トップ ニュース 台湾・頼清徳総統「中国最大の脅威は『武力』ではなく『屈服』」 台湾が「国家安保2大行動計画」を発表
台湾・頼清徳総統「中国最大の脅威は『武力』ではなく『屈服』」 台湾が「国家安保2大行動計画」を発表 賴清德総統は26日、「民主台湾を守る国家安全行動計画」に関する国家安全保障高官会議後の記者会見を開いた。(写真/顏麟宇氏撮影)
台湾の頼清徳総統は26日、「民主台湾を守る国家安全行動計画」に関する記者会見を開き、中国当局が近ごろ「民主台湾」を「中国台湾」に変えようとしている一連の動きが、台湾の国家安全と自由・民主主義体制に深刻な脅威をもたらしていると指摘した。その上で、十分な検討を経て、「民主台湾の国家安全を守る二つの行動計画」を具体的な対応策として策定したと明らかにした。
頼総統は、中国による台湾およびインド太平洋地域への脅威が増大しているとした上で、最近では日本、フィリピン、台湾海峡周辺において、各種の軍事的威圧、海上でのグレーゾーン行動、偽情報を用いた認知戦など、複合的な脅威が絶えず発生しており、台湾を含む地域各国に深い不安と混乱をもたらしていると述べた。
さらに、北京当局は2027年の「武力による統一 」を目標に、台湾侵攻のための軍事的準備を加速させており、台湾周辺での軍事演習やグレーゾーン型の威圧行動を継続的に強化し、「武力による統一」「武力による降伏」を迫り、台湾の併合を企図していると強調した。頼総統は、軍事力にとどまらず、中国は法律戦、心理戦、世論戦を強化し、台湾の主権を国際社会において消し去ろうとしていると批判した。さらに「反独促統」や「トランスナショナル・リプレッション(越境弾圧)」を通じて、中華民国政府の統治権を徐々に侵食し、あたかも台湾を実質的に「統治」しているかのような虚構を作り出そうとしていると述べた。
頼総統は、中国が台湾内部においても統一戦線工作や浸透、分断を強化し、国民の国家認識を混乱させ、台湾社会の団結を弱体化させることで、「一国二制度・台湾方案」や「愛国者による統治」という目標を押し付けようとしていると非難した。こうした一連の動きは、自由で繁栄し国際社会で存在感を示してきた「民主台湾」を、権威主義的な「中国台湾」に押し込め、台湾を併合し、インド太平洋地域を支配・掌握しようとする野心にほかならないと語った。
これまでに例を見ない厳しい情勢に直面する中で、国家安全チームは二つの行動計画を策定し、切迫する安全保障上の脅威に全面的に対応していくとした。第一の行動計画は「国家主権を断固として守り、民主防衛体制を全面的に構築する」である。
そのため、国連総会決議2758号を歪曲し、第二次世界大戦に関する歴史文書を用いて史実を改ざんし、台湾を中華人民共和国の一部と主張する中国の試みに断固反対すると表明した。また、中国が「武力による統一 」に向けた軍事準備を進める一方で、国際社会や両岸関係、各分野において「偽りの平和」を掲げた「強制統一」を加速させていることに対し強い警戒感を示し、台湾を中国の支配下に組み込もうとする企図に対抗していくと訴えた。
頼総統は、国家安全に妥協の余地はなく、主権と自由・民主主義という中核的価値こそが建国の基盤であり、イデオロギーの争いでもなければ「統一か独立か」という議論でもないと述べた。これは「民主台湾」を守り「中国台湾」になることを拒む戦いであり、台湾人民の共通の立場であると強調した。
その上で、主権を守り、強固な民主防衛体制を築くための具体策として、まず国家安全チームが関係機関と常設の特別作業チームを立ち上げ、「『民主台湾』対『中国台湾』」を軸に行動計画を策定し、国際・国内での戦略的コミュニケーション、歴史認識の発信、法律戦への対抗など多角的手段を用い、社会全体および友好国と連携して「民主台湾」を守り、現状を断固として維持する意志を世界に示すとした。北京による中華民国の主権抹殺や台湾人の自由剥奪など、現状破壊的な覇権行為に対して全面的に反撃すると述べた。
第二に、事実と真実こそが民主国家の社会的信頼と国家認識を支える基盤だとし、行政院は主要政策や選挙期間中における中国の介入や影響を評価し、正確な情報の流通と事実の公開を通じて、中国による内政干渉や「強制統一」への警戒意識を高め、社会の結束と国家意識の強化を図るとした。
第三に、今年3月に公表・実施された中国の統戦浸透および国家安全危機に対処する17項目の戦略は一定の成果を上げており、政府は引き続き実施を徹底し、「国家安全十法」の立法および関連する行政措置を加速して国家安全の強化に取り組むとした。
第四に、中国による台湾人への越境弾圧に対応するため、行政院は国家安全会議と連携して、被害者の通報・連絡・保護体制の構築、友好国および国際機関との戦略的対話の強化、国境を越えた協力体制の確立による潜在被害者の保護、法制度の整備など、具体的かつ実効性のある対抗措置を講じるとした。中国の越境弾圧に協力し、国家および国民に損害を与える国内協力者に対しては、厳罰で臨むと明言した。
第五に、長年にわたる世論調査が、一貫して中国が提示する「一国二制度・台湾方案」に対し台湾国民が圧倒的に反対していることを示しているとし、政府の政策宣言、立法院決議、政党および市民団体の共同の取り組みにより、「一国二制度・台湾方案」が台湾社会における越えてはならない一線であることを確立すると述べた。その上で、政党、法人団体、民間組織などと中国との交流や政治対話については、制度的な規範を設け、民主的統治と透明性の原則に基づき、中国が台湾内部の対立を利用して「強制統一」を進めることを防ぐとした。
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頼総統が示した第二の行動計画は、「国防力を強化し、国防関連産業を全方位で構築する」ことである。頼総統は、平和は実力によって守られるものであり、「国防への投資は安全と平和への投資である」と強調した。中国の軍事的脅威と覇権主義の高まりに直面する中、日本、韓国、フィリピン、豪州などインド太平洋地域の民主国家は、「島嶼線防衛」「責任分担」という共通認識を形成しつつあり、防衛投資を拡大し、中国の脅威への対応を強化していると述べた。
台湾は第一列島線における最重要かつ最前線に位置しており、地域安全保障の「空白地帯」となることは許されない。自律的防衛と連合抑止を柱に、国防力を急速に強化し、脅威に対応する必要があるとした。そのため、「拒止」「強靱性」「スマート化」の三つの戦略の下、三段階の目標を掲げた。
第一段階は2027年までに統合作戦部隊の高い即応能力を実現し、中国の脅威を有効に抑止すること。第二段階は2033年までに高度かつ強靱で全面的な抑止力を備えた防衛力を構築すること。最終目標は、「民主台湾」を永続的に守ることのできる国防力を確立することである。
具体策として、第一に世界的な防衛動向に応じて国防予算を段階的に拡大し、2026年度にはNATO基準に基づきGDP比3%を超え、2030年までに5%に引き上げる方針を示した。第二に、将来の戦争形態に対応するため、「防衛強靱性および非対称戦力強化特別条例」と関連予算を策定し、2026~2033年の8年間で1兆2500億元を投じる計画である。
この計画には、「台湾の盾」の構築、階層化防空システムの整備、高度な感知・迎撃能力の確立、AIを活用した高効率の指揮統制と精密打撃体制の構築、国防自主の推進と防衛産業の育成など、三つの特徴を持つ先進的防衛体制の整備が含まれる。
第三に、行政院は特別条例案を立法院に提出し、財政部および主計総処が財源の確保と財務管理を適切に行い、他の予算を圧迫しないよう調整するとした。第四に、新技術の導入と迅速な更新に対応するため、国防部は装備調達メカニズムを全面的に見直し、取得の迅速化と建軍の加速を図り、不正防止と遅延防止を徹底する。第五に、先進装備の導入と非対称戦力・防衛強靱性の構築と並行して、兵力構成の最適化、新式訓練、戦術、後方支援改革などを総合的に推進する。
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