高市首相の「台湾有事」発言に中国反発 人民日報が痛烈批判

2025-11-29 08:44
2025年11月21日、抗議者が首相官邸外で高市早首相の台湾に関する発言に反対するために集まっている。(写真/AP通信提供)
2025年11月21日、抗議者が首相官邸外で高市早首相の台湾に関する発言に反対するために集まっている。(写真/AP通信提供)

高市早苗首相による「台湾有事」発言が北京の反発を招いている。高市氏は国会で「歴代政権の政策に変更はない」「今後、個別の状況についてコメントすることはない」と釈明したものの、中国共産党の機関紙「人民日報」は態度を緩めていない。28日付の署名コラム「仲音」は、高市氏の“九つの過ち”を列挙し、「越線した重大な挑発であり、独断専行すればいずれ自分に跳ね返る」と強く警告した。

高市早苗首相の「台湾有事」発言に対し、中国政府は強い不満を示し、中国外務省は発言の撤回を強く要求したうえで、「これに基づき日中間の交流を調整する」と警告した。それでも高市首相は態度を変えず、「国会で議員から具体的に問われたため答弁したにすぎない」と主張している。

一方、野党は「その後の発言は、事実上これまでの答弁を撤回したものだ」と指摘。しかし日本政府はこの見方を否定し、中国側も「撤回したとする説明は受け入れない」として、問題を矮小化する意図があると反発している。

中国共産党の機関紙「人民日報」が28日に掲載した論評でも、高市首相が国会で台湾問題に踏み込む挑発的な発言を行い、武力介入を示唆したと非難。中国側が繰り返し強く抗議したにもかかわらず、日本側が「誤った発言を撤回しようとしない」と批判し、高市首相に対し「いずれ自らに跳ね返る」と警告したうえで、同氏の「九つの罪状」を列挙した。

一、中国の主権と領土の一体性を深刻に挑発:高市氏の発言は1945年の日本敗戦以来、初めて日本の指導者が公式の場で「台湾有事は日本有事」とし、集団的自衛権と関連付けたものだ。台湾問題において武力介入の意図を示し、中国に対する武力の脅威を放ったもので、中国の主権と領土の完全性に対する重大な挑発である。断固として阻止すべきである。

二、中国の内政に深刻な干渉:『人民日報』は、台湾問題は中国の核心的利益であり、台湾問題の解決と国家統一は中国自らの問題であると述べ、外部勢力の介入を許さない。高市氏の言論は「台湾独立」勢力に誤ったメッセージを送り、一つの中国原則と中日四つの政治文書精神、国際関係の基本原則に著しく反するものである。

三、中国人民と反ファシスト同盟国、及び他国の人民の感情を深く傷つける:『人民日報』は今年が中国人民の抗日戦争および世界反ファシスト戦争の勝利80周年であり、台湾返還80周年でもあることを指摘する。南京大虐殺からマニラ大虐殺に至るまでの日本の侵略戦争は中国とアジアの人民に深い悲劇をもたらし、高市早苗氏の挑発的な発言は歴史、14億の中国人民、および遺憾を表すアジアのみならず世界の人民に受け入れられないと述べている。 (関連記事: トランプ氏と電話会談後、日本の姿勢に変化は?高市首相「台湾有事」は撤回せず、「台湾の法的地位は認定せず」と強調 関連記事をもっと読む

四、軍国主義の復活に深い関与:『人民日報』は、「台湾有事」と集団的自衛権の関連性を主張する高市氏が日本の軍事拡張の口実を探していると批判している。彼女が上台して以来、拡軍政策を進め、さらには「非核三原則」の変更を検討していることを挙げ、侵略戦争の口実とする「存亡危機」の議論と同様に、日本を再び深刻な危機に陥れる可能性を指摘している。

最新ニュース
江岷欽の視点:地球で最も危険な場所 「台湾有事」を本気で気にかける国はどこか
難燃ネットを「漁網」で代用か 香港・宏福苑大火、業者のコスト削減疑惑と安全管理の闇
なぜ炎は止まらなかったのか 香港・宏福苑五級火災、外壁ネットと喫煙疑惑
なぜ被害は拡大したのか 香港・宏福苑大火、発泡材と外壁ネットに違反使用の疑い
Nothingがブラックフライデーセールを公式サイトとAmazonで開催 人気製品が最大40%オフに
香港で過去63年最悪の高層火災》宏福苑7棟が「火の滝」と化し垂直生活の避難網が崩壊、数百人不明で責任追及が焦点に
イタリア、「フェミサイド」を独立した犯罪に、終身刑導入へ 党派を超えた異例の協力で成立、男性優位主義の抑制目指す
論評:NVIDIAの黄仁勳氏、米政府に「H200」輸出認可を要請 中国は慎重姿勢を崩さず
感謝祭前夜、ホワイトハウス付近で銃声 州兵が待ち伏せされ重体 トランプ氏は「テロ攻撃」と激怒、移民局はアフガニスタン人の申請手続きを停止
「台湾有事」発言で日中関係がスパイラル悪化 高市首相に迫る試練 安倍流「密使外交」で習近平氏と関係修復なるか
習近平氏、トランプ氏に「台湾は戦後に中国へ返還された」と再び主張 台湾陸委会は「歴史文書の歪曲」と批判
林佳龍氏「日台の理念は近い」と発言 中国・国台弁が批判、外交部は「口出しする権利はない」と反論
ADKマーケティング・ソリューションズ、「エンタメ総合調査レポート2025」を発表
ADKマーケティング・ソリューションズ、「ADK生活者総合調査2025」より『今どきシニアの最新調査結果2025』を発表
トランプ氏、習近平氏との電話会談後に日本へ要請 台湾問題の「トーンを和らげる」よう求めたか
台湾・頼清徳総統「中国最大の脅威は『武力』ではなく『屈服』」 台湾が「国家安保2大行動計画」を発表
Rapidus、総投資7兆円で1.4ナノへ 日本半導体復興の成否を賭けた2029年
大相撲・九州場所優勝 ウクライナ出身21歳・安青錦新大が横綱・豊昇龍を撃破、史上初の快挙
香港・大埔の公営住宅で大火災、44人死亡 「竹製足場」が延焼要因の可能性、施工会社幹部3人を拘束
米国、台湾に巨額投資と「米技術者育成」要求 20%関税を巡る交渉の全容
国際動向》Google製TPUはNVIDIA GPUの「最大10分の1価格」 大口顧客が相次ぎ採用、それでもフアンCEOはなぜ動じないのか
論評:台湾で再燃「中国籍配偶者の参政権」論争 野党の法改正構想に民進党が警戒感
台湾民衆党・黄国昌主席が訪日 維新、立民、国民民主らと相次ぎ会談 SNS戦略や地方組織づくりを共有
習近平氏「台湾の中国回帰は戦後秩序の一部」 台湾・陸委会が強く反論「一度も中国の一部ではない」
舞台裏》台湾・国民党が「親中路線」へ急旋回 鄭麗文新主席の下で支持率上昇、一方で盧秀燕市長は失速
トランプ氏と電話会談後、日本の姿勢に変化は?高市首相「台湾有事」は撤回せず、「台湾の法的地位は認定せず」と強調
米中首脳が電話会談 台湾総統府「台湾は中華人民共和国に属さない」明言
台湾問題を巡る日米中の緊張 高市首相とトランプ氏通話が示す2つのシナリオ
第63回ミス・インターナショナル2025、11月27日開幕へ 世界80の代表が「真の美」競う
TSMC、元幹部を正式提訴 インテル転職で「営業秘密流出の恐れ」
頼清徳総統、トランプ氏に謝意 米紙で「史上最大の国防投資」宣言 GDP比5%へ、「台湾版アイアンドーム」も加速
論評:「台湾回帰」は戦後秩序の一部 中国が語り始めた新たな国際法戦
舞台裏》民進党が最も警戒する男・韓国瑜 2028年総統選出馬観測が国民党内で再燃
台湾野党・民衆党の黄国昌主席が訪日 自民・古屋圭司氏、高市首相と面会
舞台裏》台湾・2028年総統選を前に主役交代か 国民党・盧秀燕氏後退、韓国瑜氏が再浮上
TSMC米アリゾナ工場、利益99%減の衝撃 「ガス停止」事故が原因か
舞台裏》中国、台湾立法委員・沈伯洋氏を「国家分裂罪」で立件 インフルエンサー2人に懸賞通告、「一国一治」始動か
トランプ氏、NVIDIAの対中H200輸出解禁を検討 米商務長官が明言「決断は大統領の机上に」 米中「AI冷戦」に転機か
Nothing、Android 16対応「Nothing OS 4.0」正式配信 生成AI機能とGlyph強化で操作性を大幅刷新
大谷翔平選手がWBC出場を正式表明 「日本を代表して再びプレーできることを嬉しく思います」
ファミリーマート、「おいしさ、新次元へ。」キャンペーン好調 大谷翔平選手の活躍と連動し、おむすび売上が前年比140%に 新商品2種類も発売
小泉防衛相、与那国島視察 中国は日清戦争ゆかりの地で実弾演習
米中首脳電話会談で浮き彫りになった「温度差」 習近平は台湾を連呼、トランプは大豆とフェンタニのみ
習近平氏「台湾回帰は戦後秩序の一部」 台湾・卓栄泰行政院長「2300万人に『回帰』の選択肢はない」と反論
高市首相、トランプ大統領と電話会談 「台湾有事」は協議されたのか