ADKマーケティング・ソリューションズ、「エンタメ総合調査レポート2025」を発表

動画プラットフォームの“ファン”実態を可視化

ADKマーケティング・ソリューションズ（ADK MS）は、エンターテインメント領域におけるユーザーの動向と実態を分析した「エンタメ総合調査レポート2025」を公開した。今回の調査では、国内で存在感を強める動画プラットフォームに着目し、視聴トレンドやファン形成の構造を詳細にまとめた。

同社によると、国内のエンタメ市場は近年拡大を続けており、映像コンテンツと情報サービスが市場の大部分を占めている。日常的な利用率ではデジタル・リアルを問わず「映画（館）」がトップとなり、依然として強い支持を集めていることがわかった。調査結果では、エンタメコンテンツの中で映画、ドラマ／バラエティー、アニメといった動画系ジャンルが特に人気で、ユーザーを最も惹きつけているのは「動画」であることが示された。

また、動画視聴スタイルに関しては、全世代で「じっくり・集中して一気見」する傾向が強く、視聴時間帯は21時〜22時台が多い。倍速視聴や“ながら視聴”よりも、時間をかけて視聴するスタイルが主流となっていることが明らかになった。動画ジャンル別では「音楽・ライブ」が視聴経験、好意、ファン意識のいずれも最高値を示し、オーディション系リアリティショーが特に多くのファンを獲得している要因として、視聴者参加型要素やSNSでのコミュニティ形成、出演者の背景（ストーリー）への没入が挙げられている。

調査の第2部では、ADK MSが独自に開発したファン分析メソッド「グロースカーブ」「X-PACK」を用いて動画プラットフォームのファン構造を可視化した。分析では、ファン自認率が5％を超えた段階からメイン利用率が加速的に伸びる“成長点”が観測され、プラットフォームの成長には「早期のファン育成」が重要であると結論付けた。また、主要動画プラットフォームのファン層は、休日・余暇に「じっくり」視聴する傾向がより強まることも確認された。

第3部のクラスター分析では、エンタメユーザーの価値観や行動傾向をもとに「7つのニーズ」を抽出し、それらを組み合わせる形で“推し活エンジョイ層”“刺激コンシャス層”など6つのユーザークラスターを構築。分析から、エンタメ消費は「みんなと楽しむ」傾向が強く、選択時には“自分の好きなジャンルかどうか”が最も重視されることが示された。若年層は推しを中心とした共感・共有スタイル、中高年層は笑いや癒し、感動を求める傾向が強いとしている。

ADK MSは、本レポートを通じて「ファングロースパートナー」としてクライアント企業の持続的な成長支援を継続していく考えだとしている。