日本、フィリピンに「03式地対空ミサイル」輸出を検討 南シナ海防衛強化を支援

三菱重機によって製造された03式中距離地対空ミサイルシステムは、自衛隊の重要な防空体制の一環である。(写真/陸上自衛隊提供)
三菱重機によって製造された03式中距離地対空ミサイルシステムは、自衛隊の重要な防空体制の一環である。(写真/陸上自衛隊提供)

日本が自主開発した「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)をフィリピンに輸出することを検討していることが分かった。複数の日本メディアが報じたもので、日中外交関係が緊張する中、もしこの武器輸出が最終的に実現すれば、中国の神経を再び刺激する可能性がある。

複数の海外メディアの報道によると、現在、東京とマニラの間ではこのミサイルシステムの調達をめぐって水面下で協議が行われており、マニラ側はすでに購入の意向を示しているという。ただし、この情報が伝えられた後も、日本政府およびフィリピン政府はいずれも、この報道について明確なコメントを出していない。

03式中距離地対空ミサイルシステムは三菱電機が開発したもので、短距離の81式地対空ミサイル、長距離のパトリオットミサイルとともに、自衛隊の三層防空網(短距離・中距離・長距離)を構成している。東京はこのシステムを基に巨額の資金を投じて改良型の開発も進めており、より長射程の強化型も投入している。

この03式ミサイルは、日本本土への配備にとどまらず、奄美大島、宮古島、石垣島にも配備されており、今後は台湾東部海岸から約110キロに位置する与那国島への配備も予定されている。

公開情報によれば、03式中距離地対空ミサイルの射程は約60キロで、日本国内での製造コストは1セットあたり約470億円とされている。システム一式は73式大型トラックに搭載され、レーダー車両や通信・指揮車両と連携して運用される。

由三菱重機自製、03式中距離地對空飛彈系統是日本自衛隊重要的防空體制一環。(翻攝自陸上自衛隊)
三菱重工によって製造された03式中距離地対空ミサイルシステムは、日本自衛隊にとって重要な防空システムの一環である。(写真/陸上自衛隊提供)

関係者によると、東京は2026年を目途に、防衛装備品の輸出規制の改正を計画しており、将来的には武器輸出の制限を緩和する方針だという。現行のルールでは、日本が海外に輸出できる防衛装備は、災害救助、輸送、警戒、監視、掃海など、非戦闘目的に限定されている。

一方、フィリピンは近年、南シナ海をめぐって中国との対立が激化し、武装衝突も頻発している。影響力を急速に拡大する中国に直面する中、マニラは従来の米比同盟に加え、友好国である日本とも安全保障協力の枠組み構築を模索している。

仮に日本が正式にフィリピンへのミサイル輸出を決定すれば、中国からのさらなる強い反発は避けられない見通しだ。すでに11月には、防衛省が与那国島への03式ミサイル配備を計画したことを受け、中国外務省が強く抗議し、日本の行動を「極めて危険」だと批判し、日本が意図的に地域の軍事対立を激化させていると非難していた。

ましてや、同じアジア太平洋地域に属するフィリピンへミサイルを輸出することになれば、中国の反発はさらに一層強まることが予想される。

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