舞台裏》民進党が最も警戒する男・韓国瑜 2028年総統選出馬観測が国民党内で再燃

2025-11-26 15:59
立法院長の韓國瑜氏(写真)は、最近の一連の発言が注目を集め、2028年総統選の有力候補の一人として再び名前が挙がっている。(写真/柯承惠撮影)

台湾・国民党の新たなトップに鄭麗文氏が11月1日に就任し、党務人事も次々と明らかになっている。なかでも注目を集めているのは、党の対中政策がどのように転換するのかという点だ。就任直後、鄭麗文氏が台北市・馬場町で「共産スパイ」とされる呉石を追悼したことが議論を呼び、党内からも歴史認識や対中姿勢をめぐる懸念が示されている。こうした動きは2026年の地方選にとどまらず、2028年の総統選にも影響しかねない。

当初、党内の大方の見方は「盧秀燕氏を軸にした2028年総統選」という構図だった。しかし、党主席選後は情勢が変わった。鄭麗文氏の登場で党内の力学が揺らいだことに加え、台中市で発生したアフリカ豚熱をめぐり、盧秀燕市長の行政能力に疑問が生じている。さらに、退任した朱立倫氏も自ら事務所を立ち上げ、次期総統選への布石を打ち始めたものの、誰が候補となるのかは依然不透明だ。

そのなかで存在感を増しているのが、立法院長の韓國瑜氏である。10月10日の国慶節演説では賴清德政権を強く批判し、会場から大きな支持を得た。さらに氏は短編動画の中で「老牛自知夕陽晚、不待揚鞭自奮蹄」と記し、注目を集めた。

この中国語表現は「年老いた牛が日暮れの近さを悟り、鞭を打たれずとも自ら歩みを速める」という寓意を持つ。晩年に差しかかった自分を年老いた牛になぞらえ、「残された時間で自ら奮い立ち、全力を尽くす」という意味合いが込められていると受け止められ、2028年総統選に向けた意欲を示したのではないかとの観測が広がった。

台中市長卢秀燕(左)与国民党主席当选人卢秀燕(左)。(资料照,郑丽文脸书)
鄭麗文氏(右)が台頭する前、党内では次期総統選に向け「盧秀燕氏を推す」声が大勢を占めていた。(写真/鄭麗文撮影)

韓國瑜氏が引用した「年老いた牛」の句とは何か

この句は過去にも一部メディアや国民党議員のSNSに登場したが、韓國瑜氏が立法院長に就任した当初、党内では「次の共主(党の象徴的な指導者)は盧秀燕氏」という見方が強く、大きな話題にはならなかった。

立法委員の洪孟凱氏は2024年5月、自身のFacebookで、韓國瑜院長室に掲げられた「老牛自知夕陽晚、不待揚鞭自奮蹄」(老いた牛が日暮れを悟り、鞭を打たれずとも自ら歩みを速める)の書について触れ、老いを自覚しつつ他者に急かされずとも職責を果たすという姿勢を示したものだと説明していた。

立法院も当時、公式リリースを出しており、韓國瑜氏が台湾の著名書家・張炳煌氏に依頼して応接室に同じ句を揮毫してもらったと発表している。老牛が日暮れを悟り、それでもなお自ら前へ進もうとする寓意を、立法院長としての決意に重ねたとされる。 (関連記事: 舞台裏》台湾・2028年総統選を前に主役交代か 国民党・盧秀燕氏後退、韓国瑜氏が再浮上 関連記事をもっと読む

韓氏はこの句を特に気に入り、書道番組に出演する際、デジタル時代の書道界を牽引する張炳煌氏に助言を求めたという。氏は同番組に合わせて張炳煌氏に再び揮毫を依頼。張氏は「自分の字は高価だ」と冗談を交えつつも応じ、最終的には異なる書体で三種類の作品を仕上げた。それらは院長室、応接室、公邸にそれぞれ掲げられ、韓國瑜氏が日々目にできるように配置されている。氏がFacebookで公開した動画に映っているのは、院長室に掛けられた行書体の作品である。

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