米軍カリブ海作戦で「生存者射殺」疑惑 トランプ氏、国防長官を擁護「全員殺害の命令は出していない」

2025-12-02 17:28
2025年11月26日、ドミニカ共和国でピート・ヘグセス米国防長官がアビナデル大統領と会談。(AP通信)
2025年11月26日、ドミニカ共和国でピート・ヘグセス米国防長官がアビナデル大統領と会談。(AP通信)
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『ワシントン・ポスト』紙は28日、米軍がカリブ海で麻薬密輸が疑われる船を攻撃した後、生存者に対し二度目の攻撃を行ったと報じ、外部から「露骨な殺人」であり戦争犯罪にあたる可能性があるとの疑惑が噴出している。これに対し、アメリカのドナルド・トランプ大統領は30日、国防長官ピート・ヘグセスが「船上全員を殺害しろ」と口頭で命じたことは「決してない」と「非常に信じている」と語った。

9月2日、米軍はカリブ海で、トランプ政権による西半球の麻薬密輸業者に対する初の攻撃作戦を展開した。無人機の映像によると、ミサイルが船に命中した後、乗員11人のうち2人が生き残り、海上の残骸に必死にしがみついていた。情報筋によれば、国防長官ヘグセスが口頭で出した「全員殺害しろ」という命令を実行するため、任務責任者である特殊作戦部隊の指揮官が二度目の攻撃を命じ、この2人の生存者を殺害したという。

麻薬密売船は米国に「差し迫った脅威」を与えておらず、トランプ政権が主張するような「米国と交戦する武装組織」でもないことから、元特殊部隊軍法顧問で、現在ジョージタウン大学国家安全保障法センター所長を務めるトッド・ハントリー(Todd Huntley)氏は、真の戦争状態ではない以上、乗員を殺害することは「本質的に殺人である」と断言する。さらに、たとえ米国が密輸業者と交戦していたとしても、抵抗能力のない者を全員殺害するよう命じる行為は、「捕虜を出すなという命令に等しく、戦争法においては戦争罪にあたる」と付け加えた。

トランプ大統領は記者団に対し、この件を調査すると述べ、「私はそのようなことは望まないし、二度目の攻撃は必要ない。最初の攻撃で十分致命的だったはずだ」と語った。また、ヘグセス長官は「全員殺害するようには命じていない」と自分に伝えたとし、「私は彼を100パーセント信じている」と擁護した。 (関連記事: カリブ海で米軍が船舶を爆破 11人死亡 トランプ氏が「麻薬テロリスト」と強調 ベネズエラは米国の挑発と批判 関連記事をもっと読む

2025年11月25日。アメリカのドナルド・トランプ大統領がエアフォースワンで記者と対談。(AP)
2025年11月25日、アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏がエアフォースワン(大統領専用機)で記者と話す。(AP通信)

『ワシントン・ポスト』の報道後、ヘグセス長官はSNSのXに投稿し、「これらの極めて効率的な攻撃は、元々『致死的な運動エネルギー攻撃』として設計されている」と主張。「我々が殺害したすべての密輸業者は、指定されたテロ組織と関係がある」と付け加えた。ヘグセス長官は軍事作戦の「合法性」を強調し、報道を偽ニュースだと強く批判した。

As usual, the fake news is delivering more fabricated, inflammatory, and derogatory reporting to discredit our incredible warriors fighting to protect the homeland.

As we’ve said from the beginning, and in every statement, these highly effective strikes are specifically…

— Secretary of War Pete Hegseth (@SecWar)November 28, 2025
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