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論評:台湾で再燃「中国籍配偶者の参政権」論争 野党の法改正構想に民進党が警戒感 民進党の立法委員で「認知戦」担当とされる沈伯洋氏は、中国籍配偶者の参政権を認める国民党の法改正案を「緊急事態」と批判した。(写真/柯承惠撮影)
台湾・藍白(国民党・民衆党)が共同で法改正を進めようとする中、「中国籍配偶者の参政権」が再び焦点となっている。これについて、民進党の 「認知戦指揮官」を担うとされる立法委員・沈伯洋は、 フェイスブックへの投稿で日本語の「緊急事態」という言葉を用いた。沈伯洋の認知ロジックは常人とは異なるため、あえて論争する必要はないが、彼が論拠として用いる事実は、常に現実とかけ離れている。沈伯洋個人の「緊急」はそれとしても、偏にその「緊急」が民進党全体の思考を混乱させている点は看過できない。民進党の混乱もそれとしても、真の「緊急事態」とはその混乱そのものであり、台湾がようやく勝ち取ってきた法治と人権を深刻に損なっている。
「中国籍配偶者 の参政権」はそもそも問題ではない。「中国籍配偶者 」とは、両岸の交流開放の中で生まれた存在であり、男女を問わず台湾に婚姻を通じて移住したとしても、台湾人としての身分を取得するのは容易ではない。両岸人民関係条例によれば、陸配が台湾で立候補登録を行うためには、「戸籍を10年設ける」ことが必要であり、戸籍取得に至る前に、少なくとも6年間の居留期間を経なければならない。すなわち、陸配が選挙に立候補するための基本条件は、6年で公民権(投票権)を取得し、16年で参政権(立候補資格)を取得することであり、この年限は短縮されることはなく、延びることはあっても短くなることはない。すでにこの条件自体が決して低くないハードルとなっている。
中国籍配偶者は法律上「立候補はできるが就任できない」 一体どこの国の法体系なのか 台湾で両岸交流が解禁されてから38年、中国から台湾へ移住した配偶者は約40万人とされる。その中で地方選挙に立候補し、実際に当選した例はごくわずかだ。南投県議会の元議員・史雪燕氏が任期終了から2年後に突然解職された事例が知られるほか、現在確認されている中国出身の村里長は全台湾で5人のみ。花蓮県の鄧姓村里長は解職処分に対し不服申立てが認められ、原処分が取り消された。しかし台湾内政部は、2023年5月に行政院が出した行政通達を根拠に次のように主張している。
「中国大陸の国籍を持つ者は台湾国籍を有していないため、台湾の国民となった後に公職に就く場合は、国籍法に基づき『二重国籍を禁止』する規定に従わなければならない」。 この方針に基づき、内政部は昨年11月以降、地方政府に対して村里長の職解任を繰り返し要請。対応しない自治体については今年5月、関連資料を監察院に送付して審査を求めた。
まず第一に、村長が「公職」に該当するのかは法律上なお議論の余地がある。村里長は地方制度法に基づく選挙で選ばれるが、民意代表ではなく、給与ではなく「事務費」が支給されるだけで公務員の身分も持たない。任期の制限すらなく、住民の支持があれば何期でも続けられる。公務員との接点といえば、汚職や買収で逮捕された場合に、貪汚治罪条例や公職選挙罷免法により刑罰が加重される点くらいだ。村里長は行政の末端を支える重要な存在だが、性格としては住民サービスに近く、封建時代の「保甲」に似た位置づけと言える。このような無給で編制にも属さない立場に対し、内政部が監察院を通じて地方政府に解職を迫るのは、まさに「大砲で雀を撃つ」ようなもので、まして現在の監察院(民進党寄りとされる)への信頼が揺らぐ中で、説得力は乏しい。
第二に、内政部と大陸委員会の説明によれば、両岸人民関係条例は中国出身配偶者に「立候補の資格」を認める一方、当選後の就任については国籍法に従う必要があるという。つまり「立候補はできるが、当選しても就任できない」という矛盾した状況が生じている。こんな法体系がどこにあるのか。これはもはや「法に基づく行政」ではなく、特定の政治判断に合わせた運用改変に近い。大統領や行政院長の意向を「聖旨」のように扱い、行政通達一つで法解釈を転換し、長年保障されてきた中国出身配偶者の権利を断ち切るのは、民主国家の行政とは到底言い難い。
大陸委員会(陸委会)副主任委員の梁文傑氏は、両岸人民関係条例は中国籍配偶者に「立候補の権利」しか認めていないと説明した。(写真/楊騰凱撮影)
中国籍配偶者を敵視する発想が招く危うさ 苛政は虎よりも猛し 第三に、行政通達とはあくまで法令を補足的に説明する性格の文書であり、法そのものを改変する権限はない。台湾と中国の関係は「国家統一前」という憲法上の特別な枠組みに基づいており、馬英九氏の言葉を借りれば「互いに主権を承認せず、統治権を否定しない」関係だ。陳水扁政権が掲げた「一辺一国」論も、憲法の枠組みや両岸条例そのものを変えなかった。蔡英文政権も「憲法に基づき両岸を扱う」と繰り返し述べてきた。30年以上積み重ねられてきた法律上の権利を、賴清德政権の政治判断だけで行政通達により奪うのは、まさに法秩序の根幹を揺るがす行為にほかならない。
第四に、両岸の特殊関係下では「国籍の放棄・抹消」という制度が存在していない。双方とも、実務上は「一方の戸籍を取得すれば、他方の戸籍が失効する」という運用にとどまる。村里長に当選した中国出身配偶者の中には、台湾に来てすでに30年近くが経ち、台湾の身分証取得時に「中国戸籍の抹消証明」を提出している人もいる。多くはすでに中国戸籍を持たず、中国の身分証や旅券もない。中国へ行く際は台胞証を使い、台湾出入境では中華民国旅券を使う。こうした人々に「中国国籍の放棄証明」を求めるのは現実的に不可能だ。出版関係者の富察氏が中国から出国できず拘束された事例が記憶に新しいが、同じリスクを中国出身配偶者に負わせることになる。国家が率先して“危険”へ追い込むような政策は、まさに「苛政は虎よりも猛し」である。
さらに問題なのは、民進党の一部が中国出身配偶者を「敵国勢力」と同一視し、レッテル貼りを行っている点だ。沈伯洋氏は「中国国籍を保有する者を国家の中心部に入れることは自殺行為だ」と主張した。だが村里長に立候補する中国出身配偶者は、台湾で十数年、数十年暮らし、納税し、義務を果たし、子どもは兵役にも服する。これまで最高位でも県議会議員が一人、村里長は片手で数えるほどで、「核心権力」に入り込む余地などない。沈氏の問題意識が特定の人物(民衆党立法委員の李貞秀氏)に向けられているとの見方まで出ている。沈氏が求める「国安調査の徹底」自体は否定されるものではないが、ならば本人や周辺の資金も同様に調査対象とすべきだろう。
中国籍配偶者を政治利用し、差別を煽る民進党こそ「政治的自殺」 国民党と民衆党による国籍法改正案は、沈氏が言うような「中国国籍のまま政治参加を全面開放」するものではない。両岸条例の枠組みで台湾国民としての身分を取得した中国出身配偶者に対し、既に存在する権利を明確に保障しようというもので、大量当選を可能にするような仕組みでもない。
元立法委員の林濁水氏は、国籍放棄が実務上不可能な点を踏まえ「移民署で身分証明書を提出し、台湾への忠誠を宣誓する案」を提示した。これは国民党側の「忠誠宣誓」と内容的に近い。新規に台湾国籍を取得する人には対応可能だが、来台から数十年が経つ人々は、そもそも中国の身分証明を保持していない場合が多い。いずれにせよ、林氏は「問題解決のための方法を探るべき」と内政部に提起している。
国籍法改正を「野党の政治的冒険」と断じる声もある。しかし中国出身配偶者はすでに40万人、その家族を含めれば100万人以上が台湾社会の一部を構成する。彼らを政治的動員のために敵視し続ける政権が、どうして社会の団結や幅広い支持を得られるだろうか。特定の少数集団への不当な扱いに依存して政治基盤を固める──これこそ、台湾の民主主義にとって最大の「緊急事態」である。
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