中国共産党中央政治局委員で外交部長の王毅氏は8日、北京でドイツのワーデフール外相と会談し、台湾問題の歴史的事実と法的根拠を全面的に説明した。その中で王毅氏は、台湾の地位は『カイロ宣言』などによって「七つの法的根拠で拘束されている」と主張し、現職の日本指導者(高市早苗首相を指す)が台湾問題を利用して騒動を起こそうとしていると非難。「第二次大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序に正面から挑戦し、中国に対して武力による威嚇を企図している。是(これ)忍ぶべきか、孰(いず)れか忍ぶべからず(是可忍、孰不可忍:これが我慢できるなら、いったい何が我慢できぬというのか)」と強い言葉で批判した。
注目されるのは、中国メディアの微信(WeChat)公式アカウントの分析によれば、「是可忍、孰不可忍」という表現は中国外交の文脈において極めて強い警告性を持つ政治用語であり、使用例は非常に限られているという点である。この言葉が使われる場合、北京当局の忍耐が限界に達したことを意味し、より強硬な措置が取られる可能性を示唆するものとされる。
実際、1962年の中印国境戦争の直前には、『人民日報』が9月22日に「是可忍、孰不可忍」と題する社説を掲載しており、1979年に中越国境戦争を発動した際にも、2月17日付『人民日報』で同タイトルの長文記事が掲載されている。
中国外交部が12月9日午前0時ごろに発表したニュースリリースによると、王毅氏はワーデフール外相に対し、日本の現職指導者が「台湾有事の際、日本が武力を行使できる」とする荒唐無稽な発言を行ったと指摘。「中国の主権と領土保全を深刻に侵犯し、これまで中国側に行ってきた約束に公然と背き、第二次世界大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序に挑戦するものであり、アジアのみならず世界の平和に重大な危険をもたらす」と批判した。
「七つの法的根拠で拘束」を展開 中国の台湾法理ロジックとは
王毅氏は、台湾は古来より中国領土であると強調した上で、いわゆる「七つの法的根拠で拘束」について次のように列挙した。
1、1943年12月、中国・米国・英国が発表した『カイロ宣言』において、日本は戦後、台湾など中国から盗取した領土を中国に返還しなければならないと明記された。
2、1945年7月、中国・米国・英国が署名し、後にソ連が参加した『ポツダム宣言』第8条は、「カイロ宣言の条項は必ず実施される」と規定している。
3、1945年8月15日、日本は敗戦を認め、天皇は『ポツダム宣言』を誠実に履行し、無条件降伏することを約束した。同年10月25日、中国政府は台湾に対する主権の回復を宣言し、台北で中国戦区台湾省の受降式を行った。
4、1949年、中華人民共和国中央人民政府は中華民国政府に代わり、中国全体を代表する唯一の合法政府となり、台湾を含むすべての領土に対して当然に主権を行使することとなった。
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5、1971年、第26回国連総会は第2758号決議を採択し、中華人民共和国の国連におけるすべての権利を回復させ、台湾当局の「代表」を国連から即時に排除した。国連の公式な法律見解では、「台湾は中国の一省である」とされている。














































