米「台湾保証法案」成立で中国が猛反発 台湾外交部「覇権主義」と応酬

2025-12-04 19:46
台湾外交部の報道官、蕭光偉氏が中国の発言に対応する。(写真/鍾秉哲撮影)
台湾外交部の報道官、蕭光偉氏が中国の発言に対応する。(写真/鍾秉哲撮影)

米国の連邦議会が通過させた『台湾保証実施法案』(Taiwan Assurance Implementation Act)は、ドナルド・トランプ米大統領によって署名され、発効しました。この法案は、米国務省が台湾との交流に関するガイドラインを定期的に見直し、少なくとも5年ごとにその更新報告を国会に提出することを義務付けています。この法案の成立により、台湾と米国の関係は今後も継続的に発展し、安定的に維持されることを目的としています。

しかし、この法案の発効に対して、中国政府は強く反発しており、国台辦(国家台湾事務弁公室)や外務省から批判の声が相次いでいます。

国台辦の張晗報道官は、トランプ大統領が法案に署名したことを受け、「中国は米国と台湾との間でのいかなる公式な交流も強く反対する」と表明しました。また、この法案は「中国の内政に対する粗暴な干渉」であり、「一つの中国」原則および中間の三つの共同声明を深刻に違反するものであり、台湾独立を支持する勢力に誤った信号を送ることになると述べました。

さらに、中国外務省の林剣報道官は、「台湾問題は中国の核心的利益の中でも最も重要な問題であり、中関係において最も越えてはならない赤線である」と強調しました。米国政府は中国交正常化に関する公式発表において台湾問題に対する立場を明確に定めており、林報道官は米国に対し「台湾問題を慎重に扱い、誠実に遵守するよう求めた」と述べました。

台湾外交部の報道官である蕭光偉氏は今日(4日)、『風傳媒』に対し、昨日の中国外務省および国台辦(国家台湾事務弁公室)の発言について、再度不正確な言説が繰り返されたことを批判しました。蕭報道官は「中華民国台湾は主権を有する独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属しない」と強調し、これが現在の台湾海峡の現状であり、国際社会で広く認められた事実であると述べました。そして、これに対する中国の発言を厳しく否定しました。

蕭氏は、さらに「中国は自ら主張する『一つの中国』原則をもって、他国と台湾の交流に干渉する権利はない」と指摘しました。民主的な国家間の正常な交流に対する中国の干渉を非難し、また、アメリカで立法と行政手続きを経て成立した『台湾保証実施法案』に対し、中国が粗暴な言葉で威圧し、アメリカを中傷することに強く反発しました。蕭報道官は、これらの行動が「中国の覇権主義的な態度を露呈し、『トラブルメーカー』としての本性を明らかにしている」と述べました。

さらに、蕭報道官は「中国が一方的に『赤線』を引き、事実を歪曲する脅迫的な行動が続いていることについて、国際社会が注視すべきだ」と呼びかけました。台湾外交部は、今後も台湾とアメリカの良好な関係を基盤に、互信・互恵・互利の原則に基づいて、アメリカとの協力を強化していく考えを示しました。また、アメリカの議会および行政部門との密接な連携を続け、台湾とアメリカのグローバルな協力関係を推進すると強調しました。

特に注目すべきは、林剣報道官がアメリカと中国が交わした「中国交正常化に関する公式発表」の内容について言及した点です。この発表には、アメリカが「中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府として承認する」と記されており、その範囲内でアメリカは台湾と文化、商務、その他の非公式な関係を維持することが明記されています。

しかし、台湾の地位に関しては、「アメリカ政府は中国の立場を認識し、台湾は中国の一部である」という記載があります。この部分では、「認識する(acknowledge)」という表現が使用され、アメリカの立場が明確に示されています。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp

最新ニュース
「力で平和を守る」台湾・頼清徳総統がNYTサミット登壇 習近平氏に「戦争より民生を」と異例の訴え
台湾の頼清徳総統、米NYTサミットで発言 「力による平和維持」を強調、民主陣営との結束の重要性訴え
中国人観光客、台湾パスポート風カバーで訪日か 台湾SNSで反発広がる
理想化された「配達員生活」に反発噴出 中国官製動画「現実とかけ離れている」と批判殺到、公開直後に削除
映画『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』15年ぶり公開 主演・大塚匡将とリム・カーワイ監督が舞台挨拶
資生堂が苦境に立たされる中、花王は逆風を乗り越えて成長する理由 日本の2大百年コスメブランドの運命を分けた3つのポイント
マレーシア航空MH370便の行方不明から11年、再捜索を決定!「約1085億円の報奨金」で航空史最大の謎解明を目指す
舞台裏》蔡英文時代の評価されなかった人物が賴清德時代に復活!法務部長の強い意志が反映された検察システムの激変
小田急ホテルセンチュリーサザンタワー、「ストロベリーアフタヌーンティー」期間限定開催 苺スイーツが主役の華やかティータイム
夢は美容師だった――ノーベル平和賞受賞者ナディア・ムラド氏、台湾・中央研究院で語った「ISによる性被害と生還」
アジア版「循環型都市宣言制度」が始動 横浜市が第1号都市に、国際枠組み本格化
中国の対日規制が強化 林佳龍外相、台湾有事めぐる緊張は「年単位」との見通し示す 日本への支持も表明
東京2025世界陸上、日本開催に好意的65.2% 電通調査で観戦熱とメディア効果が判明
静岡市で「ホビー×クリスマス」一体型イベント 模型・クラフト・マーケット横断の大型フェスタ12月開催
「GREEN×EXPO 2027」公式商品に新展開 サンリオコラボ第1弾に追加アイテム、12月5日発売へ
東急プラザ銀座、「GinzaNovo」に改称 2025年12月、新ブランドとして再始動
ファミマ、大谷翔平の「最優秀おむすびパーソン」受賞記念で4万人に無料クーポン配布へ
東京コミコン2025限定 Happyくじ「ムジョルニア&ストームブレイカーみくじ」発売へ MARVEL歴代デザインが集結
AKB48、6年ぶり紅白復帰 20周年記念で前田敦子・高橋みなみらOG8人集結 「第76回NHK紅白歌合戦」出演へ
Netflix『ストレンジャー・シングス』最終章記念 「STRANGER THINGS HOUSE」原宿V.A.で期間限定オープン
森美術館、2026年度の展覧会予定を発表 ロン・ミュエク、森万里子の大型個展を開催へ
ソフトバンク、台湾最速級158キロ右腕・徐若熙の獲得が決定的 日米争奪戦を制し先発補強の大本命に
Googleの次世代TPUに台湾MediaTekが参画 NVIDIAに包囲網、収益40億ドル規模の試算
TSMCの米国進出でもアジア依存は続く?インテル前CEO「供給構造は簡単に変わらない」
AI投資は「現代のゴールドラッシュ」か 49年ラッシュに重なる熱狂とバブルの影
韓国戒厳令から1年 尹錫悦氏が残した政治的混乱、韓国は深刻な対立に直面
高市首相「対台湾政策は不変」 「1972年日中共同声明に基づく」を重ねて強調
日中関係の悪化回避を模索 日本の商工団体、日中友好議員連盟幹部が中国大使と会談
高市政権、衆院議席削減試算を公表へ 旧姓使用の法制化も本格始動
『ウォール・ストリート』が注目する投資はポケモンカード?利益率3800%急騰、専門家は「ポケカバブル」に警告
台湾は米国の「中国抑制の切り札」か 台湾大・明居正名誉教授が警告 米国が台湾を放棄すれば財政崩壊の恐れ
第26回東京フィルメックス、各賞決定 最優秀作品賞は『サボテンの実』 観客賞は『左利きの少女』
トランプ氏が「台湾保証実施法案」に署名 台湾側は米台関係を「インド太平洋安定の基盤」と評価
衆院25議席削減で与党が合意 自民党内に「あまりに粗暴」と批判も
中国の圧力が「逆効果」?謝金河氏が分析 浜崎あゆみ公演中止と高市首相支持率
日本、フィリピンに「03式地対空ミサイル」輸出を検討 南シナ海防衛強化を支援
トランプ氏、台湾保証実施法案に署名 米台外交40年のタブーを突破か?5つの注目ポイント徹底解説
台湾国家安全局「米中対立は管理段階へ」 中国は日本への圧力を維持
台湾・蕭美琴副総統が異例の発言 米軍が台湾要員訓練を支援と認める「抑止と自衛のため」
NORQAIN、新アンバサダー発表 岡慎之助・楢﨑智亜選手らが「挑戦」を語るスペシャル対談公開
UNRWA保健局長がガザの深刻な人道危機を訴え 停戦から1カ月、それでも「戦争は終わっていない」
三交イン、九州初進出 2027年秋、「三交イン Grande 熊本」開業へ
賴清德氏の米国経由訪問、林佳龍氏「米国は支持姿勢へ転換か」日中対立は長期化と指摘
「中国版NVIDIA」の寒武紀、オリジナルNVIDIAに対抗可能か? 学者が語るそのチップの実性能「旧モデルの8割止まり」
鳳梨酥でも、茄子袋でもない! 日本人社長が台湾で「台糖一号砂糖」を大量購入後、特製記念品も送られ台湾人も驚愕:羨ましい!