東京2025世界陸上、日本開催に好意的65.2%　電通調査で観戦熱とメディア効果が判明

株式会社電通は1日、同社グループの「スポーツ未来研究所」が実施した「東京2025世界陸上」に関する観戦実態およびメディア接触調査の結果を発表した。調査は全国18〜69歳の男女3,000人を対象に行われ、18年ぶりの日本開催となった大会が社会にどのような影響を与えたかを明らかにすることを目的とした。

調査では、東京2025世界陸上が「日本で開催されて良かった」と回答した人が計65.2％に達し、「そう思わない」は計4.9％にとどまった。特に18〜29歳の若者世代と60〜69歳女性で肯定的な回答が多く、性別・年代を超え支持が広がった。

観戦経験者は61.3％で、18〜29歳と60〜69歳の男性に高い傾向が見られ、幅広い層が大会を視聴した。情報接触メディアでは「テレビの試合中継／告知」が71.9％で最多となり、「スポーツニュース番組」（50.8％）が続いた。18〜29歳では「SNSの投稿／広告」の接触率が他年代より高かった。

世界陸上の魅力としては「世界最高峰のアスリートが集まる大会である」（30.0％）、「世界記録や名場面が期待できる」（20.1％）が上位を占めた。18〜29歳男性では「競技場の臨場感や演出」、「SNSやメディアで選手の素顔が知れる」といった項目が高かった。

観戦後の意識・行動変化では、「選手の活躍や大会運営に感動し、勇気をもらった」（24.0％）、「陸上やスポーツ全般への関心が高まった」（21.2％）が突出したほか、「日本開催への誇りを感じた」も18.4％となった。健康意識の向上や運動への意欲向上に繋がった層も見られた。また、50〜59歳女性と18〜29歳男性では「家族や友人との会話や交流が増えた」という回答が多かった。

調査担当者は、世界陸上の魅力が定量的に可視化されたと述べ、観戦によるポジティブな変化が広がったことに言及。「アスリートが限界に挑む姿に自身を重ねやすい競技特性も影響している」と分析した。幅広い層による支持が確認されたことから、今後も大会開催が社会やスポーツ界の発展につながると期待を示した。

電通は今回の調査を通じ、日本開催となった世界陸上の社会的影響を示したとしており、多様なステークホルダーと連携したスポーツ振興への継続的取り組みの重要性を強調した。

編集：小田菜々香

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