トップ ニュース 世界初の個別化遺伝子編集治療 希少疾患の未来に新たな扉を開く
世界初の個別化遺伝子編集治療 希少疾患の未来に新たな扉を開く 個人化された遺伝子医療は単なるスローガンではなく、本当に命を救うことが可能となる。(AIによる描画)
希少疾患の患者にまたひとつ希望が生まれた。米国フィラデルフィア小児病院とペンシルベニア大学は今年(2025年)初め、「CPS1欠乏症」という希少疾患を患う乳児K.J.(英語名のイニシャル)に対し、正しい遺伝子断片を「オーダーメイド」で作り、ナノ粒子を運搬体にしK.J.の遺伝子に異常がある肝細胞へ届けた。1か月に1回、計3回の注射の後、これまでほんの風邪でも脳浮腫や昏睡、生命の危険に陥っていたK.J.は、次第に通常の子どものように成長し、ようやく自分のものとなるべき幸せな幼年期へと歩き出した。
2025年に『ニューイングランド医学雑誌(NEJM)』に掲載されたこの論文は、CPS1欠乏症の乳児K.J.に対して実施された、個別化CRISPR遺伝子編集療法の開発過程、治療方法、安全性モニタリング、初期の治療効果を詳細に記録したものだ。これは世界で初めて、特定個人専用に設計された遺伝子編集治療を人体へ応用し、成功した科学研究報告となった。
遺伝子変異が引き起こすCPS1欠乏症 2024年に生まれたK.J.は両親にとって初めての子であり、当然ながら大きな期待を寄せられていた。しかし誕生直後、医師は両親に告げた。 「K.J.は遺伝子変異により『CPS1欠乏症』という希少疾患を患っています。」
両親はその言葉の意味がまったく分からなかった。「CPS1欠乏症」とは何なのか、その病気が赤ん坊にどんな未来をもたらすのか、想像もつかなかった。そして医師が説明した。「この病気はK.J.が移植手術を受けられる年齢に達し、かつ肝移植が成功する以外に治療法はありません」その瞬間、新米の両親は絶望の淵に立たされた。
台北栄総病院 の遺伝優生科主任・張家銘医師によれば、CPS1欠乏症は遺伝子変異による尿素サイクル障害の代謝疾患で、肝臓にあるCPS1という重要な遺伝子が変異することで起こる。
通常、この遺伝子が指令を出し、肝臓はタンパク質を分解して生じるアンモニアを無害な尿素に変換し、尿として排出する。しかし、K.J.は遺伝子変異のため、このメカニズムが機能しない。アンモニアは体内に「逆流して溜まっていく水」のように蓄積し、肝臓や脳を攻撃。脳浮腫、昏睡、生命の危機を招く。
台北栄総病院の遺伝優生科主任・張家銘医師は、CPS1欠乏症が遺伝子の変異による尿素サイクル障害の代謝疾患であると述べている。(資料映像:Youtube動画より)
個別化された遺伝子治療という希望 したがって、K.J.は生後間もなくから厳しい低タンパク食と薬物療法を受け、かろうじて代謝バランスを保つことが求められた。それでも少しの風邪や下痢でさえ、K.J.の体内のアンモニア値が急上昇し、昏睡状態に陥る可能性もある。そのため、CPS1欠乏症は多くの人を恐怖に陥れるのである。
PS1欠乏症の子どもはみな、ほとんど食べられず、恐れながら生きるしかなかった。個別化CRISPR遺伝子編集療法が人体実験に至るまで、彼らに残された唯一の希望は医師が病状の安定を宣言し、肝臓移植が可能になる日を待つことだけだった。
そんな中、米・フィラデルフィア小児病院とペンシルベニア大学は、前例のないプロジェクトを構想した。それは、CPS1欠乏症の子ども達のために 完全オーダーメイドの遺伝子治療を作ること。そして選ばれたのがK.J.であり、彼らの望みは最新 の遺伝子編集技術CRISPRであった。
張家銘医師によると、医療チームはK.J.の胚性幹細胞を用いて塩基編集(base editing)を行い、肝細胞内の誤った遺伝子を直接修正。さらに、修正済みの幹細胞を脂質ナノ粒子に包み、K.J.の肝臓へ送り届けた。K.J.に由来するこの胚性幹細胞を 使うことで、異体細胞移植による拒絶反応を回避する意図があった。
この療法でK.J.の他にも救われてほしいと願う K.J.は、生涯を通じてこの挑戦を覚悟していたかのようである。今年2月に生後6か月のK.J.に最初の投与を行い、翌月は毎月1回ずつ追加の投与を行った。医療チームは補正を行いながら観察を続けた。これは、副作用を避けるために最小限の投与量から始めるためであった。そして「奇跡」が起こった。K.J.はより多くのタンパク質を摂取できるようになり、アンモニアを下げる薬の量も減少。また、十分なタンパク質を摂取することでK.J.の体力も向上したのだ。
次の試練は日常生活の中にあった。K.J.の両親は、彼が一生無菌室に閉じこもることはできないと考え、彼を他の子どもたちと同じように通常の食事、睡眠を取らせ、週末にはベビーカーで日光浴を楽しませた。
塩基編集(base editing)の概念図。(AIイラスト)
その後、K.J.は不幸にも風邪をひき、胃腸炎を引き起こしたが、治療前であればアンモニアの代謝ができず、昏睡状態に陥っていたであろう。しかし、今回は無事に乗り越えたのである。命を脅かすかもしれない風邪と胃腸炎を、K.J.は他の子ども同様、鼻水や下痢に至ったのちすぐに回復した。
過去のK.J.との差異を目の当たりにし、その姿に両親は涙した。 「これは映画のように美しい奇跡だ。でも、私たちの願いはただ一つ。K.J.が普通の子どものように走って遊べること。それだけなんです。そして願わくば、K.J.が唯一ではなく、最初の一人であってほしい」と。
希少疾患の多くが先天遺伝子変異や遺伝に起因 事実、台湾で報告されている247種の希少疾患・2万2,830人の患者の病因は、その大部分が生まれつきの遺伝子変異や遺伝によるもので、遺伝子が生命の過程で誤作動することによって引き起こされたものである。そして、K.J.に適用された最新の遺伝子編集技術CRISPRは、生まれつき誤った遺伝子が医療手段によって修正される可能性を示している。
もちろん、このような完全に個別化された医療を普及させるには、まだまだ長い道のりがある。医療費が非常に高い上、研究機関の人体実験に参加しなければ、一般家庭ではなかなか手が届かないのが現状である。
たとえば、台湾大学遺伝医学部の胡務亮医師が15年前に開発したAADC(芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症)遺伝子治療は、フィラデルフィア小児病院とペンシルベニア大学が開発した個別化CRISPR遺伝子編集療法とは異なるものの、高い医療費や患者数の少なさという問題を抱えている。そのため、この「台湾の光」とされるAADC遺伝子療法は、欧州でも承認を得たものの、未だ台湾には輸入されていない。
台湾大学遺伝医学部の胡務亮医師が15年前に開発し技術移転したAADC遺伝子治療は、すでに欧州の販売許可を取得しているものの、台湾には特別輸入されていない。(資料映像:YouTube動画より)
張家銘医師によれば、AADC遺伝子療法と個別化CRISPR遺伝子編集療法の違いは、AADC遺伝子療法ではウイルスをキャリアとし、患者に欠けている酵素遺伝子を運ぶ点にある。一方で、CRISPR遺伝子編集療法ではナノ粒子をキャリアとし、修正された肝細胞遺伝子を運んでいる。また、AADC療法は、ウイルスを脳に直接注入する方法であるのに対して、CRISPR遺伝子編集療法では静脈注射で体内に導入し、血液に乗って肝細胞に到達する。
個別化遺伝子医療、もはやスローガンにあらず これまでの薬は、何千万人もの人々のために設計されており、一つの薬が大勢の人々に効果的でなければならなかった。「しかし、CRISPRは患者専用の治療を設計することができるという変化をもたらした。」
今回の事例は、個人化遺伝子医療がもはや単なるスローガンではなく、命を救う可能性があることを証明している。今日すぐに利用できる技術ではないかもしれないが、希望を灯したのだ。将来、K.J.のような子どもたちが移植を待たず、風邪をひくたびに恐れず学校や公園に行き、普通の子どのように過ごせる時代が訪れるかもしれない。K.J.の物語は、医学が一般的な病気のためだけに存在するのではないことを示している。我々は単に病気を治すのではなく、個々の子どもが自分の未来を生きる機会を提供したいと考えているのだ。
これこそが精密医療の真理かもしれない。将来の医学臨床では、「この治療法がどれだけの人に適しているのか」ではなく、「現代医療が目の前の患者に何を提供できるのか」という問いが立てられるだろう。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
張鈞凱コラム:2027年に台湾を武力統一する必要はあるのか 「今こそ、両岸統一を語る際の『時(タイミング)と勢(情勢)』という順番を、『勢と時』に入れ替えてみるべきだ。語順の変化が示すのは、歴史的な大勢が統一の時間的な切迫性を規定するということだ」。最近、北京の重要な対台政策研究者と情勢について意見交換した際、彼が送ってきた一文がこれだ。繰り返し読めば読むほど、「時與勢」から「勢與時」への転換は示唆に富む。客観情勢の......
中国の対日批判続く 台湾の安全保障関係者が「次の動き」を分析 高市早苗首相は11月7日の国会質疑で、「台湾有事」が日本の「存立危機事態」に該当する可能性に言及し、現行の安全保障法制のもと、日本が集団的自衛権を行使できる余地があることを示唆した。これに対し、中国は強い反発を示し、激しい言辞で非難を繰り返した。台湾の安全保障当局が中国政府の一連の対日行動を分析するとともに、日本側から寄せられた情報を総合すると、今回の一件で......
【新新聞】日台AIデータセンター、百億規模の投資が北海道へ 投資チームは同じ顔ぶれ 日本のバブル経済崩壊後、石炭産業で栄えた北海道は大きな打撃を受けた。経済の立て直しに向け、日本政府は北海道でGX(グリーントランスフォーメーション)政策を進めており、台湾企業も泓德エネルギーなどが相次いで再生可能エネルギー施設への投資を行っている。そうした中、北海道・旭川市でAIコンピューティングセンターへの投資を計画し、数千万ドルを調達した新興企業「朋思富......
『エコノミスト』誌が警鐘 中国がEVの次に狙う「自動運転」と「新薬」覇権の衝撃 世界が中国の電気自動車(EV)ダンピングに頭を悩ませている間に、北京のイノベーションエンジンは密かにギアを入れ替えていた。2025年の今日、賑やかな都市の通りから無菌の実験室に至るまで、より深層的な変革が起きている。中国は単に商品を輸出するだけでなく、未来の標準をも輸出しようとしているのだ。もしあなたが、現在増加している中国のテクノロジー覇権を懸念する一......
年間販売No.1弁当が集結 東京駅・グランスタで「TOKYO BENTO EXPO」開催 2025年12月22日から2026年1月31日まで、年間販売実績No.1のお弁当が集結JR東京駅構内のエキナカ商業施設「グランスタ」を運営するJR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーは、2025年12月22日から2026年1月31日までの期間、「TOKYO BENTO EXPO(駅すぽ)」を開催する。今回のイベントは、1年間の販売実績をもとに......
賴清徳氏と高市早苗氏による台湾独立連線、北京の恐怖に!「東アジア危険三角」が形成か 高市早苗首相はこれまで「台湾海峡への武力介入」を示唆する発言を行い、大きな波紋を広げてきた。その後、米国のドナルド・トランプ氏との電話会談を経ても姿勢は緩まず、むしろ「台湾の地位は未確定」との新たな論点を持ち出し、台湾が第二次世界大戦後に中国へ復帰したという認識を認めない立場を示した。中国政府にとって、こうした高市氏の二つの発言は強い警戒を呼ぶ「外部からの圧......
浜崎あゆみ、上海公演中止も「無観客」で完走 ファンへ「心配しないで」発信 歌手の浜崎あゆみは29日、インスタグラムを更新し、中止となった中国・上海公演の会場で「無観客の状態で一曲目からアンコールまで行ってから会場を後にしました」と報告した。浜崎は現地メディアの記事を引用しながら、「会えるはずだった1万4,000人のTAの皆さんに向けて、演者・スタッフ全員で全身全霊で本番と寸分変わらぬ想いをもち、ステージをまっとうさせていただきまし......
トランプ氏、日本に「台湾問題で慎重対応」要請か WSJ報道を官房長官が否定 米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』は26日、「トランプ氏、中国の習近平氏と電話会談後、東京に台湾問題で『トーンダウン』を要請」と題した記事を掲載した。記事は日本政府関係者と米側消息筋の話として、米国のドナルド・トランプ大統領が高市早苗首相との電話会談で、台湾の主権問題について北京を刺激しないよう、遠回しに助言したと伝えた。これに対し、木原稔官......
浜崎あゆみ、上海公演中止も「無観客ライブ」敢行 香港俳優・黄秋生氏「本物のアーティスト」 中国政府が「台湾有事」に対する立場を表明した影響で、最近、多くの日本の芸能人の活動が「不可抗力」の理由で急遽キャンセルされている。その中で、歌手の浜崎あゆみさんの上海コンサートも例外ではなく、予定していた29日の公演は開催前夜にキャンセルが発表された。しかし、浜崎さんはそのまま会場を離れることなく、空席の観客席を前に「観客のいないコンサート」を実施。彼女のこ......
中国人団体客が減少 日本観光を支える「台湾パワー」を専門家が分析 中国の強い反発を招いた高市早苗首相の「台湾有事」発言を受け、中国政府が日本への渡航警戒を発出した影響で、中国からの団体旅行が相次いでキャンセルされ、一部の観光地では急に静けさが戻っている。ただ、インド太平洋戦略の専門家でジャーナリストの矢板明夫氏は、この空白は想像されるほど深刻ではなく、むしろ「おなじみの旅行客」である台湾からの訪日客が、日本の観光業にとって......
非核電源供給の方針転換か? 経済部、核二・核三の再稼働計画を2026年3月に核安全会議へ 国内の電力需要に対する懸念が依然として残っているため、今年の住民投票後、経済部は台湾電力に関連する評価を開始するよう指示した。経済部は今月28日、台湾電力の原子力発電所の現状評価報告を正式に承認したと発表した。これにより、原子力発電所の第1発電所は、重要設備の多くがすでに撤去されており再建が必要であるなど複数の要因によって、再稼働の可能性がないと評価された。......
DENSOとDELPHY、データ駆動型スマート園芸の加速に向け共同開発契約を締結 高精度の収量予測モデルを活用し、安定した計画栽培を実現へデンソー(DENSO CORPORATION)とオランダのDELPHY GROEP BV は、データ駆動型スマート園芸の実現に向け、安定した計画栽培を可能にするシステム開発を加速するため、2025年10月1日に共同開発契約(Joint Development Agreement)を締結した。近年、気候変......
夏珍コラム:台湾人は巨額国防予算に「ノー」と言う権利を持っているのか 台湾が一体いくらの国防予算を支出すべきかは、常に議論の的となってきた。事実として、台湾の年間国防予算はこれまでも決して低くなく、戦闘機や潜水艦などの特殊なニーズがあれば、その都度、特別予算案が組まれてきた。総統が海外メディアに寄稿することも、馬英九氏や蔡英文氏も行っており目新しいことではない。しかし、国防予算案の提出前に、軍の統帥権者である総統が先に海外メデ......
外国人観光客が絶賛!「台湾の文化」に心奪われ、帰国後も恋しくなる理由 近年、AI技術の発展とともに、サンフランシスコ・ベイエリアの住民の間で台湾への旅行関心が高まり、帰国後もその日常の風景を懐かしむ声が増えている。中央社の報道によると、カリフォルニア大学バークレー校の学生サリク・カーン氏は、今年の夏に初めて訪れた東アジアの旅行先として台湾を選び、たとえ他のアジア諸国を訪れる機会があっても、台湾は最も魅力的な国であり、特にコンビ......
デンソー、2026年1月1日付で大規模な組織再編と役員人事を発表 デンソー(DENSO CORPORATION)は2025年11月28日、2026年1月1日付で大規模な組織再編と役員・シニアディレクターの人事異動を実施すると発表した。急速に多様化するモビリティ市場に対応し、戦略機能、技術開発力、システム提案力をさらに強化することが目的としている。今回の組織変更では、電動化と内燃機関を横断したパワートレインシステム事業の強化......
宏福苑での5級火災で94名死亡!改修工事の汚職手がかり露呈 住民の反対を無視 香港大埔宏福苑で発生した火災は、近年で最も深刻な住宅災害の一つとされており、香港政府による最新の統計によると、28日午前6時の時点で94人が死亡し、その中には1名の消防士も含まれている。さらに76人が負傷し、うち11名は消防士だった。犠牲者の家族らは親族や友人の安否確認のため病院や現場を行き来している。今回の火災は、当初の「定例の改修工事」と見られていたが、......
『Christmas Market in 横浜赤レンガ倉庫』過去最大規模で開催中 約12mツリーや61店舗のグルメ・グッズ、無料新エリアも登場横浜赤レンガ倉庫で毎年恒例の「Christmas Market in 横浜赤レンガ倉庫」が、2025年11月21日から12月25日までの35日間開催されている。今年は2010年の初開催から16回目を迎え、「Time」をテーマに過去最大規模で展開。高さ約12メートルの巨大クリスマスツリーや、過去最多と......
浜崎あゆみ上海公演が急きょ中止、本人が公式謝罪 日中関係の緊張が芸能界にも影響か 日中関係が緊張状態にある中、両国の映像・エンターテインメント産業にも深刻な影響を及ぼしている。多くの日本人アーティストの中国での公演が相次いで中止される中、歌手の浜崎あゆみが29日に予定していた上海公演についても、すでにステージが撤去されたとの情報が流れ、本人がこれを認め、公式に謝罪した。関係者によると、浜崎はすでに上海に到着し、29日の公演に向けて積極的に......
香港・宏福苑火災 濃煙を恐れず「一軒一軒」叩き続け、住民の命を救った無名の英雄 香港・宏福苑の大火災が広がった後、死亡者は少なくとも94人に達し、76人が負傷した。その中には、火災現場で負担を強いられた消防士11名も含まれている。これらの冷たい数字の背後には、ひとつのコミュニティが闇の中で必死に生き延びようとした過程がある。事件後、香港のネットユーザーがThreadsにその晩の様子を綴り、大火が発生した時、多くの住民は自分たちが災難に巻......
「海鯤號」海上浮航試験を完了 台湾国際造船、調整後の潜航試験への移行を発表 台湾の潜水艦「海鯤号」は昨日と今日(28日)、連続2日間にわたり海上浮航テストを実施した。台湾国際造船(台船)によると、評価の結果、すべてが予想通りの目標を達成しており、今後は調整と整備を経て、予定通り潜航テストを行う予定だ。契約規定に基づき、海鯤号は11月に引き渡し予定だったが、もし今月末までに納船できなければ、台船は違約金として1日あたり19万台湾ドルの......
インドネシアのスマトラ島で大雨被害、174人死亡・8万人避難 インドネシアのスマトラ島は最近、深刻な山洪と地滑りに見舞われている。28日夜までに現地の救助部門が確認したところ、少なくとも174人が死亡し、さらに59人が行方不明であることが明らかになった。洪水は島の町や村を襲い、数千の建物が浸水および破壊され、8万人以上の住民が緊急に避難している。第一線の救助隊は、川や村の廃墟の中で必死に遺体や生存者を捜索している。国外......
高市首相の「台湾有事」発言に中国反発 人民日報が痛烈批判 高市早苗首相による「台湾有事」発言が北京の反発を招いている。高市氏は国会で「歴代政権の政策に変更はない」「今後、個別の状況についてコメントすることはない」と釈明したものの、中国共産党の機関紙『人民日報』は態度を緩めていない。28日付の署名コラム「仲音」は、高市氏の「九つの過ち」を列挙し、「越線した重大な挑発であり、独断専行すればいずれ自分に跳ね返る」と強く警......
江岷欽の視点:地球で最も危険な場所 「台湾有事」を本気で気にかける国はどこか 「戦争が決めるのは『誰が正しいか』ではなく、『誰が生き残るか』である」(War does not determine who is right -- only who is left.)。─英国の哲学者 バートランド・ラッセル (Bertrand Russell)フランスの思想家レイモン・アロン氏も著書『平和と戦争の間で』の中で、「国際関係に道徳は存在せず、......
香港・宏福苑大火、難燃ネットを「漁網」で代用か 業者のコスト削減疑惑と安全管理の闇 香港・新界の大埔にある住宅団地「宏福苑」で起きた大規模火災では、少なくとも55人が死亡し、74人が負傷、さらに200人超の行方不明者が出る深刻な事態となった。17年ぶりとなる五級火災は、建物自体の安全性の問題にとどまらず、施工業者によるコスト削減や不適切な施工の実態も浮き彫りにした。現場では難燃性を欠くネットが使われていた疑いがあるほか、各戸の窓が発泡スチロ......
香港・宏福苑火災、なぜ炎は止まらなかったのか 外壁ネットと喫煙疑惑 香港・新界の大埔にある住宅団地「宏福苑」で11月26日(水)午後に発生した火災は、発生直後から急速に燃え広がり、香港消防処は最終的に火災等級を最高レベルの「五級」に引き上げた。炎は17時間以上にわたり燃え続け、1996年の嘉利大廈火災、2008年の嘉禾大廈火災に続き、香港で3例目となる五級火災となった。最新の集計では、28日午前6時時点で94人が死亡、76人......
香港・宏福苑大火、なぜ被害は拡大したのか 発泡材と外壁ネットに違反使用の疑い 香港・新界の住宅団地「宏福苑」で発生した大規模火災は、26日午後の出火から瞬く間に全域へ広がり、香港の消防区分で最高レベルにあたる「五級火災」に指定された。火勢は短時間で複数棟をのみ込み、27日午後3時時点で少なくとも55人が死亡、72人が負傷したとされている。重大事故を受け、香港政府と消防処は深夜まで説明を続けた。行政長官の李家超氏は27日未明の会見で、外......