必要なら福建艦を撃沈」報道めぐり議論拡大
高市早苗首相「台湾有事」発言で日中関係が急冷 中国官媒『日本は80年ぶりに中国を武力威嚇』と非難
黄錦鐘の視点:高市早苗の「台湾有事」宣言 「斬首」騒動は日中悪化の序章にすぎない
高市首相「台湾有事」発言が波紋 日中関係が急冷、外務省が特命訪中で火消し図る
中国、民進党立法委員・沈伯洋氏を“分裂国家罪”で指名手配――八炯氏と閩南狼氏に懸賞金設定
ADKマーケティング・ソリューションズ、「IBM Consulting Marketing Workbench」を国内最速導入
ADKマーケティング・ソリューションズとOgury Japan、AIを活用した新ペルソナ配信メニューを共同開発
三井ガーデンホテル、名古屋と豊洲でクリスマス限定メニュー発表
第63回ギャラクシー賞上期、テレビ7本が入賞決定 ラジオ・CM・報道活動は入賞候補を発表
歴史小説を通じて台湾と日本を読み解く──『南光』作者・朱和之氏が東京で講演
米国の対外援助停止が国際秩序と日米協力に陰――ピースウィンズ米代表と米日財団代表理事が日本に主導的役割を提言
台湾の男性カップル、メキシコで代理出産し一度に4人誕生 「無計画アピール動画」に批判殺到「なぜ子どものために備えないのか」
中国の水素エネルギー攻勢が加速、「二つの手段」で世界覇権を狙う? 専門家が警鐘:米国は二本柱戦略で対抗すべき
小泡芙だけではない 義美が無人機・ロボット産業に本格参入 株主には雲豹エネルギーの名も