アメリカのドナルド・トランプ氏が『台湾保証実施法案(Taiwan Assurance Implementation Act)』に正式署名し、同法は米国時間2日に発効した。ホワイトハウスもこの事実を認めており、これにより米国の行政部門は、長年にわたり米台間の公式交流に課してきた各種規制や制限について、体系的な見直しと緩和を行うよう議会から義務付けられたことになる。
『台湾保証実施法案』発効がもたらす影響
『台湾保証実施法案』の核心は、アメリカ国務省に対し、台湾との公式往来に関する指針を定期的に見直し、更新することを義務付ける点にある。法案は、国務省が現在も残る各種の制限措置を段階的に撤廃するための詳細な計画を策定するよう求めている。
立法の根底にある精神は、1979年に米国が中華民国と断交して以降、国務省が内部文書によって定めてきた外交・軍事を含む官員間接触のレベルや場面に関する「レッドライン」を解消することにある。
『台湾保証実施法案』の実施原則
国務省がどの頻度でこの見直し作業を行うかについては、法案の中で複数の要件が設けられている。説明の一部によれば、国務省は台湾との交流に関するガイドラインを定期的に検証・更新することが求められている。見直しを行う際には、米台の二国間関係を拡大・深化させる内容とし、両者が共有する民主、自由、人権といった普遍的価値を十分に反映させるとともに、両岸問題には平和的な手段で向き合うことを前提とした準則を策定しなければならない、という趣旨である。
『台湾保証実施法案』が超党派の高いコンセンサスを獲得
この法案は、議会内で党派を超えた強い合意を示すもので、今年2月に共和党のアン・ワグナー下院議員、故ジェリー・コノリー下院議員(民主党)、そして民主党のテッド・リュー下院議員によって共同提出された。法案は5月に下院で異議なく可決され、続いて11月18日には上院でも全会一致で承認され、大統領の署名へと送られた。
ワグナー議員は成立後の声明で、この立法は、中国共産党が地域で主導権を握ろうとする危険な動きに対し、米国が明確に反対する姿勢を示すものであり、同時に台湾への揺るぎない支持を改めて示したものだと強調した。
『台湾保証実施法案』に対し、台湾民進党の反応
今回の法案の発効を受け、台湾の与党・民進党は声明を出し、これを「米台関係のさらなる前進を示すものだ」と評価し、米議会が再び超党派で台湾支持を示したことに謝意を表した。
民進党は、上院が台湾を「普遍的人権と民主的価値を重んじる自由で開かれた社会」として位置づけたことから、異議なく法案を可決したと指摘している。
政策提言から『台湾保証実施法案』発効まで、米台交流が進化
直近の政策的背景として、米台の公式交流に関するガイドラインはすでに一部見直しが進んでいる。2021年1月、当時のポンペオ国務長官は台湾との接触に関する全ての制限を撤廃すると発表したものの、その後のバイデン政権はガイドライン体系自体は復活させた。ただし同時に一部の規定を緩和し、台湾の官員が米国の連邦機関内で常態的に会合を行うことや、米側の官員が台北駐米代表処を訪問して交流することを認めている。今回『台湾保証実施法』が正式に発効したことで、こうした見直しと制限解除のプロセスが、法的に義務付けられる段階へと引き上げられたことになる。
総じて、『台湾保証実施法』の署名・発効は、ワシントンの対台湾コミットメントを、これまでの柔軟な政策的方針から、実施が必須となる法的手続きへと格上げするものだ。今後の米台間の公式関係の正常化は、もはや行政部門の裁量だけに依存せず、米国の外交制度において、定期的な検証と段階的な規制緩和を伴う法的義務として位置づけられることになる。
編集:柄澤南 (関連記事: 賴清德氏の米国経由訪問、林佳龍氏「米国は支持姿勢へ転換か」日中対立は長期化と指摘 | 関連記事をもっと読む )
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