高市政権、衆院議席削減試算を公表へ 旧姓使用の法制化も本格始動

国際的に注目される存在となった、高市早苗首相。(写真/AP通信提供)
国際的に注目される存在となった、高市早苗首相。(写真/AP通信提供)

高市早苗首相は就任後、衆議院議員の定数を1割削減する案、結婚後の旧姓使用の法制化、さらに注目が高まる中で進める働き方の調整など、複数の政策方針を相次いで打ち出し、最近の日本政界で大きな焦点となっている。自民党は12月2日に最新の試算をまとめ、今後提出が予定される「小選挙区289議席のうち25議席を削減する」案を提示した。その他の削減分は比例代表制からの減少となる。

議席試算によると、削減は全国20の都道府県に影響が及ぶ見通しで、東京都が最多の3議席減、大阪府、千葉県、神奈川県が各2議席減、その他は北海道から沖縄まで16の道府県でそれぞれ1議席減となる。自民党と日本維新の会はすでに「小選挙区25議席減、比例代表20議席減」で合意しており、今後も国勢調査の結果に応じて調整される可能性がある。

選挙制度改革に加え、高市政権は旧姓使用の法制化作業も同時に進めている。法案は来年の通常国会に提出される予定で、民法の「夫婦同姓」原則を維持しつつ、結婚により改姓した人が旧姓を法的に使用できる通称として認めることで、行政手続きや民間サービスで残る不便の解消を目指す。

高市首相は今年1月の就任前に、旧姓使用に関する新法の私案をすでに提示している。内容には、住民票への旧姓記載のほか、中央・地方政府や事業者に対して必要な措置を講じる「努力義務」を課し、行政、金融、職場などの領域で旧姓をより使いやすくすることが含まれている。現在も住民票、パスポート、運転免許証などで旧姓を併記できるものの、内閣府の2022年調査では、3割以上の銀行が旧姓での口座開設を認めていないことが示されており、制度の普及には依然として課題が残る。法案は自民党と日本維新の会の連立合意書に盛り込まれ、国民民主党や参政党も支持を表明していることから、国会での成立可能性は高いと見られる。

しかし、自民党内では夫婦同姓制度をめぐる意見の隔たりが続いている。とりわけ「選択的夫婦別姓」を求める改革派は、旧姓の法制化だけでは制度改革の代替案と見なされる恐れがあると指摘しており、今後、法案の細部をめぐって党内で対立が生じる可能性がある。

「午前3時出勤」の後に見えた働き方の変化

制度改革と並んで注目を集めているのが、高市首相自身の働き方だ。自民党総裁選で高市首相は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という言葉を掲げ、今年の「新語・流行語大賞」で大賞を受賞した。しかし、「午前3時に官邸へ出勤した」というニュースは政権発足後に大きな衝撃を与え、首相本人の体力やスタッフの業務量に対して内外で心配する声が上がった。 (関連記事: 高市早苗氏の「サンフランシスコ平和条約」発言に中国が反発 台湾外交部が背景説明「中国は台湾を代表できない」 関連記事をもっと読む

日本の報道によると、政府関係者は、首相が初めての予算委員会での答弁準備を整えるため、午前3時に官邸へ入って作業していたと証言した。周囲の官僚からは「紙が総理の赤字修正で真っ赤になっていた」との声も聞かれた。ただ、このような極端な早朝出勤には官邸内でも疑念が示され、その後、外部の注目が高まる中で、高市首相の働き方には明らかな変化が見え始めた。

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