Google、AIを検索エンジンに導入! CEO警告「盲信しないで」、専門家は批判「まず道具を完璧にすべき」

2025年2月9日。Googleと書かれた巨大なスクリーンの前を歩く女性。(AP)
2025年2月9日。Googleと書かれた巨大なスクリーンの前を歩く女性。(AP)


生成AIの急速な発展とともに、ますます多くの産業とユーザーがこのツールに頼るようになっている。市場シェアで最高のGoogle検索エンジンでさえ、自社AIツールを強制的に組み込んでいる。しかし、このテクノロジー企業のCEOは、AIの成果を過度に信頼すべきではないと皆に呼びかけた。この発言は、ユーザーに事実確認を求める前に、システムの信頼性を高めることに集中すべきだと反論する専門家の声を引き起こした。

CEOのサンダー・ピチャイ氏はBBCのインタビューで、AIモデルは「最先端の」技術を使用しているにもかかわらず、多くの誤りが発生しやすいと強調し、ユーザーがAIの使い方を学び、それらを得意とする分野で活用するべきだと述べた。また、「彼らの言うことを盲信しない」正しい認識も持つべきだと強調した。

AIの限界があるからこそ、Googleの「豊かなエコシステム」の重要性が際立つとピチャイ氏は述べている。AI技術だけに頼るのではなく、人々は同時にGoogle検索を使用し、正確な情報を提供する他の製品も利用することができる。

実際にGoogleのAIツールGeminiには、ユーザーにエラーが発生する可能性を明確に通知する「免責条項」が表示されている。

Google CEOピチャイが今年5月の開発者会議でGeminiプロジェクトについて語った。(画像提供:Google Blog)
Google CEOピチャイが今年5月の開発者会議でGeminiプロジェクトについて語った。(画像提供:Google Blog)

Googleは、免責条項やユーザーに対する独自の事実確認の呼びかけを通じて、一部の責任を分担しようとしているが、多くの専門家は、テクノロジーの巨人がユーザーに「事実確認」(fact-check)を任せるべきではないとして、その代わりにシステムの信頼性の向上を図るべきだと考えている。

ロンドン大学クイーンメアリー校のジーナ・ネフ教授は、「これらのシステムが回答を虚構または創造することがあり、彼らの目的は我々を喜ばせることに他ならない」と述べた。

「次にどの映画を見るべきかと尋ねる場合には、大した影響はないだろう。しかし、健康、メンタルヘルス、科学、ニュースに関する敏感な問題を尋ねるときは、状況は全く異なる。」

ジーナ氏はGoogle上層部がユーザーに独自のチェックを求め、責任を消費者に転嫁しようとすることを厳しく非難し、「この会社は現在、試験を自ら審査しつつ、学校を焼き尽くそうとしている」と批判した。

Googleは自社AIシステムを検索エンジンと統合した。(AP通信)
Googleは自社AIシステムを検索エンジンと統合した。(AP通信)

GoogleがAIを自社検索エンジンに導入したのは、ChatGPTが成長する中、このプラットフォームがオンライン検索の王座を脅かす懸念から市場競争力を確保するためだった。今年5月からAIモードを強制的に優先順位に設定し、検索結果にAIロボットが生成した解説や説明を提供している。

この新しくて特異な「ブラックテクノロジー」は、著しく不安定で不正確な回答のため、世界中のユーザーから批判と嘲笑を浴びている。誕生や死亡の日時を誤り、異なる事件を取り違え、偽の健康ガイドラインやレシピを編み出すことがあり、利用者を驚愕させることもある。

BBCの研究によれば、OpenAIのChatGPT、マイクロソフトのCopilot、GoogleのGeminiといった、最もよく知られた3つのチャットボットは、関連ニュースの報告をまとめる際に、全く関連のないまたは「極めて不正確」なコンテンツを含むことがある。ユーザーがその基礎を完全に理解していない場合、偽の回答を正しいものと見なしてしまう傾向がある。

Siri機能に類似したGoogle Assistant。(AP通信)
Siri機能に類似したGoogle Assistant。(AP通信)

ピチャイ氏は、AIへの投資の成長は素晴らしい瞬間であると述べながらも、現行のAIブームには「非合理的」な要素があると指摘した。これは、1996年にアラン・グリーンスパン前FRB議長がインターネットバブルの「非合理的な熱狂」に警告を発したことを思い起こさせる。

AIテクノロジー企業の評価が過去数か月で急上昇し、企業が驚異的な投資額を発表するにつれ、シリコンバレー内外ではすぐにバブルが崩壊するのではないかという懸念が広がっている。GoogleがAIバブルの崩壊から逃れることができるかどうかを尋ねられた際、ピチャイ氏は、「我々を含め、逃れられる企業はないと思う」と率直に述べた。

それでも、他社よりも強い自信があるとし、Googleの体制のもとで、チップ、YouTubeのデータ、言語モデルを通じて自社システムやエコシステムを維持することができ、経済的な激動を乗り越えていけると述べた。

編集:佐野華美

最新ニュース
低い円相場と中国の急な警告で、日本旅行は台湾人にとって絶好の機会か? 林氏璧が皮肉を語る
中国、日本産水産物の輸入停止を通告 「台湾有事」発言への追加報復か
日中協議後の「退場シーン」映像が波紋 日本メディア人「中国式プロパガンダ」と批判
日本で過去20年最悪級の市街地火災 強風・乾燥・老朽住宅地が重なり 九州・佐賀関で住宅170棟焼失
論評:高市首相発言めぐり日中緊張高まる中、中国報道官の「血まみれ」発言が炎上 台湾も即応戦
日中関係さらに冷え込む 中国大使が台湾の国民党政治家の発言を引用し「台湾人は皆、高市氏に反対」と主張 日本ネット「代弁する資格なし」
WSJトークコラム:台湾有事なら世界大恐慌?元米駐露大使が警告「アメリカが本当に恐れるべきは習近平ではなくプーチンだ」
台湾民意基金会の世論調査》頼清徳総統の支持率は依然伸び悩み 游盈隆氏が指摘する「1つの長期的懸念」
中国、黄海で8日連続の実弾射撃へ 高市首相の「台湾有事」発言に強硬反発 中国シンクタンク「日本の台湾関与は痛烈な反撃に遭う」
中国の「訪日自粛」令、中国国民は耐えられるのか 謝金河氏がデータで指摘「中国人の日本旅行への衝動は止められない」
米海軍トップ、高市首相の「台湾有事は存立危機」発言に言及 「驚きはない」も計画変更せずと強調
高市首相「台湾有事」発言で日中関係緊迫 台湾の邱毅元立法委員が歴史的背景と世論変化を指摘
海外メディアが「習近平氏が最も恐れること」を指摘、日中関係の緊張が高まる
高市首相の「台湾有事」発言、中国が強硬姿勢に転換 日本政府は撤回を否定
政府、高市首相の「台湾有事」発言を撤回せず 与党内からは大阪の中国総領事「追放」要求も
中国、「日本行き49万枚キャンセル」の異常事態 専門家「最も打撃を受けるのは日本ではなく中国の航空会社」
前台湾総統・馬英九氏、高市早苗首相を批判「台湾を危険にさらす」 台湾海峡の問題は「両岸の中国人が自ら話し合うべき」
日本政府、中国の強い反発にも姿勢崩さず 高市早苗首相「台湾有事」発言、撤回の予定なし 木原官房長官「政府方針と一致」と強調
イスラエルで「頭脳流出」が急拡大 8万人超が国外へ 戦争と政治対立で将来に不安
中国、日本への旅行・留学警告相次ぐ 解放軍報「日本を戦争へ導く恐れ」
ノーベル賞スティグリッツ氏「資本主義は民主主義を侵食」 世界共通の「最大リスク」とは
李忠謙コラム:エコノミスト「世界はトランプとAIの時代へ」 2026年を左右する「二つの確定要素」とは?
トランプ氏が一転「エプスタイン資料の全面公開」支持 下院今週採決へ、共和党内に波紋
舞台裏》台湾・国民党に「隠れ実力者」副主席 鄭麗文主席が起用した蕭旭岑氏は柯文哲氏と習近平氏を結ぶパイプ役
コーポレートガバナンス改革2025 日本取引所グループCEO・山道裕己氏が講演
蔡英文氏が欧州行を終えて台湾へ戻る 「台湾が必要とするなら、私はここにいる」
中国の国営メディアが警告「高市首相の改心なければ、日本は破滅へ」
トランプ氏、台湾による「100%の半導体製造」に嫉妬!過去の半導体法案を猛烈に批判し、関税で主導権を奪還する決意を表明
中国で「対日旅行キャンセル」急増 3日間で49万枚の日本行き航空券が取り消し 日中関係緊迫で日本観光業に打撃懸念
WSTが明かすAI業界の光と影:なぜOpenAIは2030年まで赤字なのか?
パグウォッシュ会議、広島で第63回世界大会 核兵器の危険性と新技術リスクを強調
高市首相の「台湾有事」発言で日中緊張 日本外務省局長が急きょ訪中し、立場を説明へ 大阪総領事の投稿にも正式抗議へ
中国が日本への渡航自粛呼びかけ 「台湾有事」巡る外交摩擦拡大、観光損失は2.2兆円規模と試算
死刑制度廃止をめぐり専門家が会見 袴田事件後の再検討を訴える
台湾・呉釗燮氏が中国外務省を痛烈皮肉 米大使も加勢し「日米関係を深めてくれて感謝」
侍ジャパン、WBC新ルールへ本格調整 韓国との連戦前に公式練習と会見を実施
台湾大学名誉教授・明居正氏「中国共産党は高市首相を政局から退陣させようとしている」日米が台湾問題で合意した可能性
中国共産党の元老が習近平に逆らえない理由 反腐敗で人脈も影響力も断たれた構造
ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025、第2戦は7―7の引き分け 韓国が終盤2本塁打で追いつき、対日本の10連敗に終止符
舞台裏》台湾民進党が高雄・桃園・台南で予備選を本格化 「神龍の戦い」へ 林佳龍氏は頼清徳氏に命がけで挑むのか
舞台裏》台湾民衆党・黄国昌主席が手綱握れず 柯文哲前台北市長の出所後も、党は「剣を抜いて行き場見えず」
自衛隊が中国空母の「撃沈検討」と言い出したのは誰か 高市早苗氏の「台湾有事」発言と関係はあるのか
日本、韓国に11―4で圧勝 岸田行倫の代打3ランが決勝弾 WBCへ向け台湾代表監督も現地視察
大谷翔平選手が「最優秀おむすびパーソン(MVOP)」に選出 ファミリーマートが「おいしさ、新次元へ。」キャンペーン発表会を開催
台湾REITs「樂富一號」、史上最大65億元を9日で調達 台茂ショッピングセンターを単独保有へ