感謝祭前夜、ホワイトハウス付近で銃声 州兵が待ち伏せされ重体 トランプ氏は「テロ攻撃」と激怒、移民局はアフガニスタン人の申請手続きを停止

2025-11-28 10:35
2025年11月26日。国民兵がワシントン国会議事堂前のナショナル・モールでパトロールする。(写真/AP通信提供)
2025年11月26日。国民兵がワシントン国会議事堂前のナショナル・モールでパトロールする。(写真/AP通信提供)
目次

米国の首都ワシントンD.C.で26日午後、再び銃撃事件が起きた。ホワイトハウスから数ブロック離れた場所で、州兵(ナショナルガード)隊員2人が男に銃撃され、いずれも重体となっている。警察は「標的を定めた攻撃だった」と説明し、容疑者は単独で行動していたとみられる。男は現場で制圧され、そのまま逮捕された。

ワシントン・ポストによると、容疑者はアフガニスタン出身の29歳の男で、2021年に米国へ入国し、かつてワシントン州に居住していた。名前は「ラフマヌラ・ラカンワル(Rahmanullah Lakanwal)」とみられる。銃撃後、容疑者自身も負傷したが、誰の銃弾によるものかは明らかになっていない。当局は身柄を拘束したものの、犯行の動機についてはコメントしていない。

ドナルド・トランプ米大統領は夜のテレビ演説で、この事件を「テロ行為」と断じ、容疑者は「極めて重い代償を払うことになる」と述べた。

銃撃現場はホワイトハウス近く

銃撃が発生したのは現地時間の午後2時15分ごろ。ホワイトハウスから数ブロックの距離にあるファラガット広場(Farragut Square)で、市中心部の観光エリアとあって、多くの通行人が恐怖に包まれた。

看護師のステイシー・ウォルターズ氏は、当時Uberに乗車していた際に突然銃声を聞いたという。ニューヨーク・タイムズの取材に対し、警察官が車に近づき、運転手に「引き返してください」と指示したと語った。ウォルターズ氏は「泣きそうでした。こんな至近距離でこんな出来事に遭うなんて思ってもいませんでした。それも祝日期間中に」と振り返った。

容疑者はアフガニスタン難民として入国

米国国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官によると、容疑者は2021年9月、「オペレーション・アライズ・ウェルカム(Operation Allies Welcome)」と呼ばれる計画を通じて米国に入国したという。これは、タリバンによるアフガニスタン制圧を受けて国外へ避難した人々の受け入れを目的とした制度である。

ニューヨーク・タイムズによれば、この計画は特定のアフガニスタン国民に米国内で最長2年間の滞在を認めるもので、永住へつながる制度ではない。米国に合法的にとどまるには、亡命申請など別の手続きを取る必要があるという。

負傷した隊員たち

負傷した州兵隊員2人はウェストバージニア州出身で、トランプ氏が「首都の犯罪は緊急事態にある」と主張し打ち出した治安対策の一環として、ワシントンに派遣されていた。

米CNNによると、トランプ氏はこれまでに計2,000人の州兵を首都に投入しているが、連邦地裁の裁判官は先に、こうした派遣は違法だと判断し、部隊の撤収を命じたという。トランプ政権はこの決定を不服として控訴し、駐留継続のため緊急差し止め命令も申請している。

2025年11月26日。国民警備隊がワシントン議事堂前の国家広場を巡回。(AP)
2025年11月26日。国民警備隊がワシントン議事堂前の国家広場を巡回。(写真/AP通信提供)

関係者によれば、州兵らは市中心部の繁華街を巡回していた際に待ち伏せ攻撃を受けた。事件発生時は日中で、周囲には多くの観光客や連邦政府の職員がいたという。

最新ニュース
男性優位主義を抑止、「女性嫌悪に基づく殺人罪」が正式法制化!イタリアで異例の超党派合意、加害者には最長で終身刑も
NVIDIAの黄仁勳氏、米政府にH200チップ輸出を働きかけ:中国、受け入れに慎重か
「台湾有事」発言で日中関係がスパイラル悪化 高市首相に迫る試練 安倍流「密使外交」で習近平氏と関係修復なるか
習近平氏、トランプ氏に「台湾は戦後に中国へ返還された」と再び主張 台湾陸委会は「歴史文書の歪曲」と批判
林佳龍氏「日台の理念は近い」と発言 中国・国台弁が批判、外交部は「口出しする権利はない」と反論
ADKマーケティング・ソリューションズ、「エンタメ総合調査レポート2025」を発表
ADKマーケティング・ソリューションズ、「ADK生活者総合調査2025」より『今どきシニアの最新調査結果2025』を発表
トランプ氏、習近平氏との電話会談後に日本へ要請 台湾問題の「トーンを和らげる」よう求めたか
台湾・頼清徳総統「中国最大の脅威は『武力』ではなく『屈服』」 台湾が「国家安保2大行動計画」を発表
Rapidus、総投資7兆円で1.4ナノへ 日本半導体復興の成否を賭けた2029年
大相撲・九州場所優勝 ウクライナ出身21歳・安青錦新大が横綱・豊昇龍を撃破、史上初の快挙
香港・大埔の公営住宅で大火災、44人死亡 「竹製足場」が延焼要因の可能性、施工会社幹部3人を拘束
米国、台湾に巨額投資と「米技術者育成」要求 20%関税を巡る交渉の全容
国際動向》Google製TPUはNVIDIA GPUの「最大10分の1価格」 大口顧客が相次ぎ採用、それでもフアンCEOはなぜ動じないのか
論評:台湾で再燃「中国籍配偶者の参政権」論争 野党の法改正構想に民進党が警戒感
台湾民衆党・黄国昌主席が訪日 維新、立民、国民民主らと相次ぎ会談 SNS戦略や地方組織づくりを共有
習近平氏「台湾の中国回帰は戦後秩序の一部」 台湾・陸委会が強く反論「一度も中国の一部ではない」
舞台裏》台湾・国民党が「親中路線」へ急旋回 鄭麗文新主席の下で支持率上昇、一方で盧秀燕市長は失速
トランプ氏と電話会談後、日本の姿勢に変化は?高市首相「台湾有事」は撤回せず、「台湾の法的地位は認定せず」と強調
米中首脳が電話会談 台湾総統府「台湾は中華人民共和国に属さない」明言
台湾問題を巡る日米中の緊張 高市首相とトランプ氏通話が示す2つのシナリオ
第63回ミス・インターナショナル2025、11月27日開幕へ 世界80の代表が「真の美」競う
TSMC、元幹部を正式提訴 インテル転職で「営業秘密流出の恐れ」
頼清徳総統、トランプ氏に謝意 米紙で「史上最大の国防投資」宣言 GDP比5%へ、「台湾版アイアンドーム」も加速
論評:「台湾回帰」は戦後秩序の一部 中国が語り始めた新たな国際法戦
舞台裏》民進党が最も警戒する男・韓国瑜 2028年総統選出馬観測が国民党内で再燃
台湾野党・民衆党の黄国昌主席が訪日 自民・古屋圭司氏、高市首相と面会
舞台裏》台湾・2028年総統選を前に主役交代か 国民党・盧秀燕氏後退、韓国瑜氏が再浮上
TSMC米アリゾナ工場、利益99%減の衝撃 「ガス停止」事故が原因か
舞台裏》中国、台湾立法委員・沈伯洋氏を「国家分裂罪」で立件 インフルエンサー2人に懸賞通告、「一国一治」始動か
トランプ氏、NVIDIAの対中H200輸出解禁を検討 米商務長官が明言「決断は大統領の机上に」 米中「AI冷戦」に転機か
Nothing、Android 16対応「Nothing OS 4.0」正式配信 生成AI機能とGlyph強化で操作性を大幅刷新
大谷翔平選手がWBC出場を正式表明 「日本を代表して再びプレーできることを嬉しく思います」
ファミリーマート、「おいしさ、新次元へ。」キャンペーン好調 大谷翔平選手の活躍と連動し、おむすび売上が前年比140%に 新商品2種類も発売
小泉防衛相、与那国島視察 中国は日清戦争ゆかりの地で実弾演習
米中首脳電話会談で浮き彫りになった「温度差」 習近平は台湾を連呼、トランプは大豆とフェンタニのみ
習近平氏「台湾回帰は戦後秩序の一部」 台湾・卓栄泰行政院長「2300万人に『回帰』の選択肢はない」と反論
高市首相、トランプ大統領と電話会談 「台湾有事」は協議されたのか
米ウクライナ停戦協議が大きく前進 汚職疑惑と前線劣勢の狭間で、ゼレンスキー氏はどこまで拒めるのか
舞台裏》台湾・新竹県長選「三つ巴」に突入 国民党内で林思銘・徐欣瑩・陳見賢が激突、党主席・鄭麗文に初の大試練
シリコンバレーの巨人がついに覚醒 Gemini 3が競合を圧倒し、時価総額3.6兆ドルを回復 Googleの成功秘話
TSMC米国工場の利益暴落「台湾ドル42億から4,000万に」、米メディア「米国製造に冷水」と指摘
中国「第十五次五カ年計画」は経済再建と科技自立が核心 専門家「台湾の最大リスクは軍事より供給網再編」
東京駅でクリスマスイベント開幕 謎解き企画「東京駅サンタ謎」や111周年記念コンサートを開催
米中は「対等」の時代へ?トランプ関税戦争が招いた歴史的転換点を元国家安全保障会議幹部が分析
論評:ウクライナ和平案と台湾の「国民安全ガイド」 頼清徳氏の戦争認識を問う
李忠謙氏コラム:台湾有事の際、日本は自衛隊を投入するのか 専門家が見る現実的シナリオ